私の中の喫茶店
六月の鹿
岩手県盛岡市にある六月の鹿という喫茶店。年に数回「あーもう、いかないと」という時期が来る。何故か毎年春の少し手前な気がするふしぎ。去年も花粉症の始まるか始まらないかの時期に花をムズムズさせながら行った記憶がある。ここのあんこのスコーンは私が食べたスコーンの中で1番だ。あの素朴な甘さが、この時期の疲れた頭にも気持ちにも、ほっとする懐かしさをくれるんだろうか。30分くらい、そのスコーンとコーヒーを嗜みながらまったりとしていると脳内と心がリセットされる。
私の中の喫茶店
喫茶店について、私はコーヒーや食べ物だけにお金を払ってる訳ではないと思っていて。こだわりのインテリアや食器、厳選された音楽が全て詰まっているあの空間自体にお金を払ってるのだと思う。お店それぞれに歴史やストーリーがあって、それを空気全体で感じる。そうするとすごく心が満たされる。最高のおもてなしをされている感覚。だからあたしは2000円払ったって3000円払ったって惜しくない。こういう時間が好きなのだ。だから個人喫茶は一人で行くのが好き。自分の体と心の状態と相談して、自分の為に行く場所。わたしの中ではサロンのような位置なのだ。
自分映え
今はSNS映えを求めてカフェブームが続いている。そういう楽しみ方をしていた時期がわたしにもあったけれど、ちょっと嗜好がずれてきている。一般的に言う"映え"というのは、いわゆる他人映えな気がしている。万人にいいと思ってもらえて、万人にいいねを押されるものだと感じる。わたしは自分の心に映えるものを求めているのだ。"わたし"が胸をときめかせて絶対的に"いいね"と感じる時間を過ごすこと。そういう時間を過ごす事のできる特別お気に入りな喫茶店が数カ所ある事で、私の人生は充実するのだ。仕事や結婚で、どこか盛岡とは別の地域に引っ越す事があったとしても、それでもまた新しい土地で、私のための喫茶店を見つけるだろう。
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