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ミッションとは覚悟を言葉にすること。創業当時、「今日を生きる」と決めていた僕たちがミッションを作るまでの話。

今から34年前。
平均年収1,600万円の大手上場企業。
あんなに努力して入社したのに、入社後は周囲の同期達のように努力が出来ず、逃げるようにして辞めた。
その後の無職時代、過去の栄光にすがり「自分はこんなもんじゃない、絶対成功する」と今日の行動から逃げていた。
レバレッジ創業時、夢見がちなビジョンを見続けて落ちるところまで落ちた過去を振り返った時に、その時の目標は「今日を生きること」と決めていた。
だからミッションやバリューはなく、考え方がぶれないように理念だけがあった。
未来の事を考えるより、「今日を生きる」それだけを考えようと。

レバレッジ創業時の理念

【Belief(信念)】
人間はもっと進化できる
【Philosophy(理念)】
先に与え、常に与える
なぜどうしてを伝えようよ
仕組みで成長しよう
できるできないよりも、どうやるか
創業当初は4人だった従業員も、今は120人を超える。
レバレッジはどんどん成長して、みんな勢いに乗っていた。
ただ、僕には懸念があった。
販売を担っている事業部は売れることを重視した考え方、昔からいる社員はレバレッジらしさを求め、新入社員はどこに向かえば良いのかわからない。
そのまま進む方向がバラバラになり、空中分解してしまうのではないか。

進む方向を一つにするために、今のレバレッジには「ミッション」が必要

僕は、わからない事はひたすらその道のプロに聞くと決めている。
社内で考えたミッションは何だか納得がいかなくて、プロに頼ることにした。
叶えたいと自分自身が思えるようなものでトップダウンにならないもの。
プロの方に、レバレッジを知り尽くしている社員へヒアリングをして、コンセプトから作成してもらった。

「現実」と「本質」

ヒアリングの結果は2つに分かれた。
「現実」と「本質」
現実というのは、レバレッジのメイン事業であるフィットネスを世の中に唱えること。つまり、世界を健康にすること。
逆に、本質というのは自分のあり方を問うもの。
社員の中で意見が割れたが、僕はこの答えがすぐに出た。

レバレッジが運営するVALXは、ただフィットネスを広めたいからあるのではなく、商品を手にした人の気分が上がるような存在でありたい。
今は、人の進化に寄り添えるものがたまたまサプリメント、プロテインなだけ。
もしかしたら、今後VALXはフィットネス以外の事もするかもしれない。誰かがVALXを手にする事で気分が上がるのであれば。
フィットネスが我々の領域だとミッションでくくってしまうこと、それは自分達の仕事じゃない、と可能性を潰してしまうのではないかと思った。
売り上げはただの副産物で、大事なのは会社のあり方、自分のあり方。

キーフレーズは人間の幸せ

僕は毎日、従業員のみんなに見えるように「times ceo」という日記のようなものを更新している。
これは、みんなにあり方を語るもの。
日頃から僕があり方について語っているからか、当初は事業や健康をミッションとして掲げるべきなのではと意見を伝えてくれていた従業員も、あり方で進めることをスッと受け入れてくれた。
そして、気付いたら事業部長達が、熱く語り始めた。

迷い込んだトンネル

あり方、そう言ったのは良いものの、曖昧なミッションになりそうだという不安が生まれた。
「5年、10年先も使い続けられるものを」そう思えば思う程、安定的な言葉を使うのか、熱い言葉を使うのか・・・。
あり方として常に唱えていた「本物」という言葉。
だが、本物を追求することは当たり前なことなのでは?
自問自答して納得のいかない答えばかり出てきた。

熱狂集団の登場

ある日、従業員が「熱狂」という言葉を使いだした。
熱狂?何のこと?
彼らは営業で獲得した件数の単位として「熱狂」を使っていた。
熱い想いをお客様に伝えて、それが相手にも伝わった瞬間、お互いに熱狂できる。
それがどんどん社内に浸透して、熱狂の輪が広がった。
組織的に会社が大きくなると、一般的に熱は冷めやすい。
守りに入る為に、安定を取る。
だから逆に、この熱狂集団をどこまで拡大させられるのか、チャレンジにワクワクした。
常に熱狂するというのは、なかなかハードなのではという懸念もあるが、誰もやらないことしかやりたくない。
そう決めている。このミッションはレバレッジにしか成し遂げられない。
そして、熱狂をテーマに案を出していこうと方針が定まった。
「人類みな熱狂。」
「心に熱を。」
「熱響を、つくる。」
「熱狂で、時代を動かせ。」
「人生に、躍動を。」
色々な案が出てきた。
そして決まったのがこれだ。


このミッションに包まれていると、なぜだか心地良い。
今までのレバレッジのカルチャーを言語化している気がするから。
だからか、従業員でも、このミッションに対して反対する者はいなかった。
そしてこのミッションが出来たおかげで、「これって前例があるよね。」「もっと他がやっていないことをやろうよ。」と口にしやすくなった。
目指すものがあるから、従業員達とも会話がかみ合うようになった。

行動指針(バリュー)の決定

今まで経営理念としてあったバリューを引き継ぎ、みんなが口に出来るように新しく増やそうということになった。
そして今まであった4つに加えて、センターピンという言葉が会議の中であがった。
「本質を常に追求する姿勢」
「センターピンを問う」
「原理原則を考えよう」
センターピンを元に、様々な案が出てきた。
この時、ふと思い出したのは、よく周りの人に聞かれることだった。
ありがたいことに、自分の周りには「YouTubeやSNSをやりたい。」「D2Cをやりたい。」だからVALXにやり方を教えて欲しいと聞きに来てくれる人が多くいる。
でも、せっかく教えてもだらだらと運用する人が多く、何のためにやっているんだと思う。
目的をもってやることの大切さを、反面教師のように教えてもらい、レバレッジが追加するバリューは「目的ファーストでいこう。」に決まった。
今まで使っていた経営理念を、従業員のみんなが口にしやすいように変えて、バリューが完成した。

「先に与え、常に与える。」

見返りを期待するのではなく、自分から先に相手に与える精神をもとう。
関わる人のためになることを考え抜いて、心をこめて行動しよう。

「なぜ?どうして?を伝えよう。」

自分はどうしたいのか?という意思をもち、その理由や背景を伝えよう。
さらに、仲間の想いにも誠実に向き合い、たがいに尊重しあおう。

「成長の仕組みをつくろう。」

どんな失敗や成功にも、必ずロジックが存在する。
それを分析して、成長の仕組みをつくろう。
気合や根性だけでは続かない。仕組みによって、みずからを持続的に高めていこう。

「できるできないよりも、どうやるか。」

あれこれ難しく考えず、まずは失敗をおそれず一歩を踏みだそう。
そして試行錯誤を繰り返しながら、実現に向けてやり方を柔軟に変えていこう。

「目的ファーストでいこう。」

言われたことをただやるのではなく、それぞれの仕事の目的を追求しよう。
「センターピンはなにか?」を常に自分に問いかけ、目的の達成に向かおう。
従業員達が、常にバリューを口にしている様子を見ると、バリューを作って良かったと思うのと同時に、レバレッジを支えてくれている言葉だと思った。

今回ミッションとバリューを作成するにあたってPARKの田村さん・飯田さん・竹内さんにお手伝いをしていただいた。
まさに言葉のマジシャン。
人はそれぞれ得意、不得意があって、わからないことはその道のプロに聞く。これが今までの僕を作ってくれている。

PURPOSEの策定

しばらく経って社内にミッションとバリューが浸透し始めた。
次に必要なのは「社会にとってレバレッジがどうあるか、社会の課題をどのように解決できるか」つまりPURPOSEの存在。

レバレッジの存在意義とは

PURPOSE策定プロジェクトは2022年11月の経営合宿から始まった。
ここでもPARKの田村さん・飯田さんにきていただき、まずは経営陣でみっちり話し合った。
・レバレッジの存在意義
・レバレッジのミッションを通じて顧客にどのような変化をもたらしたいか
・レバレッジを一言で表すと何か。

レバレッジがすごいのは、こういった話し合いに経営陣一人一人が本気で向き合うところ。
話し合いでは、「健康寿命を伸ばす」「フィットネス人口を増やす」のようなフィットネス企業らしい回答が多くあがった。
しかし、真の意味でのレバレッジの強さ、そして存在意義というのはフィットネス業界で収まるものではなく、もっとスケールの大きい、人間そのものの力なのではないか。

そう気付かせてくれたのは、全ての意見に
「心身の活力(エナジー)が最大化される社会をつくる。」
ということが共通していたから。
前から「人類の進化」ということを言い続けたレバレッジにぴったり、そう思った。

PURPOSE完成に至るまで

経営合宿で決まったテーマをもとに、30個ほどのPURPOSE案から、言葉を選ぶ。
実はこの議論で、レバレッジのPURPOSEは英語にしようという方針が決まった。
ミッションとバリューは日本語なのに、PURPOSEだけが英語。
それには、重要な意味がある。

レバレッジは今後、「世界進出」する。
これはもう決定事項で、社員にも伝えている。
今後レバレッジが世界を見据えるに当たって、その足掛かりの一歩として英語にしようと決めた。
そして多くの候補の中から選ばれたのが、「POWER OF HUMAN.」
実は、最初の段階では「POWER OF HUMAN.」は注目されていなかった。
候補に上がっていたのは、活力という意味の言葉が使われていた「Boost human energy」。
しかし他の候補で議論が進んでいく中で、今後グローバルに展開していくのであれば、スケールが大きいワードが社員の想いを掻き立てたり、外部の方にも期待感を持たせられたりするのではないか、そんな話があがった。
そういった中
「POWER OF HUMAN.が一番強いですよ。」
と田村さんが言った。
強いというのは言葉のスケールがどんなものよりも大きく、なおかつシンプルということ。
人生はシンプルが一番だと思ってる僕には、この言葉はびびっときた。
それまで話題にも上がってなかったこの言葉、改めて考えると良いかもしれない。
その瞬間「POWER OF HUMAN.」で進めることが決まった。

レバレッジの「やり尽くす」スタイル

僕は何事もやりきらなきゃ気が済まない。
前回の話し合いでは「POWER OF HUMAN.」で概ね方向性は決まった。
しかし・・・まだ良いものがあるのではないか、その可能性を最後に確かめたかった。
POWERの前にTHEをつけてみたり、HUMANの後にSをつけてみたり・・・ほんの少し音が変わるような微調整もやり尽くした。
そんな、あらゆる可能性を考えた結果、一番マッチしていると判断してレバレッジのPURPOSEは「POWER OF HUMAN.」に決まった。

アナログな人間の力

今の時代を牽引しているのは、GAFAと呼ばれるGoogleやApple、Facebook、Amazon.comのようなテクノロジーを追求してきた企業。
そのテクノロジーによって世界は急激に発展してきた。
ただ、その根底には果てしなくアナログな人間の力があると思う。

レバレッジが本当に目指すもの、それは「人間を進化させる存在」。そんな想いがこのボディコピーには含まれている。

社員への想い

たった数行の言葉。
それを決めるために膨大な時間をかけ、レバレッジへの想いを詰めている。

このPURPOSEはまだ完成していない。
レバレッジに浸透し、実践された時に初めて形になる。
作って終わり、飾って終わりではない。大切なのはその言葉を形にしていくことだ。

なのでレバレッジのみんなには、常日頃からこれらの言葉を意識して、使い倒して欲しい。

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