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2024年10月の記事一覧
全部、全部、全部壊れた
アクシデント、偶然の人との出会い、そして本との出会い——これらの出来事が人生の軌跡を大きく変える力を持っている。
私はクズ学生だった。父親には望まれない子だった。世間体を気にしてできた子供だと、父は私に直接そう言った。その無神経さは、子供への愛情や思いやりとは無縁だった。父にとって、私はただの「望みもしない余計な荷物」だった。
私への嫌悪、暴力…。家族の中ではそれらの事実は見て見ぬふりをされ、
障がい者になれなかった僕の居場所
外傷がない、欠損もない。しかし、知性が壊れている。そして、思うように仕事ができない。そんな状況の中で、なぜ自分の居場所やポジションを守ることができたのか。
それは、専門技術者ゆえの代替の効かなさがあったからでしょう。技術が人に与える唯一無二の価値。それが、壊れた知性と戦う自分を支える最後の砦だった。しかしその一方で、健康で生き生きと成長し、仲間と笑い合い、恋愛や結婚を楽しむ同期たちとは、どんどん
言葉を失ったことがある
それは、日常の中で自然と流れ出るものだったはずの言葉が、ある日突然、頭から抜け落ちてしまうような感覚だった。事故で脳を腫らしてしまい、私は自分の多くの言葉を、そして知性の大部分を失ってしまった。考えることが難しくなり、日常生活を回すのにやっとの知性しか持ち合わせていなかった。そのときの私は、世界と自分を繋ぐ糸が切れてしまったような気がしていた。
だが、物事の流れとは面白いもので、時にその人を背中
僕は、ある作家を追い始めた
その作家さんは、明確な知性と繊細な感性、そして高度な言語能力と表現力を持ちながらも、とても困難な状態にいた。
知性は鋭く、言葉にする力も豊かだった。しかし、それがかえって作家さんを追い詰めてしまったのだろう。彼女は、感じ取ることができる世界の痛みや矛盾、そして表現しきれない深い感情を、そのまま抱え込んでいた。そして、その言葉の一つ一つから、その内面にとてつもない負荷がかかっている様子が伝わってく