タカ植松

ライター、コラムニスト、歌詠み。豪州ブリスベン在住。20年前にダウンアンダーに流れ着く。座右の銘「疾風勁草」。日豪プレス特約記者。市井の在豪邦人の知られざる物語を紹介する記事「一豪一会」をライフワークに。オージー妻に2児の父とお犬様。アウェー暮らしに感じることなどを、つらつらと。

タカ植松

ライター、コラムニスト、歌詠み。豪州ブリスベン在住。20年前にダウンアンダーに流れ着く。座右の銘「疾風勁草」。日豪プレス特約記者。市井の在豪邦人の知られざる物語を紹介する記事「一豪一会」をライフワークに。オージー妻に2児の父とお犬様。アウェー暮らしに感じることなどを、つらつらと。

最近の記事

メルボルン・ストーリー ①

トラムの歌姫 (日豪戦が近くなると思い出すのが、7年前にメルボルンで行われた日豪戦の取材で3日間ほど現地滞在した時の経験。フットボールとはまったく関係ないが、7年前にFBに上げた内容を加筆訂正の上でnoteに転載した) メルボルンに来るたびに、何か面白い経験がある。"物語"と名乗るほどネタがあるわけではないけども、それぞれの経験を書き残しておきたいと思う。 今回の滞在は日豪戦の取材。メルボルンに来る理由の半分はフットボールだから、ほとんど散策に時間を避けないのが残念。今

    • 一杯の珈琲

      毎週、同じクライアントをアポイントに連れ出す。その後、モーニングティーを取るべくカフェに入るのがルーティンだ。 最近、訳あって、その際に寄る店を変えた。元々、このクライアントはコーヒーは好きなのだけど、オーダーしたスモールサイズでも飲み切ることは稀。それが、カフェを変えてからはほぼ毎回キレイに飲み干すようになった。 何がどう変わったのかを少し観察してみたら、面白いことに気がついた。 彼のコーヒーを取る手が進む時は、毎回、同じ若い女性のバリスタがコーヒーを淹れている。彼が

      • にしん蕎麦

        たまの休日、スーパーマーケットで叩き売りされていたのを冷凍保存していた鯛の頭で兜煮を作った。我ながらなかなかの出来栄えだったものの写真に収める間もなく家族の胃袋に消えた。 翌日、冷蔵庫で煮こごりになっていた残った煮汁で、前日スーパーで所在無げに並んでいたのを買ってあった5尾の鰯を煮てみたら、どうだ。出来上がりの姿がにしん蕎麦の上に乗る身欠き鰊(にしん)にそっくり。 さらに、鯛、鰯を煮て出た煮汁を薄めてから麺つゆを加えると、にしん蕎麦のつゆの代用品が完成。さっと、そばを茹で

        • 一杯の水

          朝起きたら、顔を洗うより先にキッチンに向かう。 キッチンベンチに置いたドラムから水を汲み、常温の一杯の水をゆっくりと飲み干す。平均6時間の睡眠でも身体はある種の飢餓状態にあり、この一杯の水は砂漠が水を一気に吸うがごとく身体中に沁み渡っていく。身体中が潤いながら少しずつ眠りから覚めてくるのを感じながら洗面所へ。蛇口を思い切り捻って、冷たい水で顔を洗う。2度、3度、顔を洗うとシャキっと目が覚める。肌も乾燥状態から一気に潤いを取り戻す。 ここで小腹が空いていたら、時間があればオ

          RU OK?

          実在のある人物を引き合いに出す。 その人物は、他にあまり例を見ないユニークな生業を持つ。それがゆえにもてはやされる。その生業は、その人物をその本質よりも大きな存在に見せる。彼/彼女自身もそのステータスがあってこその自分と自覚しているから、そのエゴは肥大していく。 巷間、いわゆる外面の良い部類の人間には、えてして、内向きの別の顔があるもの。今回の人物も例外ではない。典型的なジキルとハイド。その人当たりの良さからは想像もつかない粗野で不躾で傲岸不遜な人格が潜む。そんな裏のペル

          「終戦の日に思う」

          旧ブログに11年前に書いた一文を、一字一句直さずにそのまま再掲する。平成23(2011)年と言えば、ブリスベン大洪水、東日本大震災に見舞われた大変な一年。私個人としても、丁度この頃、洪水で店を畳んでからの事後処理が一段落着き、借金返済のためにようやくチャンスをもらえた配送の仕事を始めた覚えがある。 この頃から、終戦の日に対する思いは寸分も変わらないし、残念ながら、11年経った今も終戦の日をめぐっての諸事情もあまり変わらない。 このままで良いわけがない。 以下、旧ブログより転

          「終戦の日に思う」

          最後の一皿

          4月のある日曜の夜、驚きの知らせが届いた。 その知らせに、翌日の長い長い1日を終えて身体にへばり付くような疲れを忘れて、ブリスベン中心部に近いテネリフェに車を走らせた。 ブリスベン有数のおしゃれサバーブも、平日しかも月曜の夜となると早くから閑散としている。その中で、明かりが灯り、人々の歓談の声が漏れてくるレストランにラストオーダーに間に合うかどうかのギリギリのタイミングで飛び込んだ。 Mizu、ブリスベンではよく知られた数少ない純日系の日本食レストラン。オーナーシェフの

          最後の一皿

          自己紹介、みたいなもの。

          noteなるものを始めてみた。 まずは、自己紹介からだろうと思うのだが、あまり書くことがない。 マイページには、“在豪在野のライター。福岡県出身。16年前にダウンアンダーに流れ着く。座右の銘「疾風勁草」。オージー妻に2児の父。最近、自身初ペットとなるお犬様が家族に仲間入り。”と書いた。 正直、これがすべてだ。他には、特記事項なし、である。 「在郷」ではなく「在豪」であるからして、今、豪州に拠点を置いている。 豪州から、ここにいれば誰でも知れることを少しもったいぶって

          自己紹介、みたいなもの。