(9)元ビーチボーイの農民、コザックの憂鬱(2023.9改)
「アユタヤに隣接している」これが周辺の都市のロックダウンの理由となった。
ゴーストタウンのように静まり返る首都バンコクから100kmほどの距離にある世界遺産の遺跡のあるアユタヤは観光客の1デイトリップに向いており、欧米からコロナウイルスが順当に持ち込まれた。
日本と対比してみると分かりやすいかもしれない、バンコクとアユタヤと同じ距離感にある、都心と山梨のケースで見てみよう。
2月の春節に中国人を受け入れたので富士五湖周辺の観光地にコロナ感染者が広がった。それ以外の県内感染者は都内に仕事で向かった人々が大半となる。中央線沿線の居住者、中央道の利用者と家族周辺で広まった。しかし、山梨は大半が山地であり農地なので、非常事態宣言が効果的に機能し、大規模な感染拡大は防げた格好となる。
アユタヤも同じで観光地に感染者は広がったが、海外からの観光客の受け入れ停止とロックダウンにより、バンコクよりも早く事態は収束してゆく。
アユタヤの隣のソンブリは田んぼが大半を占める穀倉地帯なので、山梨の農村部と同じようにロックダウンにより、感染者がほとんどいない。
タイ政府としてはソンブリ県は重要穀倉地帯なので農民に感染が広がり、栽培に支障が出るのは避けたいので、ロックダウンの対象県に加えた。
痛し痒しなのだが6月後半から始まる2度目の田植えシーズンを迎えるのに当たって、田植えの人足、人員が集まり難い状況となっている。
ソンブリだけに止まらず、北部観光地のチェンマイ周辺、東北部の田畑も今年は栽培を見送る家も多かったようだ。
外務省でも総理府でもどこでもいいのだが、日本政府が周辺国の状況をどこまで抑えているのか、モリは甚だ怪しんでいた。
タイ経済にとって、観光産業と農業は2本柱となっている。工業化が進んだと言っても日本のような中進国(もはや先進国ではない)の資本が入った企業なのでコロナの影響を受けており、ロックダウンで生産も輸出もストップしている。
観光客も来ないので、外貨の獲得手段は農産物輸出、特にコメに依存するしかない。生命線となってしまったコメ生産が滞るような事態になると、国家運営に齟齬が生じ兼ねない。そんなタイの状況を把握しているだろうか?タイが何を求めているのか、今何が必要か、分析しているのだろうか?という話だ。
タイ政府と農水省、そして農民が求めているのは、安定した農作物の輸出と国民の胃袋を満たすコメや野菜生産なのだが、日本政府と外務省、農水省はタイ側の事情を考慮せず、タイや東南アジアに進出している日本の農機具メーカーや日本の食品会社、そして日本企業の御用聞きジェトロの意見を参考にする。
タイに進出したメーカーが自社農場やテスト用の耕作地をタイ国内で所有しているのだから、彼らの利益に結びつく金を出ぜば良いと日本人は安易に考える。
対外援助といえば、国民からむしり取った税金を円借款としてバラ撒くだけ。それで相手から恩義を得られると思っているのがそもそも間違いなのだ。根底の情報が徹底的に欠落している。
そもそも論となるのだが、日本の農機具メーカーの製品をタイの農民の大多数は購入できない。トラクター、田植え機、コンバインの3種類の機械を買い揃えられる稲作農家は極めて少数だ。
日本の農機具メーカーも台数を売らねば利益が出ない。自動車やバイクと違って市場が広い訳ではないので、1台で何でもこなす複合機や万能機を開発しようものなら、自分の首を絞める話となる。それ故に設計もしなければ、計画もしない。
また、日系食品メーカーの欲しい農産物を栽培するには、日本の食料基準に従う必要があるのだが、資本も無く、労働力に余裕のない農民には日本の食料基準に準拠する栽培をするのは容易では無い。特定のF1種の種を日本の種苗会社から購入し、日本の肥料会社の肥料を購入し、種に応じた手間を講じながらの栽培など、とてもではないができない。
経済が成長して農民たちの所得が上がれば確かに可能性は出てくるのだが、その日本が求める経済成長の伸びと、欧米諸国が求める内容がまた残念な事に合致しない。
欧米はそんな悠長に時間を使わない。
発想は至ってシンプルなものとなる。大地主制を維持し、プランテーション化を進めて、広大な農場に大型農機具を売りつける事で収益を上げようとする。
経済が成長せずに植民地時代とさほど変わらない体制を維持することで、その国の政治と経済を牛耳る方を選択する。
グローバルサウスとG7主要国との軋轢がいつまでも続くベースには、この構図が色濃く残っているからだ。植民地的支配が無くならないので、永久に議論し続けるのだろう。
フィリピンを除く東南アジア、南アジアは欧米による経済支配体制の例外となる。植民地にならなかったタイは例外として、ASEANの中では独立したマレーシア、インドネシア、ベトナム、ラオスは大地主制が無くなった。
では、タイ、マレーシア、インドネシアといった経済発展中3か国の農民たちの取得が増えたか?というと、それほど変わっていないのが実情だ。
つまり、最新の農機具を購入するなど夢のまた夢。実際、日本の農機具の販売数は増えていない。そして日本と欧米の異なるスタンスに挟まれて、従来型の農法、種苗、肥料が持続しているのが現状なのだ。農の革命は全く起きていない。(厳密に言うと、アメリカがフィリピンで農の改革を打ち出したが大失敗に終わった)
そこに無人で作業を請負うマシーンをAIで可能にし、1台のマシーンが複数の作業をこなし、購入ではなくレンタルで提供し、農家の支払いコストを抑えるコンセプトを某社が掲げた。
このビジネスモデルを成立させる為に自社農場の獲得し、農場の農産物売上による補填を実現する必要があった。時流的に農業人口は世界中で減少傾向にあり、労働人口減少傾向により使われない農場も拡大している。この農地を人手を掛けずに耕作できれば、収穫物が補填収益として換算できるとして、無人化は必要不可欠だった。
この補填収益により、日本であっても東南アジアであっても、レンタル費用での提供が可能となった。
技術面はクリアーしても、生産者側のニーズは満たしても、「支払える価格か否か」は事業をスタートさせねば分からない。初期の目論見としては、なんとか達成できたと見ていた。
まだベトナムでサービスインしただけだが、作業受託数が増えつづけているのは何よりも朗報だった。ビジネスの初期段階はクリアーしたと見て良いだろう。
ベトナムでの好発進とビジネスモデルに関心を持った国がタイであり、自国の救済策となると判断したのがタイ農務省だった。
彼らを日本の農水省と同一視してはいけない。高い食料自給率を維持し、国の輸出を支え、国の財源創出を担う省庁なので、レベルが圧倒的に違うと見るべきだ。今の日本の経産省は国を中進国レベルに格オチさせた大戦犯だが、第二次経済成長を主導した名称変更前の通産省並みで同格にあると捉えるべきだろう。
モリは「エリートを投入し、国を背負っている省庁」だと認識していた。
また、シンガポール企業のビジネスモデルだったのでタイから注目されたとも言える。
もし日本の企業であれば、おマヌケな日本政府が絡んでくるのは目に見えている。食料自給率が低くても存在し続けている奇特な省庁で、輸入品に頼るだけの農水省に、経済成長出来ずに中進国に日本を落とした実績のある経産省がもれなく介入し、事態をより複雑なものにしていただろう。
モリがシンガポール資本を選択した理由は今回の選挙と全く同じだ。自社が日本企業であってはならないと断定していた。
独立独歩を貫くためには、日本の劣化した官僚と政治家の無用な介入を回避する必要がある。無能達が策定した起業条件や安い支援金を無視し、連中の関与を避けなければ、無能どもに足を引っ張られて失敗しかねないと危惧していた。
それに先進国入りを目指す国、農業という根幹事業を重視している国がブルーインパクト社のビジネスモデルに飛び付いて来るためには、中進国日本の看板を完全に排除する必要があった。
もし、ブルーインパクト社が日本企業だったら、前出した省庁のせいでプロジェクトは停滞し、失敗していただろう。
具体例で見てみよう。大阪の万博、辺野古の埋立という2大失敗事業に、史上最低のオリンピックを見れば分かりやすい。
全体を把握しないまま何でも場当たり的に着手するので、最終的には負債だけが積み上がり、税金を投入せざるを得なくなる。財務省はマヌケ事業の費用補填のために国民から金を毟り取る手段を考え続け、負の連鎖が永遠に続く。こんなお粗末な国が先進国であるはずがない。
タイ政府だけでなく、全ての政府の失笑を一手に集めているのが日本だ。カネはアメリカの言う通りにバラ撒くのでチヤホヤ持て囃すが、中身は全く無い。
分析能力が無く、先を見通せない役人と政治家が揃っている国と関わるのは、時間の無駄だ。最早、ルックイーストと嘗てのように崇め奉られる国ではないのだ。
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月曜日の夕刻、最寄り駅で玲子と合流し、タクシーでタイ大使館に向かう。
外交官志望の彼女を、日本法人会長秘書として連れてきた。モリは日本の外務省より、各国の大使館員の方が面白いのではないかと思っているのだが、そこは今は触れるのは止めた。
前回大使館訪問時の事前分析資料と訪問後の考察レポートを玲子には事前に読ませて、タイの農業と稲作に関する情報を理解させていた。
相手を知らずに訪問する訳にはいかないからだ。
「相変わらず細かい分析ですね」タクシーの中で玲子が資料を広げる。
「少なくとも日本の外務省を上回る印象を残す必要があるからね。でなければ、ここまでの展開は起こらなかったんじゃないかな」
「バギーの性能だけでも行けたんじゃないですか?」
「それはあるかもしれない。実はあのバギーのコンセプトは30年前のコーラート、今はナコンチャラシマって呼ばれてる東北部の農家に滞在してた時に生まれたんだ。タイの農家に使って貰うにはどうしたらいいのかなって考えてた。君と同じ年の頃の発想なんだ、あのバギーは」
「30年前・・NGOにでも参加してたんですか?」
「いや、バックパッカーだった。
市場に見事な野菜を売りに来ていた老人と仲良くなって、ご自宅を訪問させて貰ったんだ。
2月は田植えの時期でもあるから、手伝いますよって言って1週間くらい生活してた。結局、3年続けて通ったな、卒論のベースにもなったんだ」
「あれ?インドネシアでも田植えしてませんでしたっけ?」
「してたね・・バリ島では夕方はビーチボーイになって日本人女性を騙していた。あれが生涯で一番儲かったバイトだったな・・」
「ビーチボーイって・・そんな人が教職員になっていいんですか?」
「10年間民間企業でサラリーマンやって、すっかり厚生したんだよ。教員なってからは過ちを犯していない、でしょ?」
「あれえ? まだ制服を着ていた私はどうなるんでしょう? 杏と樹里にさっちゃんとたて続けに・・」
「卒業してからだったって話にしたのは、君たちだろう?頼むよ、それじゃ契約違反だ、こっちはまだ教師なんだぜ」
「その話はまぁいいです。で、ビーチボーイってホストみたいなものでしょう?そんなのウブな女子には分からないですよ・・セミプロを相手にしてるって話でしょう?知らなかったなぁ・・」
「でも、身に覚えはあり、でしょ?」バシッと叩かれる。
「女性の天敵みたいな人ですね、本当に・・」
「天敵の源氏名が・・イザックとアナックとコザック」
「ちょっと、なんで3つもあるんですか?」
「相手がOLで小金持ちだったらイザック。これは日本に帰ってからでも使える。アナックはその場限りの相手に使う。彼女が翌年バリにお見えになってアチコチで聞いて回っても「アナックなんて知らないよ」って話でウヤムヤになる」
「最低。女の敵・・じゃあコザックは?」
「カテゴリー的には、君たち4人と同じだね。カワイイ女子大生。でもあまりお金は持っていない」
「カラダ目当て・・本当に最低ですね・・もし日本でバッタリ会ったらどうするんですか?」
「だから、最初に聞くんだ。保険を兼ねて日本のどこから来たの?って。会話は全部英語で日本語は一言も使わない。あの頃は携帯電話すら無かったから、なんとかなったのかもしれないけど」
「そうか。モバイル全盛の今は逃げられないのか・・」
「あ、待てよ。番号別のSIMカードを持てばいいんじゃないかな? 女性がバリを去るのと同時に、SIM交換しちゃえば連絡取れない」
「最低・・」
大使館に着いてしまった。精算を行う。
「折角、いい流れだったのに・・どうしてこうなった?」
「本当ですよ。台無しですよ、急に変な話を始めるから・・」
「当時はね、とにかく荒れてた。若い女性を敵視していたのも事実だ。バブル絶頂期で若い娘でも大金を持ってたんだ。現地の男が目的なんだから、利害関係は互いに一致してた。僕は彼女たちが喜んで貢いでくる金をひたすら巻き揚げてたんだ」
「・・一体何があったんですか?」玲子が質問したときに新手が加わった。
「ご無沙汰、コザック。元気にしてた?」
タクシーの開いたドアから女性が覗き込んでいた。
「あの、人違いではないでしょうか?」
・・ビーチボーイの被害者、いきなり登場?と玲子が焦るが、モリは全く動じていないようだ。
「いいえ。あなたはあの男に違いありません。顔のホクロの位置も一致しています。何なら、見えない身体的特徴でも申し上げましょうか?」
因果応報。地球を何周したのか知らないがブーメランが帰ってきた。顔にも記憶が無いのは、一切情が無かったんだろうと、ため息をついて、車外に出た。
「ほーら、やっぱりノッポさん。随分色白になっちゃったけど、変わらないね」
「申し訳ありませんが大使に用事があるので、ここで失礼します」
「待って。その打合せ、我々も参加させていただきます。プルシアンブルーさんの今後に日本政府も何かしら、支援をできないかと思っているのです」外務省の名刺を里中千枝が出してきた。しかしモリは無表情のまま名刺も受け取らずに口にする。
「もし必要が生じたとしても、シンガポール政府もしくはタイ政府に要請致します。そちらにお願いする事も無いと思いますが」・・お引き取り下さい、とまでは言えないとモリも思う。
「そう冒頭から言われるとね、身も蓋もないのですが・・。まぁ、参りましょうか」
半ば2人を無視するかのようにモリが大使館へ入っていく。玲子がペコリと頭を下げて、モリを追っていった。
外務省が携わるのはタイ空軍の輸送機離発着手続きと空軍乗務員の空港施設利用時のウィルス無検査の特例措置認可を各担当省庁と調整するくらいだ。今のモリの発言だけでプルシアンブルー社がなぜ日本で起業しなかったのか、見当がついてしまった。里中は「これも想定通りだったけどね」と思い直して、大使館に入っていった。
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外務省の里中達はモリのタイの農業事情の知識と稲作に関する情報に脱帽する。何故、そこまで知っているのか、大使とネット越しの農水省職員と外務省職員達も驚いている。
「私も秘書も現役の農民でもあります。稲作の技術は万国共通なのです、この程度の知識は農民であれば知っていて当然です」
と、苦もなく立ち回るモリの姿と、農業用語の語彙に加えて、時折タイ語を単語で加えて理解している旨を対話相手に知らしめていれば、相手の関心を得るのも当然だった。
タイ側はプルシアンブルー社員の特例入国を講じるとまで言及し始める。日本でPCR検査を行い、陰性と判断された者であれば、ホテルなどの隔離した環境での経過措置期間を待たずに、入国を認める用意があると言うと、
「貴国の事情はよく分かりました。今回のお話、弊社としても全面的に対応させていただきます」と述べた。モリから日本の外務省にあった唯一のリクエストは、
「タイ側でここまでして頂いたのですから、日本に帰国しても隔離なんてしませんよね?」
と皮肉混じりに「英語」で聞いていた。タイ側のスタッフも返答を期待している。
「大丈夫です。タイ側での検査で陰性であれば認めます」
「PCR検査で宜しいんですよね?」モリが笑顔で言うので、タイ側のスタッフも笑っている。この場で自分と国が立場を失うのが分かっていながら口にする。
「抗原検査に特定します。タイに無いのを想定して抗原検査キットを出国時にお渡しします」と里中が述べるとモリが笑い出し、大使が笑いを堪える・・屈辱だった。
事前に社内調整を済ましてから、この会談に臨んだのだろう。外務省のサポートはその1点だけで、他の場面では一切必要としなかった。里中が口を挟もうとすると、モリが視線で介入を阻止した。モリが主役だと理解したのだろう。タイ側のスタッフも外務省職員を蚊帳の外の扱いをするようになる。全面的にモリを信頼し、意に添うように対応していた。
会談の終わりで、大使はモリのタイ入国を要請する。モリは7月末のバギー出荷時に輸送機に同乗する、その代わりに帰りも輸送機に載せて頂く必要があると答えると、2つ返事で大使館員が同行するので、元よりそのつもりでしたと2人はグータッチを交わした。
民間機が飛んでいないのだから、仕方がない。
ここで外務省も同行したいと口にする雰囲気ではなかった。可能であれば自衛隊機、もしくは政府専用機、チャーター機を用意できたら同乗も可能だったろうが、日本はタイ側の検査制度を承認できなかった。厚生労働省がPCR検査を認めておらず、抗原検査でなければNGだとしているからだ。
「下らない理由で、我々は何も出来ない」外務省職員は、項垂れるしかなかった。
「大使、バンコクなどの他の都市に寄りませんのでウチの社員達も同行しても宜しいですか?勿論、滞在費用の一切は当方で負担しますので」
「勿論構いません。秘書さんも是非お越しください。ソンブリ県内は感染者もいませんので、県内であれば自由に行動できます。滝や川の多い自然豊かな土地でリフレッシュ頂くのもいいでしょう。そうそう五箇山と同じで様な環境と言ってもいいでしょう。雨季本番なので夕方のスコールはあるでしょうが、それはモリさんもよくご存知でしょうし」
と大使がいうと、玲子が喜んでいる。
「ありがとうございます。30年ぶりの訪タイで楽しみにしています。私達はソンブリ県での事業立ち上げを円滑に行うとお約束致します。
あ、それとFarmers Bankの幹部の方々にもバンコク以外の場所でお会いしたいですね」
「ソンブリで全て済むように調整します。銀行の幹部の達も実際にバギーが稼働しているのを見たいでしょうし」
里中のレポートは単なる報告書となってしまう。唯一、厚労省の国際標準レベルにない旧態依然としたルールを批判するページが加わったのが全てとなる。
些細なレベルで日本が中進国の道を突き進んでいるのを、政府のトップは誰も認識していない。モリは空港での検査体制の相違だけで、自衛隊機が飛べないのを分かっていた。タイ空軍機をタイ政府が持ち出したのも、日本には無理だろうとハナから想定していたからだ。
政府専用機の維持管理コストをドブにしながら、専用機は倉庫で眠ったままだ。こういう時に使わずに、高い維持費だけを払い続ける。それも税金だ。
専用機と自衛隊機が使えない理由は「PCR検査はダメだ」たったこれだけの話で、日本は目前のビジネスチャンスを逸してしまったのだった。
(つづく)