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ムーンウォークと太極拳

ムーンウォークをやろうと思ったのは、2009年6月25日のこと。この日はマイケルジャクソンの命日だった。

好きなミュージシャンではあったが、大ファンというわけではなかった。

何かと話題に事欠かない存在。
彼の歌やダンスや話題は、自然と私の中のどこかに息づいていたようだ。

なぜだか喪失感というものを感じた私は、
なぜだかムーンウォークの練習を始めたのだ。

ムーンウォークといえば、マイケルの代名詞。
前に進むように後ろに進むというダンスの高等技術だ。

難しいとかダンス経験がないとかはどうでも良かった。ただやりたかったのだ。

やり方はこうだ。
①右足のつま先を立てて、その足に重心を置く。
②右足はそのままの状態で、左足はかかとを床に付けながら後ろへ引く。
③左足のつま先を立てて、その足に重心を置く。
④左足はそのままの状態で、右足はかかとを床に付けながら後ろへ引く。

これらを継ぎ目なく繰り返す。

やり始めると、意外とできそうな気がした。
太極拳の経験が活かせそうだったからだ。

太極拳には、重心をのせる足とのせない足を明確に分ける歩き方がある。

これを「虚実分明(きょじつぶんめい)」という。

後ろ歩きの場合はこうだ。
➀右のお尻で高い椅子に腰かけるように、右足に重心を置く。
②右足はそのままの状態で、左足をやや持ち上げて後ろに引いて着地する。
③左のお尻で高い椅子に腰かけるように、左足に重心を置く。
④左足はそのままの状態で、右足をやや持ち上げて後ろに引いて着地する。

これらをゆっくり継ぎ目なく繰り返す。

ムーンウォークも同じだ。
ムーンウォークも、重心をのせる足とのせない足を明確に分けて動いている。

理屈が同じならできないはずがない!

それから数日。

ムーンウォークらしきものができた気がする。

さらに、ムーンウォークを上手くみせるためには、どうしたらよいか。

頭の高さを変えずに、同じ高さで平行移動させるという。

これも同じだ。
太極拳の基本的な歩き方でも、頭の高さを変えずに同じ高さで平行移動させると上手くみえる。

私だけだろうか?

ムーンウォークは太極拳とほぼ同じに思えてきた。

太極拳のゆっくり動作の中で、ムーンウォークの基礎を学べるのではないだろうか。

ゆっくり動くことで、体と対話しながら自分の意思を持って体の動きをコントロールする練習にもなる。

ゆっくりと体幹からの動き出しを重視するので、
他のスポーツにの基礎作りにも役立つはずだ。

太極拳はいいスポーツだ。
「ぜひ一度お試し下さい」

それにしても、
やはりムーンウォークは難しい。
私のムーンウォークは、未だにムーンウォークらしきものでしかない。

<おまけ>
「私のムーンウォークと太極拳」
見なくてもいいですよ。






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