世界遺産・高野山奥の院(和歌山県)
こんにちは。
今回、ちょっと記事が長くなります。
ご了承ください。
一昨日、夫がストレス・体調不良から「超絶不機嫌状態」でした。
その時の様子は、こちら↓
夫がストレスを感じている時、また体調が悪い時…
私は、夫と「高野山」にお参りします。
「高野山」と書いて「こうやさん」と読みます。
高野山は、弘法大師空海が開いた「密教の聖地」です。
今では女性もお参りできますが、長く女人禁制の地でした。
高野山は、正式には「山の名前」ではなく、和歌山県北部にある地域の名前です。
周囲を1000メートル級の山々に囲まれた山上盆地に、寺院を中心とした町並みがあります。
その標高は、800メートル。
急な山道を車で上っていくと、急に町並みが見えてきます。
初めて高野山に上る人は、たいていビックリすると思います。
高野山について語り始めると、記事のひとつやふたつでは済まないので…
興味がおありの方は、公式HPをごらんください。
(丸投げ)
さて。
高野山へは、我が家から車で1時間半ほどの道のりです。
割と気軽に行ける距離なので、「ストレスがたまったー」という状態の時や、何も予定がないとき、突然お参りしたくなった時…
「ひょいっ」という感じで行くのです。
ちなみに先月、思い立って高野山にお参りしたら…
その日は祖父母の命日でした。
(命日というのを忘れていた)
高野山には、「奥の院」という場所があります。
詳しくは省略しますが、奥の院にある「御廟(ごびょう)」では、弘法大師空海が今も「生きて」、深い禅定(瞑想・祈り)に入っているとされています。
奥の院までは、一の橋とよばれる参道入り口から2キロほどの参道があります。
この参道を歩くと…
すべてのストレスが吹っ飛びます。
何というか、「清浄な空気」が漂っているのですよ。
呼吸をするだけで、悪いものが消えていくような。
(スピリチュアル系じゃないですけどね)
だから昨日、夫を連れてお参りしたのです。
では、奥の院へと向かいましょう。
参道入り口、一の橋。
ここから参道が始まります。
奥の院までは、約キロの道のりです。
参道は石畳になっていて、その両側には供養塔・墓石がびっしり建立されています。
面白い表情のお地蔵さんがいました。
参道では、当たり前のようにお地蔵さんを見かけます。
新しいもの、朽ちかけたもの…
参道は、杉やヒノキの林の中にあります。
参道を歩くだけでリフレッシュできるのは、この「森林浴効果」もあるのだと思います。
森林浴効果とは
森林浴の効果は科学的なものより精神的なものが大きいといわれてきた。
科学的効能としては樹木が発散するフィトンチッドと呼ばれる物質が作用しているとされる。
森林の空気は排気ガスなどが含まれる都市部の空気より体に優しい。
樹木の香りが心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらす。
枝葉のさわめきが1/fゆらぎを持っているので気持ちが安らぐ。
日常と離れた場所に身を置くとにより、雑念を忘れられる(転地効果)。
(Wikipediaより)
ちなみに前を歩いているのは、夫です(笑)
後ろ姿もイケメン…
(すいません調子に乗りました)
ひたすら、参道は続きます。
一昨日は顔がこわばっていた夫ですが…
参道を歩くうちに、少しずつ肩の力が抜けたようでした。
奥の院までの道のりの、ちょうど中間地点に「汗かき地蔵」のお堂があります。
必死になって人々を救っているうちに、額に汗をかくというお地蔵さん。
実際、汗をかいているそうです。
(湿気の関係で)
また、汗かき地蔵の隣には「姿見の井戸」があります。
井戸をのぞきこんで、自分の顔が映らなかったら、3年以内に死ぬといわれています。
無事、顔は映っていました。
周囲に生えている杉やヒノキは、大木が多いです。
樹齢…どれくらいなんだろう。
標高が800メートルの地点にある高野山では、冬になると雪が積もる日もあります。
昨日は気温が11度と暖かかったのですが、ところどころに雪が残っていました。
30分弱ほど歩いて、奥の院に到着しました。
※夫も私も、歩く速度は早いです。
さらに、参道には戦国武将の墓石などもたくさんあり、それらを見ながらゆっくり歩くと1時間くらいかかると思います。
奥の院を流れる玉川に架かっている「御廟橋(ごびょうのはし)」を渡ると、御廟・灯籠堂があります。
御廟では、弘法大師空海が「永遠の禅定」に入っているとされています。
ここから先は、脱帽・撮影禁止となっています。
橋を渡る前に合掌し、一礼します。
御廟橋の手前から右に行くと、玉川の清流を背にして地藏菩薩や不動明王、観音菩薩が並んでいます。
奥の院に参詣する人々は、御供所で水向塔婆を求めて、このお地蔵さんに納め、水を手向けてご先祖の冥福を祈ります。
水向塔婆は、薄く細長い木で作られています。
御供所で「〇〇家先祖代々供養」、あるいは亡くなった人の名前などを書いてもらい、水をかけて供養するのです。
私も塔婆を書いてもらい、供養しました。
夫方の先祖供養です。
「夫の先祖を供養する『嫁』は、夫の先祖に可愛がってもらえる」
と、知り合いの坊さんが言っておりました。
私はそれを、忠実に守っています(笑)
というか…
夫を守ってほしいんですよね。ご先祖様に。
ちなみに、「三界萬霊供養」と書いてもらうと、ペットの供養になります。
さて、お参りが済んだので引き返します。
参道には、こんな可愛らしいお地蔵さんも。
「夫婦円満」を心から願って、手を合わせました。
帰路は、「裏参道」を歩きました。
最初に歩いてきた「一の橋」からの参道が、古くからある「表参道」。
対し、新しく作られた参道を「裏参道」と呼びます。
裏参道は、700メートルくらいの距離です。
裏参道の入り口付近に大きな駐車場があり、奥の院までアクセスしやすい参道となっています。
また裏参道は歴史が新しいので、企業の供養塔がたくさん建立されています。
2011年に起きた、東日本大震災で亡くなった方を供養する慰霊碑。
こちらは、UCC上島珈琲の慰霊碑です。
門柱がコーヒーカップになっているのが、おわかりいただけますでしょうか?
「ヤクルト」の慰霊碑。
そのまんまの形ですね。
ほかにもたくさんの企業や団体が、ユニークな(?)形の慰霊碑を建てています。
キリンビールの「キリン」を撮り損ねました。
裏参道は、道幅が広いので歩きやすいです。
…私が一番「面白い(不謹慎ですが)」と思っているのが、この慰霊碑。
「しろあり やすらかにねむれ」
と書かれています。
シロアリの慰霊碑ーーーーー!!!!
ここが、裏参道の入り口です。
いつもは、こちらから歩いてお参りします。
右側に「南無大師遍照金剛」のご宝号。
左側には「虚空尽き、衆生つき、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん」という弘法大師空海の言葉が刻まれています。
「虚空尽き、衆生つき、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん」とは…
簡単に言えば、「この世界が無くなり、人間はもとより全ての命ある者が居なくなり、仏の世界も無くならない限り、私の願いも尽きない」という意味になります。
つまりは、すべてのものが無くなるまで、私は祈っている…
という解釈です。
(これは諸説あります)
門のところで合掌・一礼してから、参道を出ました。
心なしか、体が軽くなったような感じがしました。
夫を見ると、前日の険しい顔はどこへやら。
すっかり穏やかな表情になっていました。
おそるべし、高野山。
パワースポット、という言葉は好きではありません。
「力をいただく」とか、そんなありふれた言葉では表現できないものが、高野山にはあると思います。