展示会運営で誰も言わない、一番大事なこと。
はじめに
どうも、CADDi DRAWERのマーケティングを担当しています、内田と申します。前職含めて、アブサンと周りに呼ばせているので、アブサンとご認識ください。
なぜキャディに来たのか、どれだけキャディがいい会社なのかという話は、私の周りのとんでもなく優秀な方々が雄弁に、そして採用っぽいニュアンスを巧妙に消しながら届けてくれているので、なるべく刺激的なポジショントークを元に、皆さんの関心を引きたいと思います。
ぼくは11日目を担当します!
アブサンってどんな人?
ゴッホやヘミングウェイなどの偉人が愛したと言われる”アブサン”が好きで、あだ名文化の会社にいるときに、そのまま「じゃああだ名はアブサンで」と言われてから、仕事ではアブサンと名乗っています。
”アブサン””は、超アバウトにいうと歯磨き粉の味で、後味も歯磨きが終わった後みたいに、味覚が若干麻痺するような感覚になる、素敵なお酒です。初めて飲んで美味しいものではなく、飲み慣れてくると美味しいと言われる類のものです。飲んだことない人は一度、いや数度チャレンジしてみてください。
ぼくは前職もスタートアップにいて、レシピ動画の広告営業を3年、事業開発1年やっていました。あらゆるものがネットで買える世の中ですが、生鮮食品の領域はまだEコマースが実現出来ていないことに可能性を感じ、事業開発時代は生鮮食品のEコマース化にチャレンジしていました。が、会社の方針の転換があり撤退することとなり、新たに自分の琴線に触れるような、社会的な負、課題の大きさと、その課題を解くことの社会的なインパクトの大きさを求めて、キャディにやってきました。今は”CADDi DRAWER”のマーケティングを担当しています。
”CADDi DRAWER”におけるマーケティングって?
”CADDi DRAWER”は製造業向けのSaaSプロダクトなので、いわゆる世間的には、バーティカルSaaS、バーティカルサービスと言われます。それに伴い、求められるマーケティング施策も必然的に、バーティカルな視点が求められます。バーティカルと聞き馴染みのない方もいるかと思いますが、ようは専門的なみたいな意味としてご認識ください。
バーティカルと対極に扱われるのは、ホリゾンタルという言葉で、幅広い企業もしくは部門に活用されるサービスを表現するときによく使われます。SmartHRさんや、LayerXさんのバクラクなんかは、企業の業界を問わず使われるサービスになるので、ホリゾンタルSaaSと言われます。
自社の話に戻しますが、”CADDi DRAWER”は製造業の中でも一定の売上規模を持ち、特定の業種に絞って現在は販売を強化していますので、今はその限られたパイの中でいかに効率的に接点を持てるか、という視点でのマーケティング活動が求められます。考え方的には、一般的なマーケティング的な思考が出来れば問題ないのですが、ホリゾンタルなサービスのマーケティングと比べると、打ち手が限られてくるというのがバーティカルなマーケティングの特徴です。
全部を説明することは避けますが、例えばマーケティング施策としてもいまや第一想起されるぐらいの、デジタルマーケティング。これがあまり使えません。Google、Meta、Yahoo!など数あるBigtech企業のテクノロジーを駆使しても、この狭いターゲットに対してのアプローチは不得手なのです。限られたパイに対するアプローチとデジタルマーケティングの相性は悪いのです。そのため、家に届くDMやチラシはなくなりません。これも考え方は同じで、特定の商圏で商売をする店舗はデジタル施策よりも、チラシなどのフィジカルな施策のほうが効果が出やすいのです。
展示会の重要性
そんな一般的なマーケティングに比べて、打ち手が限られる弊社のマーケティング施策として重要度が高いのは、展示会です。展示会は、特定のテーマで開催されるため、来場者の段階でターゲットセグメントの一致が確認でき、なおかつ来場される方も自ら新しい情報を求める態度で来るので、ターゲットの含有率と新しいテクノロジーや情報への許容度が高いのです。
これは、スタートアップにとっては非常にチャンスです。
認知がない状態で、LPを作ってweb広告を配信しても、セミナーをしても集客に非常に苦しみます。ですが、展示会では主催者が万単位で集客してくれます。かつ、来場者は自ら足を運んで情報を持って帰ろうとする意欲的な人が多い。認知がない=新しい情報、となるので認知度の低さは武器にさえなります。通常、スタートアップではそんな機会を自ら作り出すことはそうそう出来ません。そのため弊社では展示会運営をフルスイングで運営しています。
フルスイングって何やねん?ということですが、
展示会で大きな要素を占めるのが、やはりビジュアルインパクトです。展示会場で数ある展示物なかから視線を集めないとイケない。これが出来れば半分は勝ち、あとはブースへの引き込む強度を引き上げれば展示会はもう勝ち。
ブースに関しては重要なのは、やはり大きさと造形。当然立地もありますが、ここはほぼ大きさに依存して、いい立地になるので大きさに集約します。
キャディの場合は、大体平均10小間ぐらいで出してるので、めちゃめちゃデカく出してます。大体展示会単位で見ても最大規模の大きさです。なんならまだ大きく出そうともしています。造作物に関しても、ターゲットペルソナのイメージを可視化し、その方に刺さるコピーは何で、どんなデザインだと他のブースと差別化して目を惹きやすいか、などなどを考え、デザイン会社との打ち合わせも毎週行いながらいかにインパクト出せるか頭を捻り尽くしています。
ここで興味をもってくれた人をブースの中に引き込むための、仕掛けとしてノベルティも積極的に活用しています。コンパニオンさんを活用している会社は、これ100%セットでやったほういいです。コンパニオンさんが獲得してくれる名刺枚数が格段に伸びます。
で、じゃあどんなノベルティがいいのか?って話になると、受取りやすいことが一番重要。その上で、サービス認知に繋がるデザインがしてあると更によくて、かさばるものとか単価が高いものはNGです。受け取ってもらう対価として名刺を獲得するためのものなので、一瞬で「おっ!?」っと思ってもらう必要がある。
そのための、ノベルティの選定とデザイン、これも様々な検証をしています。例えば、コンパニオンさんに複数のノベルティを持ってもらい、どちらのノベルティのほうが受け取ってもらいやすいかの検証。前回はカイロと下記のチョコで比較しましたが、チョコの圧勝でした。寒い時期でしたがおそらくブースに来る頃には、展示会会場で体が温まってる方も多くなりニーズが下がったかなと。
展示会で一番大事なこと
展示会での弊社の取り組みの一部を紹介しました。また展示会の有効性や、効果計測や、運営の仕方、などは数々の方がnoteを書いているので、そっちを参考にしてほしいのですが、一番大事なことはこれです。
”バカを演じ、片っ端から全員で声かけろ”
もうこれだけです。とにかくこれ!これしかないって言ってもいいぐらい、これ。理由はこれから説明しますが、異論ある人は是非議論したいので、連絡ください!
というのも、自分たちのブースに来る人は選べないんです。
展示会の来場者は選べないかつ、ブースの近くに来る人がターゲットかどうかなんかは初見ではわかりません。首から掛けてる名刺ホルダーの役職分類などは参考になるものの、完全にそれと一致していないことも多いので、ホルダーの分類で声掛ける、掛けないということをやると、大幅に機会損失を起こします。
だから、展示会でターゲットとの接点を最大化するには、片っ端から声かけて、数を取っていくことで、ターゲットの含有を増やしていくんです。ここは完全に質より量の考えが重要です。
※自社で展示会のメンバーでこの声掛けによる成果の統計をとりましたが、結局ターゲットとの接点を最大化出来たのは、声掛け数を最大に出来た人で、質が大事ということで、ターゲットっぽい人に絞って声掛けした人は、一定割合は高いものの、絶対数として負けていました。
こういうことを話すると、
「あの展示会で声掛けとかめっちゃしてくるのって、個人的に嫌いなんすよね。」
「ブランド毀損につながるリスクあるのでうちはちょっと・・・」
「いややりたいんすけど、言ってもみんなやってくれないんですよね。」
みたいになるんですが、「もうじゃあ展示会出さんでよくないっすか?」って思います。
展示会っていろんな目的があると思うんですが、マーケティング施策として位置づけて直接的な売上に繋げるってことを考えると、展示会経由のリードを最大化する以外に道はないんです。
”質のいいリードだけとって、質のいい商談につなげて、売上にする。”
みたいな夢物語は、展示会では無理です。まずはそれを認めてください。
ですが、展示会に出て周りを見渡すと、コンパニオンさんだけが頑張り、社員はダラダラしてる会社とか、社員は立ってるものの声掛けはせず、待ってるみたいな会社は結構多いんです。
これ死ぬほど勿体無いなぁっていつも思います。
コンパニオンさん呼んでるから、キャッチは任せるとかあると思うんですが、それでも絶対空き時間は発生する。さらにいうと、コンパニオンさんがキャッチ出来る層と、社員がキャッチ出来る層は重なりはあるが、異なるんですよね。
コンパニオンさんはビジュアルとノベルティとかでキャッチするのに対し、社員はトークで落とす。課題認識している方はコンパニオンさんでキャッチ出来るが、課題認識の深堀りが必要な人は社員で声かけに行く。なので、最大化するにはこのコンパニオンさんだけに任せることも勿体ない。
僕たちは展示会のキャッチは社員もコンパニオンさんもやるのですが、ブースの近くを通ってる人の3人に1人以上はブースに来てくれます。これ結構多くないですか?声かければ、興味持ってくれる人はそれだけいるんです。
それに興味を持ってくれなくても、知ってくれるかも。声を掛けるだけで、認知が取れるかもしれない。認知獲得コストってデジタルマーケ含めて他の施策だと馬鹿にならない。それが、声を出すだけで認知が取れるんです。
実質、僕たちのお客様は展示会で覚えてくれて、問合せしてくれる人もいるし、そこから受注に繋がることもある。これだけいうと、展示会で立ってるだけ、は本当に勿体ない。
なので、ぼくが言いたいことはこれだけです。
”バカを演じ、片っ端から全員で声かけろ”
さらに、展示会のROIを展示会経由の商談売上だけで考えるという会社もあると思いますが、これも僕は”無し”だと思います。あくまでも接点創出のエンジンとして考えるべきで、そこから商談になるかとか受注できるかは、それ以外の施策や営業による変数が大きすぎる。なので、接点創出の観点で主に評価することをオススメします。
最後に
力技っぽい話になりましたが、この結論に至るまでに様々な検証を繰り返しています。Salesforceへのデータのインポートや名寄せなどのデータ成形や、展示会での情報の蓄積の仕組みをつくってISへの効果的なトスアップ、ターゲットを見極めて対応する時間を変える仕組みをつくったりと、どうすれば効率的に、効果的に成果を高められるかを考えて日々行動しています。システム、ツールとかも駆使しながら、至った結論が展示会は”とにかく量”なんです。
読んでいる方に、
「あ、自分たちの展示会運営について見直しみよう」とか、
「一回状況相談してみようかな」
と思ってくれる人が1人でもいたら、もうこれ以上の幸せはありません。あらゆる仮説を検証しながら、一定の”解”が見えてきた瞬間って楽しいので、これを共有して、業界全体の知見の向上の一助になればと。
とはいえ、展示会運営は一定の解が見えてきてはいるものの、マーケティング全体でみるとまだまだです。ぼく自身もまだまだだし、会社としてもまだまだ伸び代しかありません。目指す姿に対して、マーケティングに求められる役割は大きく、認知度の向上、ブランド構築など課題が盛り沢山です。
複雑な課題に対して一つ一つ紐解いていくような、いや2個3個ずつ紐解いていくことが求められるそんなスピード感と思考力、死ぬほど色々考えた結果”量”だから、”量やろうぜ”と一緒に泥臭いこともやれる、そんな人はキャディに来るとめっちゃ楽しめます!!
面白そうだなと思った人、全員キャディ来てください!そのためのカジュアル面談や、飲みのお誘いに時間は惜しみませんので、気軽にお声がけください。100%対応します!
どうぞこちらよりご連絡を!
tadanobu_uchida@caddi.jp
以上アブサンでした。
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