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ぼくのロヅメイグ二次創作文

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#灰都ロヅメイグの夜

雪降る路傍

雪降る路傍

 雪は、ロヅメイグではまず見れぬ類の物だ。

 それは最上層付近の者達のみへの天啓である――――からではない。かの積層都市における冬の象徴とは即ち夜霧であり、同時にまとまった雪が降った事など、この数十年無いからだ。故に、灰都で生まれ、長らくそこで過ごしてきたものは、そのちらつく雪を見て自身が故郷より遠く離れてきたことを強く強く実感するのだと云う。

 路銀を稼ぐべく、路傍でナーバルドをかき鳴らして

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彷徨い、帰着の朝食

彷徨い、帰着の朝食

「なぁグリンジぃ、お前どう思う?」「何がだ?」「今の給仕。いい尻してたよなあ」冷水で喉を潤したかと思えば、キッチンへと帰ってゆく若い給仕の後姿を指差して宣うゼウドに、疲労困憊のグリンザールはどんよりとした顔で溜息をついた。

 此度の依頼も、また碌な物では無かった。グリンザールは天井を見上げた顔を掌で覆い、如何に己が呪わしき定めに縛られているかを思案した。紆余曲折の奔走、遺跡での狂人たちとの小競り

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隻腕剣士とステーキ

隻腕剣士とステーキ

「……お前どうやって食うんだ、それ?」云って、ゼウドはグリンザールの眼前に置かれた一枚のステーキを顎で指し示す。そして苛立った顔でステーキを睨みつけるグリンザールの顔を一通り観察したのちに、ゼウドはフォークとナイフを鮮やかに操って、切り口から豊潤な肉汁がこぼれだす最高級のそれを丁寧に口に運んだ。

「うめえ」ゼウドの感想は単純で端的だった。表面を素早く焼かれた柔らかいその肉を噛みしめる度に口の中い

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逃走

逃走

「ハッハー! ざまあみやがれ!」ゼウドの放った矢は馬上という悪条件にもかかわらず、<黒襤褸>の馬の額を過たず射抜いていた。咄嗟に<黒襤褸>は砂へと飛び降り、派手に転げる馬に巻き込まれる事を逃れる。その脇を<灰襤褸>と<茶襤褸>の馬が駆け抜けるが、<黒襤褸>の姿は見る見る内に小さくなって消えていった。

 並び駆ける灰襤褸と茶襤褸の二者は馬に鞭打ち、徐々にであるが確実に距離を詰めつつある。既に彼ら共

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別れ去る。

別れ去る。

 静かに衣を纏ったゼウドは、最後に未だに眠る彼女に歩み寄り、肌蹴た毛布を掛け直してから部屋を後にした。物音を立てず、立ち止まることもなくゼウドは宿の戸を開いて、表通りに向かって歩き出す。通りへ出てすぐ、道端に浮浪者めいて蹲る隻腕剣士の姿を認めた。「……よぉ、グリンジ。来てたのかよ」彼が歩み寄ると隻腕剣士は立ち上がり、脇に置いていたゼウドの麻袋を放って背を向け、 振り返ることもなく歩み出した。

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