セカンドハーフ通信 第63話 刹那と刹那的の違い
刹那と刹那的の違い
刹那とは仏教用語で瞬きの時間、60秒分の1の時間だそうだ。我々は一瞬の連続、つまり刹那の連続の中に生きている。禅では過去や未来に想いをよせるのではなくて今を生きよと説いている。
一方で刹那的に生きるということは、これとは少し違う。過去や未来はひとまず置いておいて、今この時を楽しむ。一時的な享楽を求める様のことだ。
この2つは両方とも同じように「今を生きている」わけだが、私の解釈では前者は過去や未来の存在を意識し、後者は意識しない。私は前者の考え方を是とする。なぜなら過去や未来はよりよく生きる指標になるからだ。前者は過去や未来を意識したうえで、不安や期待に惑わされず事実にそって生きよといっている。
一方、後者は今どきにいうと「リア充」と言えるかもしれない。だからなにが悪いんですか?という人もいると思う。もしもそれで満足している人がいれば別に構わない。ただし「リア充」でも満たされない人がいたとすれば、刹那に生きることと刹那的に生きることの違いを思い出してもらえたらと思う。
私はどちらかというと過去や未来にこだわり過ぎて今その瞬間にフォーカスすることが苦手なタイプだと思っている。だから「今を生きる」、つまり「刹那を生きる」ということを大切にしたいと思っている。