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【感想】スマホ脳
スマホが人間に及ぼす影響について数多の研究レポートをもとに記載している。スマホが本当に悪影響があるのか様々な観点から論じている。
スマホの販売台数が拡大したのがiPhoneが発売した2011年頃からだそうだ。その時と同じくして世界中でうつ病患者数が急増しているという事実がある。
しかし、どちらが原因は不確かである。鳥と卵の問題だ。
二つの事象について統計上相関があることが必ずしも因果関係になっているとは限らない。スマホ利用が何らかの形でメンタル不調に影響を与えるのではないかと考えられている。
睡眠、運動、そして他者との関わりが、精神的な不調から身を守る3つの重要な要素
同書では特にSNSの利用に応じたメンタルへの悪影響の可能性を解説している。
SNS利用
メンタルに悪影響・好影響がある使い方があるようだった。
SNSにはドーパミンを放出し続けるための仕組みが組み込まれているらしい。その仕組みを利用して広告などのビジネスや滞在時間の長期化や訪問回数などにつなげている。特に若い人ほど依存症とも言えるような状況に陥っているケースが多いらしい。
どのようにSNSを付き合っていけばいいのか助言がある。
ドーパミンとは
ドーパミンの最も重要な役目は私たちを元気にすることではなく、何に集中するかを選択させることだ。つまり、人間の原動力とも言える
ドーパミンの役割はつまり、何が重要で何に集中を傾けるべきかを伝えることだが、ここで言う「重要」とはよい成績を取ることでも、キャリアアップすることでも、元気でいることでもない。祖先を生き延びさせ、遺伝子を残させることだったのだ
脳にしてみれば、もらえるまでの過程が目当てなのであって、その過程というのは、不確かな未来への期待でできている。不確かなものより、確かなものを好むべきでは?なぜ脳は不確かな結果のほうに多くのドーパミン報酬を与えるのだろうか。その答えに100%の確証はないが、最も信憑性が高い説明はこうだ。「ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだから」
不確かなものにドーパミン報酬を与える。
「スマホの音が鳴った時、大事な通知かもしれない」
「XXXかもしれない」にドーパミン報酬が与えられる。
まとめ
巻末にはどういったことを取り組んでいけばいいのかがまとまって記載されておりとても役立つ。たまに見直したい。
なぜ我々はスマホやSNSに魅了されてしまうのだろうか。
なぜ依存症と言われるくらいに取り憑かれてしまうのだろうか。
我々の脳は1万年前とそう変わっていないらしい。
狩猟や農耕が中心で機械など存在しなかった時代とそう変わらないのだ。今の時代に人間は適応できていない。その変わらない性質を巧みに利用することで我々はスマホに引き寄せられてしまうのだ。
SNSは便利なサービスだと思う。しかしながら付き合い方を間違えるとうつ病などのメンタルに悪影響があると言われている。
上手に付き合っていきたい。
所感
最近は脱デジタルをしている。週末はスマホを持ち歩かずに家族と出かけることにしている。
ポケットやカバンにスマホが入っていると無意識に「連絡や通知が来るかもしれない」と思っているように感じる。同書では部屋にあるだけでも「気になる」らしい。
脱デジをするようになってから、家族とのコミュニケーションにより集中できるようになった気がする。
睡眠について
2020年3月以降、リモートワークが主体に変わった。当初は通勤時間がゼロになったことで、睡眠時間が+1時間以上増えた。
しかしながら、徐々に夜更かしするようになり次第に睡眠時間が減ってきたように思う。就寝前にPCやスマホを見ている回数が増えていた。
徐々に良質な睡眠ができなくなってきたように感じる。
睡眠は、記憶力やストレスなど様々な影響をもたらすと言われている。同書を読んで、改めて十分な睡眠時間の確保と同時に良質な睡眠を確保できるように暮らしをアップデートしていきたい。
運動について
2020年3月以降、外出が困難になったと同時に運動不足になった気がする。リモートワークが主体になったことで通勤によって課せられていた運動がゼロになってしまった。
以降に仕事の前後で散歩をするようになったのだが、どうやら理にかなっていたようだ。心拍数が上がるようなジョギングのような運動が最適らしいが、いかなる運動でも少なからず効果があるらしい。
私は日々散歩をしている。大切なことは継続することだと思う。
散歩をベースにしながら、週に1回くらいは汗をかくくらいの運動でもしてみようかと思う。
他者との関わりについて
2020年3月以降、オンライン会議を通して、コミュニケーションをとることが当たり前になってきていた。効率を重視するなら今後も続くに違いない。
しかしながら、久々に対面で会った時の感覚と、オンラインでは何かが違っていることに気づく。
同書では「他者との関わり」はチャットやビデオ通話を通してではなく、実際に会うことにより効果があるような記載があった。
自身の体験を通して同意できる。