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中学校で学ぶ確率(公立高校入試問題から)

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中学校で学ぶ確率の問題を、公立高校入試問題から、コレでもかというくらいにスモールステップに分けて0から説明をしています。特に確率を「教えにくい」と思っていた10年前の自分に向けて…
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2021年6月の記事一覧

基礎編14 「2つ取り出すの分母②」取り出して,戻さずもう1回

基礎編14 「2つ取り出すの分母②」取り出して,戻さずもう1回

問題を解く前に・・・ 「ひいたカードを戻さない」ことに注意しましょう。今までになかった考え方が出てきますよ。

分母は・・・ Aさんにとって起こる偶然は「7をひく」「8をひく」「9をひく」「10をひく」の4通り。

 その後にカードをひくBさんにとっても,起こる偶然は「7をひく」「8をひく」「9をひく」「10をひく」の4通り。

 表はこんな感じになります。

 ここまでは基礎編13と違います。が

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基礎編13* 「2つ取り出すの分母①」取り出して,戻してもう1回

基礎編13* 「2つ取り出すの分母①」取り出して,戻してもう1回

問題を解く前に・・・ さて,ここからはさいころを離れて,「玉」や「カード」を使った問題を考えていきます。さいころと違うのは,

「取り出した後,それをどうするか」で分母が変わる

ということです。

 さいころは,誰がどのタイミングでどうやってふっても「1~6のどれかが出ることも同様に確からしい」のです。
 ところが,玉やカードは,取り出した後に戻す場合と戻さない場合で、状況が変わります。その状況

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基礎編12* 「分子判定の基礎⑥」代入その2

基礎編12* 「分子判定の基礎⑥」代入その2

問題を解く前に・・・ 「うっ 文字式・・・方程式・・・」と思う人もいるかもしれませんが、確率の出し方はいっしょ。淡々と「分母はいくつ?」「分子はいくつ?」と考えていきます。

分母は・・・ 「さいころを2回」なので、表はこうなります・・・で大丈夫でしょうか? ダメだったら基礎編4を。

なので、分母は  36

分子は・・・ 分子はいろいろ考え方があると思いますが、とりあえず $${2x-y-5}

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基礎編26* 「偶然3つ以上の分母⑤」【研究】くじで委員を選ぶ・座席を決める

基礎編26* 「偶然3つ以上の分母⑤」【研究】くじで委員を選ぶ・座席を決める

 手法としては、これまで解説してきたことの中で解けるけど、特に「パターン」として練習しておいた方がよい問題を【研究】として取り上げます。

 その最初が、このくじで選ぶの問題。

問題を解く前に。 中学校の公立高校の入試問題は大まかに2つのパターンに分かれます。

(パターン1) だれもが誤解のないように、細かい手続きを細かく細かーく丁寧に一つ一つ、つぶさに書きすぎて、実はしっかり読まないとなんだ

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基礎編17* 「偶然2つの分母」お互いに影響しない2つの偶然

基礎編17* 「偶然2つの分母」お互いに影響しない2つの偶然

問題を解く前に・・・ これまでは、AさんとBさんに偶然を分担したときに、2人には全く同じ偶然が起こりました。さいころ2つ・2回とか、同じ袋から2回・2個取り出すとか、同じカードの組から2回・2個取り出すとか・・・

 ところが、今回の問題のようにそれぞれ違うことが起こる偶然を分担する、という問題もよく出てきます。どんな偶然が起こるのでしょうか?

 さっそく問題を解いてみましょう。このタイプの問題

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基礎編16*  「2つ取り出すの分母④」3つの取り出し方の違い

基礎編16*  「2つ取り出すの分母④」3つの取り出し方の違い

問題を解く前に・・・ 単純な計算問題ではなく、こうした文章・会話を読み解く問題を出す都道府県も少なからずあります。数学でも読み解きの能力を試す、ということもあるのでしょう。

 また、この問題は気づいた人もいるかも知れませんが基礎編15(C)・基礎編13(A)・基礎編14(B)でそれぞれ取り上げた3つのパターンの違いを知る問題でもあります。

 今回はA・B・Cそれぞれの分母の出し方と、それに対す

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基礎編15* 「2つ取り出すの分母③」同時に2個取り出す

基礎編15* 「2つ取り出すの分母③」同時に2個取り出す

問題を解く前に・・・ 前回の基礎編6・7と違うところを見てみましょう。

○取り出して、戻してもう一度(基礎編13)
○取り出して、戻さずもう一度(基礎編14)
○2枚同時に取り出す(←いまここ)

 2つの偶然を起こすので、AさんとBさんの2人で分担してもらいましょう。

分母は・・・ AさんとBさんが2人で分担します

 だけど、

同じカードを取り出す,ということはできませんね。

でも・・

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基礎編10* 「分子判定の基礎⑤」そのほか四則

基礎編10* 「分子判定の基礎⑤」そのほか四則


問題を解く前に・・・ 10~13では、表をつくった後、判定材料を作って表に書き込んで、それを見て判定、という問題を並べています。

 「2けたの整数を作る」「和」の他に、「積」「決めたルールで点数化」「式に代入」などがあります。

 「判定材料を作って表に書き込んで判定」というのに慣れる問題をもう1問。

分母は・・・ 大小1つのさいころは・・・なので、もう表はこれっていうのでいいでしょうか。ダ

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基礎編6* 「分子判定の基礎①」並べて2けたの整数をつくる

基礎編6* 「分子判定の基礎①」並べて2けたの整数をつくる

問題を解く前に・・・ ここからは、分子の出し方に焦点を当ててみようと思います。

 そのためには、分母は「さいころ2個/2回」の問題(分母は36になる、基礎編3・4・5)だけにして、分子の求め方、分子はいくつになる?に集中して解説したいと思います。

 実は,ここまでは2つの偶然の結果を直接比べたりする問題でした。しかし多くの確率の問題は「いったん判断材料を作って、それを判定する」というタイプの問

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基礎編5 「サイコロ2回の分母③」(区別のつかない)さいころ2個

基礎編5 「サイコロ2回の分母③」(区別のつかない)さいころ2個

問題を解く前に・・・ 「大小2つのさいころ」「1つのさいころを2回」に続いて,問題を良く読んでみましょう。単に「2つのさいころ」とあります。

 形・大きさ,まったく同じさいころかもしれない。2つのさいころを同時に投げてしまったら、2つのさいころがドッチがドッチだったか、混ざってしまってわからなくなってしまうじゃないか! 今までの問題と考え方が違ってくるの?

・・・と思った人もいるかもしれません

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