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● 詩篇 『 アマータイム 』 イメージの洪水 / 感情のモンタージュ / 多次元の空間
ひきつづき、本のご紹介。今回は 詩集。
私がこの世で1番好きな本。
『 詩篇アマータイム 』 松本圭二 著。
ページ全体が、多次元に露光され、
暴力的に(しかし美しく)カットアップされた
フィルム / モンタージュのよう。
紙面を開くと
映像や匂い、囁き声や、呻き声、希望や絶望
耳をつんざく爆音が鳴り響く。
読書というより、映像体験に近い。
* * *
カタブラの呪文をおまえに与える
U
夏であろうとすると、
TE
海は海の最終の場を僕に与えて。
RUS
またそうして小さなサタンの私語をノンブルの丸みに寄せて。
それはまた僕の顔のようだからいつでも取り出せるし眺めてそして。人のもののようにそっと捨てて
僕は船で。
眠りかけた人にばかり呼びかけるのは悪い事だからと思ってこんなことをして。
ひとりで。
だからそれで。
また小さなサタンに手を引かれて。
こんなことをしてしまってみんなに申しわけありません。
月が出て。
海にうつって。
それはまた僕の顔なのだから捨てて僕は船で。
松本圭二『アマータイム』より一部抜粋
* * *
‥どう考えても
こんなに野蛮で、狂おしいほど美しい本はない。
私がちょうど20歳(2000年頃)に読んで、
そこで感じた音や映像、怒り、哀しみ、
美しさ、途方もない熱量は、
いまでも ずっと胸で鳴り響いてる。
* * *
富永 大士(タイシ)
京都を拠点に、絵を描いたり、アクセサリーを作って 生活しています
https://www.instagram.com/taishi_tominaga/ (日々のアレコレ)
https://www.creema.jp/c/aura_loco/item/onsale (アクセサリー)
この note では、画家 である私自身の体験を通して
「 観たこと / 感じたこと / 考えたこと 」を投稿していけたら、
と思っています。
どうぞよろしくお願いします。
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