タイミングが悪い!!!!
タイミングが悪い。もう、タイミングが悪すぎるほどにタイミングが悪い。
なんでこんなにタイミングが悪いのか、考えたけど、分からないくらい、タイミングが悪い。
タイミングが本当に良くない。
この前、チンポジを気にしながら家を出た。
上に上げるか、下に下げるか、右か、左か。
その日は低気圧のせいもあって、中途半端なサイズ感だった。気圧とサイズが関係するのかはわからないけど、とにかく位置が定まらないのだ。僕はチンポジを思考錯誤した。
あっちへ動かし、こっちへと動かし、ああ、わからない。
ベストなチンポジがわからない。下に下げたらモッコリするし、上にあげてもモッコリするし、右も左もモッコリする。
家を出てそんなことをしていると、たまたま、上の部屋に住んでいると思しき奥さんが下りてきて、僕がチンポジを気にしている瞬間をモロに見られてしまった。
「こんにちは」奥さんは僕に挨拶をする。
「こんにちは」僕も挨拶を返す。
奥さんは一瞬僕のことを見ると、そのまま行ってしまった。
僕は絶望した。チンポジを気にする瞬間を、見られてしまったのだ。チンポジを気にする瞬間ほど、情けない瞬間って、そう見当たらないのだ。
思い当たるとすれば、オナニーしているところを見られる瞬間も同じくらい情けないのだ。
学生時代、寮の同期や後輩がオナニーしているのを邪魔することにハマって、オナニーしている奴の部屋をいきなり開けてビックリさせていた。
あの瞬間の、上げきれなかったズボンを左手で抑え、右手で股間を隠し、困惑する様子でこちらを見る瞬間がすごく面白かったのだ。
今思うと、僕はめちゃくちゃ最低な人間だったのだ……。とんでもないことをしていたのだ……。オナニーを邪魔してごめんな、同期のS貫……。
話を戻そうと思う。
とにかく、僕はあの奥さんにレッテルを貼られてしまったことだろう。
「チンポジを気にしていた人」と言うレッテルである。
たった一回のチンポジを気にした行為が、命取りになってしまったのだ。
これから僕はあの奥さんに会うたび、「下の階に住んでる、チンポジを気にしていたやつ」と言うことを思い出させてしまうのだ。
だが、奥さん、僕は一つ、あなたに言いたいことがある。
そのルールを許してしまうと、奥さん、あなたは、世の男性全てのことを「チンポジを気にしていた人」という風に考えなければならないことになるのですよ。
「あ、チンポジを気にしていた近所の佐々木さん」
「あ、チンポジを気にしていた八百屋の田中さん」
「あ、チンポジを……」
全員、チンポジから入らなあかんやん!枕詞!「チンポジを気にしていた」が枕詞!俳句読めへんやん!枕詞が字余りどころじゃない!
奥さん、だからチンポジのことは忘れてくれ!!!
そして、チンポジはご自宅でベストな位置をキープすることを私は今日、世界に向けて発信したいと思います。