【感想】「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない

家族とともに読みたい。

長い時間一緒にいるからこそ、解釈がズレていることに気づかないことは多々あるだろう。世間では家族間、夫婦間のコミュニケーションの大切さは至極当たり前のように流布しているが、どのようなコミュニケーションをしていったらよいのかは、あまり知られていない。

アンコンシャス・バイアスを理解し、気づき、対処していくことこそが良い家族・夫婦関係を築き上げることに大切なのかもしれない。

アンコンシャス・バイアスとは?

アンコンシャス・バイアス=無意識の思い込み

正常性バイアスや、サンクコストバイアス、権威バイアスなど・・・をまとめてアンコンシャス・バイアスと呼称しているようだ。

無意識のうちに偏ったものの見方をしてしまっていること
その偏った見方があなたとメンバーとの「解釈」にズレを生む。
解釈のズレが相手の不快感情を生むと、人や組織に大きな影響を与える。

その解釈のズレの正体は・・・、

アンコンシャス・バイアスの正体は、「自己防衛心」
「脳がストレスを回避するため」に、脳が無意識のうちに、自分にとって都合の良い解釈をすることによって起きています。

なぜアンコンシャス・バイアス?

アンコンシャス・バイアスは、メンバーとの関係性、チーム運営、そして成果に大きな影響を及ぼす。

家族、友人も同じだと思う。

どうやるのか?

1. アンコンシャス・バイアスを知る
2. 自身のアンコンシャス・バイアスに気づく
3. 自身のアンコンシャス・バイアスに対処する

誰にでもアンコンシャス・バイアスがあるのは自明である。しかし、他人のアンコンシャス・バイアスをどうにかしようとしない。あくまでも自身のアンコンシャス・バイアスに気づき、対処していくことの積み重ねを実践していくことが重要である。

この考え方は、アドラー心理学課題の分離に通ずることがありそうだ。

自分自身は変えられる(コントールできる)が、他人は変えられない(コントロールできない)。

他人をコントロールして、どうにか変えてやろうとするのではなく、自分自身が変わる事に注力する。

気づくこと

何かがきっかけで...

感情的になりそうな自分に気づいたら、
私には、今、どんなアンコンシャス・バイアスがあるのだろうか?
と考えてみてください
自分で自分の思い込みに気づくことができるかどうかが、「その後の行動と結果」の大きな分かれ道となるのです。

不安とは

「理想と現実とのギャップ」から生まれます。

美点凝視(びてんぎょうし)

相手のプラス面に注意を注ぐことの大切さを伝えている

十人十色

意識しなければならないのは、相手が必ずしも自分と同じ価値観や、同じものの味方をしているとは限らないということです。
私は私。あの人はあの人。それぞれに意味があり、そこに優劣はない。

お互いに考え方が異なることを理解することで、認識が合っているか確認し合えるようになる。認識を確認し合うことでズレがあるかが分かるようになる。この小さいかもしれないズレを一つ一つ確認し続けることでしか、我々は、お互いに同じ認識であるとは言えないのだろう。以心伝心に頼ってはいけない。

「同じである」と思い込むことなく、「間違っている可能性が高い」という前提でお互いに確認するようにしてみましょう。まさにそれが「歩み寄る」ということでもあります。

集団思考を抑制するには

とくに都合が悪いと思える「ネガティブなフィードバック」に耳を傾けられるかどうか

メンバーが大切にしていることをリーダーも大切にする

「防衛心」ではなく「受容の心」を
仕事を共にするメンバー同士で、「大切にしていること(価値観)」を共有し合うことは、互いのバイアスに振り回されないチーム作りのベースになります。

サンクコスト効果(Sunk Cost Effect)とは

費やした時間や労力、金銭を考えてしまい、やめたほうがいいことでもやめられなくなる。
★大切なこと
”これまで”よりも”これから”を考えて、何が大切かの判断基準を持つようにする。

コンコルド効果とも言われているようです。名の通り、コンコルドの開発・運用の際に脚光を浴びたバイアスのようです。

このバイアスは私自身、かなり思い当たる節があります。

* 1社で在籍期間が長くなると、せっかく良いオファーをいただいてもなかなか動けなかった。
* 昇格して手に入れた管理職ポジションに固執してしまっていた。
* 長年経験を積んできたスキルを手放して新しいチャレンジできずにいた。

いずれも自身の内省や他者からの支援によって乗り越えることができています。こういったことを繰り返し続けてきたことで、今では「Unlearnできる人」と評価いただく機会もありました。

苦労して手に入れたスキルを手放すことはかなりのストレスがかかります。
手放した後も何度も後悔の念がありました。新しい環境で実績を出していくことで乗り越えることができましたが、家族や知人の支えがあってこそだったと思います。何度か経験していくうちに手放せるようになりましたが、いつでも難しい決断です。

インポスター症候群(Imposter syndrome)とは

能力があるにもかかわらず、自分を過小評価してしまう。
周りが十分に能力を評価した結果のオファーであっても、失敗するかもしれないなどの不安により、私には無理と尻込みしてしまうアンコンシャス・バイアス

オファーをいただいた時点で、十分に能力があると評価してもらっているはずだ。自信を持って取り組みたい。下記の書籍で紹介されているマルチ・ポテンシャライトというキャリアを描いている方々によくありがちなバイアスとして紹介されています。違った観点で記載があるため新たな発見があるかもしれません。

アジャイルとアンコンシャス・バイアス

アンコンシャス・バイアスに気づき、対処していく様々な手法は、アジャイル界隈では期待のマネジメントと言われていることにリンクしているように思う。

5年以上も当たり前のように取り組んできた事柄であったが、多方面からの知見によって改めて効果があることを同書を通して認識できた。何よりも「何のためにそれらのプラクティスが存在するのか」をより高次に理解できたように思う。

スクラムを始めとしたアジャイルの数々の実践法は、アンコンシャス・バイアスを互いに認識して共有し合い、組織が前に進むために適した手法であると言えよう。

所感

私はIT業界でアジャイル開発に携わってきております。リーダーとしても経験があります。その中でアジャイル・スクラム開発という方法論は、「アンコンシャス・バイアス」とうまく付き合っていく上でかなり有用なプラクティスであることが分かりました。

書籍を通して、アジャイルの理解を深めようという意図はありませんでしが、読み進めるうちにこれまでの経験とつながることがたくさんあることに気づきました。私にとってとても良い書籍になりました。タイミングも良かったです。

同書は、これからリーダーになる方を含めて全てのリーダーによっての必読書と呼んでいもいいかもしれません。敢えて的を絞ると少しリーダーを経験してからの内省として同書を利用するとたくさん気づきがあり大きく成長できる機会を与えてくれる書籍だと思います。

私自身、不定期に内省するためにも利用し続けたいと思います。

以上。

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