チャンスを掴むこと、活かすこと、そしてそれより大切なこと/note公式「今日の注目記事」に選ばれて
先週、旅行記が「note公式マガジン」に追加された記事を書きましたが、驚くべきことにその記事がnote公式「ビジネスまとめ」、そして「今日の注目記事」に選ばれてしまいました。
選出されてから数日にもかかわらず、9000を超える異常な閲覧数。止まらない通知のメール。
ーー平凡な日常を送っていた田舎の町役場に、とあるきっかけで突如外国人観光客が殺到した
まさしくそんな非日常の光景が広がっていました。
村長は嬉しい反面驚きを隠せません。
■誰と繋がっていたいか、という問い
とはいえ、狙ったとしても必ず経験出来る事でもないと思うので、良い機会だと捉えて色々と考えてみました。
今回の記事は、あくまで旅行記の補完的な位置付けで書いたので、オリジナリティを発揮して…というよりは、書籍からの引用メインという通常とは違うテイストでした。
料理店で言うならば、新作のハンバーグを売り込もうとしていたところ、「ここのクレソンが美味しい!」と予想外の形で話題になったようなものです。
ただ、それを加味しても、閲覧数こそ跳ねていますが、実態としては「一見さん」。
事実、閲覧数に対するスキの比率や、リンク先への展開は少なかったですし、次を読もうと思わせる程の魅力がなかったと言ってしまえばそれは否定できません。
同日、ちょうど私の一つ上に、フォローさせて頂いている池さんの記事も「今日の注目記事」に選出されていました。こちらは内容的にも選ばれるだけの理由があると思わされるコンテンツでした。
個人的には、この記事だけでなく他の記事も本当に素晴らしいので、毎回どうやって情報を集め、まとめ書かれているのか頭の中を覗いてみたいといつも思わされています。
とはいえ、私自身は、引き続きこの自分の村でどうやっていくかを考えなければなりません。
そもそも、興味を持たない人に無理やり興味を持たせることが良いとは思いません。
初めての外国人観光客に対して、言葉も文化も知らない状態で、村の魅力を、それも限られた時間で伝えるのはとても難しい行為のはずです。本当にこの場所に来たくて来たわけでなく、付き合いで来た人だっているでしょう。
折角なら、興味ある人同士で繋がりたいものです。それはビジネスでも私生活でも同じ。無理した関係は長くは続かないものです。
その意味では、無理して万人受けする必要はないのかなと思いますし、そもそもそんな気負った場所ではないはずです。引き続きマイペースに続けたいと思います。
これまで通り、たまに美味しいと言ってもらえるようなハンバーグを作れれば十分幸せです。もちろんクレソンも添えた上で、です。
■学ぶべきは、チャンスの取り方よりも活かし方
では、今回の一連の出来事が、自分にとって何も変化を生まなかったかと言うと、決してそうではないと思います。
「1万人近い初めての方に、無名である自分の書いた記事を見てもらうチャンスを得た」このことが、今回の最大の成果だったんじゃないかと思います。
間違いなく、今回のはビギナーズラック、たまたま当たった玉がホームランになったわけなのですが、ただ一方で47週続けてバッターボックスに立ち続けていたことは紛れもない事実なわけです。考えようによっては、どこかで止めていたら得られなかったチャンスだと思うわけです。
まさに今開催中のオリンピック選手を見ていても同じことを感じます。
まるでこの時期、命を擦り減らしながら鳴く蝉のように、選手達は皆、本大会本番での一分一秒、一センチ一ミリ、その一瞬一瞬という僅かなチャンスを活かすそのためだけに、膨大な時間と労力を費やして準備をしてきています。
その準備があったからこそ、いざそのチャンスが来たときに活かしきれているんだなと思わされました。
つまり、学ぶべきは、「チャンスの取り方」ではなく、寧ろ「チャンスの活かし方」だと思うわけです。
多くの場合「チャンスの取り方」ばかり注目されますが、チャンスはふとした時、便りもなく突然インターホンを鳴らしてきます。
その時に、チャンスを活かそうと準備していない人は、パジャマを着ているなどの諸々の理由を付けて、活かしきれず終わってしまいます。
チャンスを活かそうとしている人は、そのチャンスがいつ来ても対応出来るように想定し、行動に落とし込めているはずです。
スポーツだけでなく、あるいは経営者や投資家など、世に言う成功者と言われる方は、皆それぞれターニング・ポイントと言われる分岐点でチャンスを掴み、そこからそのチャンスを活かすことで飛躍しています。
芸人などがその最たる例かもしれません。一発屋と言われる方が、文字通り一発屋で終わるのか、あるいはそれをきっかけにメジャーになるのかは、まさしく「チャンスの活かし方」にかかっているのだと思います。
税理士の仕事をしていてもそれは感じます。クライアントである社長は、多くの場合、昔はイチ平社員だったところ、それぞれ然るべきタイミングで掴んだ「チャンスを活かして」今に至っています。
そう考えると、チャンスのとり方よりも、チャンスの活かし方の方が再現性はあり、学ぶべき対象だと思いました。
ーーその時にその物事をどう捉え、どう結論付け、そしてどう行動に落とし込めるか。
まさしく書いたアイアンハートの内容であり、折口氏の半生そのものなのですが、改めてその活かし方について考えさせられた出来事になりました。
■おわりに
具体的なチャンスの活かし方についてまでは今回言及できませんでしたが、チャンスを活かすには「大胆な気持ちと一緒に、繊細な目も両方必要よ」と母は教えてくれました。
私の人生を振り返っても、チャンスは掴めたことより、掴み損ねたことの方が数としては多かったかもしれません。
税理士を取るまでにも、紆余曲折あり、簿記から入れると10年近くかかってしまっています。その一部始終を見てきた母からの言葉は、まさにベストタイミングで私に響きました。
チャンスを活かしても、あるいは活かし損ねても、そこから学ぶべきことがあるのなら、それが明日への活力に繋がっていくのかもしれません。
"人生の成功とは、勝つことではなく、転ぶ度に立ち上がり、また進むことだ"
ーーホセ・ムヒカ元大統領
そんな周囲の方への感謝を胸に、また進んでいきたいと思います。
引き続き宜しくお願い致します。