九九を覚えていなくても東大首席?! 池谷裕二先生の話
脳研究者の池谷裕二先生。
安住紳一郎さんが司会のTBS系列の番組「ニュースキャスター」のコメンテータとしてもおなじみの方です。
現役で東京大学理科Ⅰ類に合格し、薬学部に1位の成績で進学、さらに東大の大学院の入試も首席。そして、現在、東京大学教授としての研究の傍、一般向けに「脳」「記憶法」「勉強法」の本を多数執筆しています。
そんな、池谷裕二先生、実は、九九をほとんど覚えていません。
(この話は、池谷先生の著作や、講演会で、よく話題になります。今回は池谷先生の著書の中から「受験脳の作り方」(新潮文庫)を参考にしました。)
では、どう計算しているのか。
「方法記憶」によって、「九九を計算する方法」を習得しているそうです。
たとえば、「6X8」の場合。
頭の中で、
6X8
=6X(10-2)
=6X10-6X2
=60-12
=48
をやっているそうです。
数字を「10倍すること」「倍にすること」「半分にすること」だけを覚えていて、あとは、方法を覚えているだけだそうです。
この方が時間がかかりそうですが、慣れれば一瞬ででき、桁数の多い掛け算にも応用できるとのことです。
さらには、数学や理科の公式を覚えず、テスト中に導いていたとのこと。
・・・
さすがに、この、池谷裕二先生の方法を、我々がいきなり全て真似をするのは大変ですが、勉強が苦手と思っていても、これからの頭の使い方次第で、いくらでも逆転できる可能性もあるということも示唆しています。
もちろん、相当頭を使う必要がありますが、工夫次第で、思っている以上のことができるのは確かです。
九九は覚えていても、その先の計算の工夫、解き方の工夫を自分であれこれ思いつくと、やはり強いようです。
受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)