書くことで救われることがある
ここ三日ほど、同じ夢を見て目覚めた。それは私の故郷の夢で、海や山、家族や旧友が登場しては語り合い、対立も摩擦もないユートピア的な時空間と関係性がそこにあった。私はその夢の中で、ある時は故郷の歴史や面白さについて熱心に具体的に友人に語り、ある時は故郷の海水の飛沫を浴び、釣り人に声をかけ、ある時は歴史ある電鉄の車両に乗ってどこかに向かっている。私は本当に、故郷に育てられたのだと思う。今の私を語る際に「その街で育った」ということを抜きには自分自身を語れないほど、16歳まで育ったその