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只見線のあるまちにて2007夏-2009春

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ある日、僕は自転車で只見線を追いかけることにしました。なぜなら、只見線の緑色を一目見たときから僕はその色に、なんとも言えない興奮を覚えてしまったからです・・・
2007年夏、僕は影と一緒に『只見線のあるまちにて』を開始する。

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お盆だというのに・・・
ようやく梅雨もあけ、カレンダーの大きな数字が「7」から「8」へ変わると、僕は自転車に乗ってあちこちへ出かけるようになりました。初めのころといえば、記憶のある場所を選んで出かけていたのですが、どうにも峠や山など坂のあるところばかりで、さすがに疲れてしまい写真どころでないことに気づき始めた僕は、町の中を走るようになりました。少しでも緑のある場所へ・・・そういう気持ちのせいか、ハンドルを持つ手は少しずつ本郷方面へ向かい始めました。手には古い携帯カメラがありました。
07年8月15日

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次の目的地・・・
さすがに毎日同じ道を走ることに飽きはじめた9月も半ば頃、もっと他の駅舎も撮りたい欲望 - ある種のコレクションかもしれません - にかられた僕は、インターネットの地図をプリントしたものを縦横に何枚も組み合わせて、一枚の大きな地図を作りました。その地図は只見線が走る会津若松から本郷、高田、新鶴を通り坂下まで続くもので、ちょうど会津盆地を切り取ったような地図でした。地図を手にした僕は同時に驚きや不思議を手にすることになりました。
07年9月15日

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はじめてのPENTAX・・・
10月に入り涼しくなり始めるのと同時に、僕の只見線熱も少しずつ冷めてきました。なぜ?と問われても特に理由があるわけでもなく、ただ、なんとなく・・・記憶をひも解いてみても、答えはわかりません。11月、父親のカメラをインターネットで探していると、ふと自分も欲しくなってきました。昔、父親が使っていたカメラには「ASAHI PENTAX」の文字がありました。調べてみると、伝統が・・・もうそれだけで自分には十分でした。こうして僕と「PENTAX」のおかしな生活が始まりました。冬はすぐそこまで来ていました。
07年11月28日

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露出≠結露・・・
せっかく買った「PENTAX」ですが、宝物のようでなかなか使う気になれません - まだコンパクトカメラですが - 携帯カメラにはない測光方式とやらを試すのに、まるでプロにでもなった気分で白い紙の上にりんごを置いて撮ってみることにしました。なんとなくわかったような、わからないようなままで、露出という言葉も大事なことのようで気にはなるのですが、部屋の窓の結露が連想されてしまい、結局のところオートで撮ることになるのでした。
07年12月10日

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浮気・・・
冬の間、僕は浮気をしてしまったかもしれません。12月も終わり頃、それまで使っていた古い携帯を最新カメラがついた携帯へと換えました。そうなるとただでさえ、床の間にお座りいただく状態が続いていた「PENTAX」ですが、ますます出番が少なくなっていました。それに嫉妬したのか、ついには故障してしまいました。その間、新しい携帯は僕の首を独占していたわけで、だんだん少なくなってくる雪の表情を、僕は携帯と一緒に眺めることになったのでした。
08年3月12日

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ふきのとう・・・
うきうきしていたのは春の陽気のせいだけではありませんでした。先日、誕生日に新しい「PENTAX」が届きました。今度はしかも一眼レフ、プロと同じカメラではあるわけです。うまく撮れるだろうかという不安よりも先に、あまりにシャッター音が「カシャ、カシャ」と気持ちいいので、飽きずにずっとシャッターを切り続けていました。春の陽気に誘われるまま出かけると線路わきにはふきのとうが・・・自転車で疲れたせいか、座ったまま只見線にレンズを向けたのですが、運転手さんはちょっとばかり驚いたかもしれません。
08年3月25日

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いつもの・・・
この只見線の話の始まりは、どうやら本郷を中心にしているようなのですが、僕はそのことになんの疑問もなく、毎日同じコースをたどることを繰り返していました。ある日、ふと気分が乗っていたのか七日町駅まで行ってみることにしました。数時間おきにしか走っていない只見線に出会うことはできませんでしたが、なにやらレトロ調のバスに出会いました。そういえば、この七日町駅もそんな雰囲気を醸し出しているのですが、中からはコーヒーの香りがしてきました。
08年4月6日

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桜・・・
子供のころ、父親が使っていたフィルムには桜のマークが描かれていました。当時、フィルムメーカーのことなどわかるわけもなく、ただ赤色のフィルム、黄色のフィルム、緑色のフィルム・・・そんな区別をしていたようです。そういう理由もあってかないのかよくわかりませんが、やっぱり写真と言えば桜だろうと思い、出かけたのですが初挑戦にして夜桜というのは難しいものがあって、結局のところ足元を注意するのに精一杯になってしまうのでした。
08年4月21日

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記憶の中の・・・
子供のころ、ゴールデンウィークになると決まって柳津の福満虚空蔵尊にお参りに行きました。柳津に行くのには只見川沿いの道路を行くわけで、道路脇に線路を見ることができたり、また橋を渡るときには線路が下を通過したりと、今思い出してみれば小さい頃から只見線には縁があったようでした。ただ、残念なことに実際に走っている只見線を見た記憶はありません。おそらく、只見線は緑色という思い込みから子供のころの記憶と一致させることができないのかもしれません。
08年5月4日

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住所:JR会津高田駅三角屋根の下・・・
あやめの写真を撮ろうと高田まで足を伸ばしてみます。まずは駅の写真から撮り始めるのが僕のルールです。そのとき、目の前を黒い物体が通り過ぎました。見上げてみると三角屋根の下にツバメの巣がありました。巣の中からヒナがわれさきにくちばしを出します。しばらくの間、じーっと眺めてみます。ふと頭の中で、ツバメの住所って会津高田駅三角屋根の下だよな・・・と真面目に考えてみたりします。これなら、黒猫さんやペリカンさんや飛脚のおじさんも荷物を届けやすそうです。
08年6月15日

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ねここみゅにけーしょん・・・
今日は眠い目をこすりながら、朝の4時に起きました。団体旅行の臨時列車が走るという情報を本郷駅で見ていたからです。時刻表に載っていない列車なので途中の通過時刻がわかりません。いつもなら、通過時刻から逆算して家を飛び出すのですが今日はそういうわけにはいきません。すれ違う新聞配達のバイクは軽そうな音をたてて走っていきます。カゴにはほとんど新聞は入っていないようです。そんなとき、ふとラーメン屋の前で子猫の鳴き声が耳に入りました。母猫が一匹の子猫のほうへ近づき、鼻と鼻でそっと・・・
08年6月17日

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「かさ」は「かさ」でも・・・
今年は梅雨に入ってからというもの、なかなか雨が降りません。おかげで自転車で遠出することができます。このあいだ、今日も大丈夫だろうとたかをくくって出かけたら、急に土砂降りの雨に足止めされてしまいました。しばらく、遠くまでは出かけないで様子を見ようと、いつでも雨宿りできる場所を見つけて自転車を走らせます。今日は磐梯山が見える炭焼き小屋のところで一休みです。遠くを眺めていると自転車が目の前を通り過ぎます。頭の上にはちょこんと「かさ」が載っていました。
08年7月1日

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明日からは・・・
連休初日の今日は昨夜の雷はどこ吹く風で、朝からぐんぐんと気温が上昇しました。梅雨があけたばかりのどことなく生ぬるい風が、自転車のかじを取る腕にまとわりついては後ろへと流れていきます。今日は市内の高校が終業式だったのか、高校生らしき姿が多く見られました。長い長い夏休み、明日からなにをして過ごすのか考えただけでも楽しそうです。宿題だけは早めに済ませておいたほうが、夏休みを楽しく過ごすのには良さそうです。ところで僕の宿題はといえば・・・やっぱり只見線なのでしょうか?
08年7月19日

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マイペース・・・
明日で7月も終わりです。今年は梅雨に入ったのも終わったのも、はっきりとしないうち8月へ入りそうです。こちらでは8月の旧盆に先祖のお墓参りをします。あとしばらくすると今年も大勢の帰省客で道路や鉄道は混むことになるのでしょう。そんななかを只見線はひとりマイペースに走っているようです。もしかしたら、マイペースなのは自分のほうかもしれませんが・・・それにしても、この話がいつまで続くのやら、自分でもとんと見当がつきません。
08年7月30日

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田んぼと緑・・・
明け方、急に降り始めた強い雨に、なんだか起こされてしまったようでした。今日の天気はどんなもんだろうかと、少しばかり心配になりましたが、外出するころには雨も上がっていました。日中はその雨のせいか蒸し暑く感じるところもあり、エアコンの風にまったりとした一日でした。夕方、昼間の暑さをどことなく残している空気のなか、いつもの場所へでかけることにしました。田んぼの緑が、また一段と濃くなったように感じたのは気のせいではないようでした。
08年8月4日

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カブ・・・
今日からお盆休みが始まるということもあって、道路を走る帰省客の車のナンバーからは、どこか見慣れない不思議な感じを覚えます。帰省してくる子供たちの帰りを待ち切れず、畑へなにか収穫にでも行ってきたのでしょうか、一台のカブが踏切を越えていきました。都会からの土産話と地元のお酒で、今夜は盛り上がるのでしょう。ナンバーといえば、数年前の平成の大合併で、このあたりの町村も合併して名前が変わりました。古い名前のナンバーを見たりすると、突然タイムマシンで昔に戻ったような気が・・・
08年8月15日

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ねこじゃらし・・・
お盆を過ぎると季節は秋へと加速していきます。線路わきのねこじゃらしが早い秋の到来を告げるかのように夕日に照らされています。まだ夏を味わいたいという気持ちと、秋への期待感 - それがなにかはわかりませんが - が入り混じっています。なんだか脇のあたりがくすぐったいな・・・そう只見線は思っているのかもしれません。ねこじゃらし・・・実際に猫の前に出して振ってみた記憶はあるのですが・・・只見線がどう感じているのかは、いずれそのうちに報告できるかもしれません。
08年8月15日

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ミステリーサークル・・・
昨日はあまりの雨と雷のすごさに、目を閉じたまぶたの隙間から入ってくる一瞬の光のあと、おそるおそる耳にあてた両手をはずしてみると、驚く暇もないほどの大きな音に少しばかり恐怖心を感じたりもしました。久しぶりに光の力 - 人間にはコントロールできないもの - に畏敬の念を抱かずにはいられませんでした。今日、本郷まで来てみるとミステリーサークルのようなものができています。やっぱり、自然の力には計り知れないものがあるよな・・・と驚くばかりでした。
08年9月4日

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風・・・
今日は朝から風の強い一日でした。田んぼの中を自転車で走り抜けると、目に入ってくるのは秋の色ばかりで-黄金色や黄色でしょうか-まだ夏の気分が抜けきらない頭の中を、確実に秋モードへと切り替えていきます。目の前の踏切を只見線が通り過ぎていきます。ススキが揺れているのは、今日の風のせいなのか、それとも只見線が連れてきた風なのか・・・なんとも只見線に手を振って見送っているようにも見えてしまいます。
08年9月9日

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夕焼けの向こうには・・・
夕陽に染められた空の下、会津若松市内を走り抜けた只見線は、これから小出まで4時間の長旅に出ます。先を急ぐわけでもなく、田んぼの中をゆっくりと進んでいきます。会津盆地を抜けるころ、夕焼けに一番近づくことができるのかもしれません。
08年9月11日

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夏の残り・・・
9月も半ばともなると朝晩の気温は、めっきりと寒さを感じるものとなります。ところが昼間になると空には入道雲があらわれ、気温も夏と変わらないほどの暑さとなります。ただ、収穫を迎えた田んぼの上を走る風は、梅雨どきや夏場のそれとは違い、どことなく秋の感じ-稲のチクチクした感じとでもいうのでしょうか-がして鼻の奥のほうが、むずがゆくなってしまうのでした。そういえば、どことなく写真がブレているような気がするのはクシャミのせいかもしれませんが、目の前の稲が倒れているのは・・・
08年9月14日

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台風一過・・・
朝、見つけた蝉のなきがらに、僕の頭の中は夏モードから本格的な秋モードへと移行しました・・・小さな生命から季節の移ろいを感じさせられた一日の終わり、昨日までの台風はどこかへと過ぎ去り、空には真っ赤な夕焼けだけがありました。
08年9月18日

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とんぼの兄弟・・・
とんぼの群れを追いかけるように本郷駅へと到着した只見線を待っていたのは、どうやら子供連れの家族のようです。とんぼの世界に家族というのがあるのかどうかはわかりませんが、とても兄弟が多いのだろうなと、一人っ子の自分はうらやましく思ってみたりもします。むこうに見える背あぶり山のほうは、少しずつ色づいてきています。只見線の車体も今日は少しばかり色づいている・・・そんな感じがしたのは気のせいではないようです。
08年10月13日

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柿の木の下には・・・
秋の夕暮れ、柿の木越しにトロッコ列車を写真に収めようとすると、木の陰からひょっこりと老婆が現れました。そんな臨時列車が走っていることなど知らない様子で、かといって別段眺めるわけでもなく、仕事が終わったと見えるや、すぐ自転車に乗って帰っていきました。僕も今日はこのへんで家へ帰ることにしました。
08年10月19日

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天高く・・・
遠くのほうからヘッドライトの小さな明かりと煙が少しづつ近づいてきます。なかなか車体をはっきり見ることはできません。ゆっくりと近づいてくるSLと並行して、こちらに歩いてくる親子の姿が見えます。SLを眺めているというのか一緒に歩いているとでもいうのか、なんだか不思議な感じがしました。ようやく目の前をSLが通り過ぎようとしています。西の方角を見ると太陽が沈もうとしています。まだ色づきの浅い山々の紅葉は、これから霜にさらされて本格的な赤みを帯びてくるのでしょうか。
08年10月31日

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知らず・・・
壁にかけてある時計を見ると、いつの間にか電池が切れてしまったのか8時45分のところで針がピクピクしています-それはまるで脈を打っているような、そんなリズムでした。久しぶりに本郷へと出かけてみることにしました。途中で雨に降られ、頭の中にはハイファイセットの歌が自然と流れてきました。高田のほうを眺めると、いつの間にか紅葉が進んだような感じがします。遠くのほうから只見線の音が聞こえてきます。只見線は会津の柿がタイに輸出されることなど知らない様子で、いつものように通り過ぎていきました。
08年11月10日

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おつかれさま・・・
午後、予約していた歯科医院へ自転車を走らすと、線路の点検作業に出会いました。あと30分ほどで上りの只見線がやってきます。後ろを振り返ると、線路の保守作業をおこなっている人たちの姿が見えます。その人たちの安全のために、ここで只見線が来るのを見張っている。そんな緊張感漂う後ろ姿に声をかけることもできず、シャッターを押した後、そのまま自転車を走らせました。
08年12月11日

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残り少ない登校日・・・
まだ、午後2時を過ぎたばかりの只見線だというのに、今日は高校生の姿が見えます。もう1月も終わりで2月もすぐそこまできています。高校3年生は大学受験のため自由登校になっているのでしょうか?しばらく踏切でカメラを構えていると、後ろを高校生数人が通り過ぎていきます。どうやら、県外への就職のようで、車をどうするとかの話で、なんだか若者らしい夢のある話だなと思ってしまいました。
09年1月28日

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地下道・・・
今日は会津若松駅へ写真を撮りに行くことにしました。何枚か写真を撮ってみるのですが、冬の夕方5時を過ぎれば、あたりはもう真っ暗になります。あきらめて帰ろうとすると、地下道のほうから微かにギターの音が聞こえてきます。誘われるように階段を下りていくと、女性二人組だったことにビックリしました。しばらく遠巻きから演奏を眺めてみます。どうやら練習の最中で、こちらの存在を気にはしているようでしたが、そのうちギターを弾き始めました。お礼の合図もかねてシャッターを切りました。
09年2月11日

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融けて・・・
今日は絵ろうそくまつりにに出かけてみることにしました。あんどんや焼き物の中に飾られた絵ろうそくもあったのですが、僕の心を引き留めたのは、小さなかまくらの中に飾られた絵ろうそくでした。写真を撮ろうと三脚を設置している間にも、周囲の雪が少しづつ融けてきているのがわかります。後ろからフラッシュをたかれたときには、融けてしまうんじゃないかとびっくりしてしまいました。バルブで何カットか撮影している間にも、どんどん融けていきます。僕の心は・・・
09年2月14日

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冬空に・・・
いつもなら昼近くまでベッドの中でゆっくりしている休日ですが、今日は点けたばかりの暖房が窓の曇りへと変わる前に部屋を飛び出しました。只見雪まつりの臨時列車が走るということで、どこで待とうか考えながら自転車を走らせます。去年の秋、只見線が夕焼けに吸い込まれそうになった、あの場所を目指します。遠くに見える、あの角のとがった山がお気に入りです。列車の近づく音が聞こえてきます。てっきり国鉄型だと思っていたらば、こがね号が走ってきました。冬の晴れ間の貴重な光に黄金色の車体が輝きました。
09年2月15日

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曲がっている・・・
冬晴れのなか自転車を走らせます。1月になって降り続いた雪も、だいぶ消えてきました。おかげで道路に雪もなく自転車で出かけることができます。日中、歩道の雪はいったん、シャーベットのような状態になるのですが、次の日の朝になると凍ってしまいます。そうなると朝のうちは自転車を押す羽目になってしまい、少しばかり寒さに閉口してしまいます。午後、雪のないところを選んで自転車で出かけてみます。なにやら道路わきの建物から音がするので横を見てみると、そこには大きく曲がったつららががありました。
09年2月19日

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合格祈願・・・
2月も残り数日となりました。あと少しで高校受験の季節になります。「東風吹かば・・・」で始まる句を残したのは、ご存じ学問の神様菅原道真公ですが、地元の文殊様には県外からも多くの参拝客が合格祈願の絵馬を奉納していきます。僕が昔、受験した高校の絵馬もあったのか、なかったのか、うっかり見落としてきてしまいました。見落とすなんて受験生にとって心臓に悪い言葉を使ってしまいました・・・
09年2月26日

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会津の休日・・・
3月になると日差しも日に日に春の暖かさを含み始めます。そんな休日、自転車を降りて街の中を歩いて散歩してみます。以前から気になっていた外国製スクーターのある店の前でカメラを構えてみます。後ろには見覚えのあるポスターがありました。そういうことか・・・やっと納得がいきました。夕方になっても散歩はまだ続きます。ある結婚式場の前で子供を連れた若い女性とすれ違いました。女の子でしょうか、それとも男の子でしょうか。少しばかり、気の早い下見のようでした。
09年3月1日

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なごり雪・・・
3月もなかばだというのに雪が風に舞っています。と言っても、猫の足跡隠し程度でしょうか・・・駅に停めてある自転車のサドルに雪が降り積もり、まるでピアノの鍵盤のようだと「ドレミ・・・」とつぶやきながら、一つずつ雪をはらいのけてみます。全部のサドルをはらいのけたあと、黒鍵だけのピアノを頭の中で弾いてみます。今日の天気のせいでしょうか、あまりきれいな音を奏でてはくれませんでした。
09年3月11日

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SLになる夢を見る・・・
遠くにゴミ処理場の煙突が見えます。今日は横風が強いのか、煙が上へと昇らず、横へ横へと流れていくのが見えます。只見線が近づく音がかすかに聞こえてきます。そのとき、もしかしたらば煙を吐くようなふうに見えるかもしれない、密かに自分の中で想像してみます。目の前を通り過ぎようとしている只見線の方向指示器は「回送」になっています。僕の頭の中はSL時代の只見線を回想しているのかもしれません。
09年3月15日

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卒業式も終わり・・・
卒業式も過ぎたある日、久しぶりにホームに立つことになりました。僕は只見線には乗りません。これから実家に彼岸のお墓参りに帰るため、会津線を待っているところです。向こうから高校生を乗せた只見線が入ってきました。自分が高校生だった時と、だいぶ様子が違います。「スカート短くなりければ、鼻の下長くなりける」などと一人でサラリーマン川柳みたいなことを呟いてみます。だいぶ自分も歳をとってしまったのかもしれません。
09年3月20日

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2度目の春、そして・・・
PENTAXを手にして2度目の春を迎えました。車体の緑に・・・ということは、あとからついてきた理由だったかもしれません。そのとき、自分に必要だったものが、なんであったのかも-今でもはっきりとはわかりませんが-あまり重要なことではなかったのかもしれません。ただ、時間をどのように消化していくのか、そんなことだったかもしれません。これから先これほどまでに熱中することはなくなるかもしれません。それは自分でもわかりませんし、決めないでおいたほうが良いかもしれません。
09年3月31日

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Photo and Text :
Kiyoshi Haga

Camera :
PENTAX OptioSV, ist*DL2, K100D Super and K10D

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Copyright (C) 2009 Kiyoshi Haga, All rights reserved

**********************************続編の只見線のあるまちにて2009春-2010冬も、ぜひ読んでみてください                                

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