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クリスマスイブに見る『イヴの時間』

12月24日。クリスマスイブですね。
いかがお過ごしでしょうか。
あるいは、いかがお過ごしだったでしょうか。

クリスマスイブの食卓は、クリスマスケーキやフライドチキンが定番ですよね。
他にも「12/24は必ずこれ!」という定番のルーティンを決めている方もいるかもしれません。

僕にもそんな"恒例行事"があります。
『イヴの時間』を見ること。

未来、たぶん日本。
ロボットが実用化されて久しく、
人間型ロボットが実用化されて間もない時代。

イヴの時間 | スタジオリッカより引用

『イヴの時間』は、人間型ロボット(アンドロイド)が一家に一体普及し始めた世界を描いたアニメーション作品。
2008年に短編連作としてWebで公開され、2010年には再編集した劇場版も公開されています。

作中における人間とアンドロイドの見た目は、とてもよく似ています。
ただし、アンドロイドの頭上にはリング状の光が浮かんでおり、その有無でヒトかどうかを判別する決まりなのです。
しかし、舞台となる喫茶店「イヴの時間」には「人間とロボットを区別しない」というルールが存在します。
主人公たちは、あるきっかけから「イヴの時間」に通い始め、"リング"を消したアンドロイドや、人間の常連客たちと交流を深めることに――というお話。

喫茶店のイメージはこんな感じ。
実際のロボットを使う実証実験の一環で、仮設のコラボカフェをやっていた時の写真ですが、作品の雰囲気にほんの少し近いです。

人間とロボットの違いとはなにか。
互いに理解しあうことはできるのか。
ロボットに心はあるのか。
ロボットにとっての思い出とは。

『イヴの時間』は僕にとって「ロボットとともに暮らす未来」を考える最初のきっかけをくれた作品でした。
そして、僕が今日に至るまでコミュニケーションロボットをモチーフにした作品をつくっているのは、この作品があったおかげでもあります。

この作品は、決してファンタジックにはせず、公開当時(2008年)の延長線上にあるSFとして作られています。
10年以上前の作品ですが、今でもしっかりと近未来感が残っています。
そして、まさに喫茶店でコーヒーを飲むような落ち着いた作風がとても印象的でした。
この作品を見た数年後(2014年)に、家庭向けコミュニケーションロボット・Pepperが発表され、「"イヴの時間"の世界がやってきた!」と衝撃を受けたものです。

そして今日も、改めて見直したのですが、やっぱり好きでした。
「人間とロボット」というだけではなく、私とあなた、自分と他人の区別や価値観の対立を描いたSF作品なんだな、と思ったり。
そして、やはり少しずつ『イヴの時間』の世界と現実が近づいてきている感覚を覚えました。


そんなわけで、『イヴの時間』よかったら見てみてください。おすすめです。
劇場版はAmazon prime video等で公開されており、プライム会員なら無料で見られます。

実のところ、『イヴの時間』とクリスマスイブはまったく関係ないのですが、作品を知っている方の間では12/24になると思い出すようで。
吉浦康裕監督もこんな感じです。

メリークリスマス!🎄

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尾崎 太祐
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