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RU OK?

実在のある人物を引き合いに出す。

その人物は、他にあまり例を見ないユニークな生業を持つ。それがゆえにもてはやされる。その生業は、その人物をその本質よりも大きな存在に見せる。彼/彼女自身もそのステータスがあってこその自分と自覚しているから、そのエゴは肥大していく。

巷間、いわゆる外面の良い部類の人間には、えてして、内向きの別の顔があるもの。今回の人物も例外ではない。典型的なジキルとハイド。その人当たりの良さからは想像もつかない粗野で不躾で傲岸不遜な人格が潜む。そんな裏のペルソナ(ここでは「悪魔」と呼ぶことにする)がふとしたタイミングに噴出する。

今回の人物の「悪魔」と対峙した時は、そのあまりのキャラ変に理解が付いていかないうちに「悪魔」はすっと姿を消した。まるで、そんなこと自体がなかったかのように消えてしまった。
仮に自分のその経験を周りに伝えても「あの人に限って」と信じてもらえないのは目に見えていた。だから、声を上げるのも無駄と誰にも言わずにきた。それくらいに、裏表のキャラクターの使い分けは巧妙だ。
しばらく会っていないが、伝え聞く限りでは、その人物も表のペルソナでは忙しくやっているらしい。まだ、その「悪魔」の尻尾は掴まれてはいないようだ。言い換えれば、「悪魔」の所業を暴くのはそれだけ難しいということだ。

前段が少々長くなった。ようは今回取り上げたこの人物に限らず、同種の「悪魔」はこの社会の至るところに潜んでいるということが言いたい。

この類の二重人格性はどうにも始末が悪い。外には出せない苛立ちが内に向き、ある特定のターゲットにだけ牙を剥く。それが、DVやハラスメントを産んでいくのだ。
「えー、あの人に限って、そんなことあるわけないよ」。
そんな風に周りを思わせることで、多くの人物の内なる「悪魔」は今日も命を長らえている。被害者や思い悩む人の誰もが声を上げられるわけではない。

誰にでも「悪魔」は忍び寄る。
誰でも「悪魔」になりえる。
あなたの身近にもそのような「悪魔」の行状に人知れず悩んでいる人がいるかも知れない。あなたのRU OK?が、何かのきっかけになるかも知れない。

できるだけ「悪魔」を産まず育てない、
ダメな時には声を上げられる、
辛い時には助けを求めることができる、
助けを求める人を見逃すことのない、
そんな社会になりますように。

R U OK? 

少しでも誰かの助けになりますように。

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