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日記のようなもの。

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みじかくて、かんたんな、ちいさな言葉。
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#本

売れる小説と書きたい小説。 【エッセイ】

 小説が好きだ。でも、小説が嫌いだ。  小説を書きたい。でも、小説を書きたくない。  ベストセラー小説を何冊か読んでみた。何十万部突破とか、何とか賞受賞とか、売り上げランキング第一位とか。そんなやつ。一度くらい勉強のつもりで読んでみようと思ったんだ。  つまらない。嫌い。気に食わない。そんな本ばかりだった。僕の感想は変なのだろうか。ネットで調べてみる。どこをみても大絶賛の嵐。さらに嫌になる。そうか、こういう小説が"良い"小説なのか。  読む分にはまだ許せる。自分が好きな

物語の感動はだれのもの?【エッセイ】

 昨日、観たくもない映画を観た。ありきたりな物語。病気の彼女と、それを支える彼氏のラブストーリーだった。家族が観たいと言うので、僕が入っているサブスクをテレビに繋いでやったのだ。僕も暇だったので、なんとなく眺めることにした。  設定も展開も、これでもかというほど典型的だった。最近人気の若手女優が主演をしていたことを考えれば、仕方ないとも言えなくない。そんな映画が、面白いわけがない。  主人公の女の子が病気で亡くなって、生前の手紙が読み上げられる。彼女の声の裏には、ピアノバ

積読について語るときに僕の語ること。

 僕の本棚は、九割以上が積読で埋め尽くされている。その理由は、僕の読書方法にある。  まず、僕はとにかく量を読む。だいたい月に少なくとも30冊くらい。多いときは100冊とか。もちろん、全てに目を通しているわけじゃない。小説は全部読むけど。  ざっと目を通して面白そうだと思った本は、一次審査を突破する。これはかなり狭き門だ。だいたい十冊に一冊くらい。これでも精度が高くなった方で、数年前までは二十冊に一冊あれば良い方だった。審査で落とされた本たちは、売りに出されることになる。