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ラグビーから学ぶ、マルチタスクを意識したチームづくりのヒント<VoI.4>

酷暑の中、ラグビー日本代表のテストマッチが毎週続いています。チーム力の進化を毎週感じるとともに、世界の強豪チームにあと一歩勝ちきれないのはなぜなのか、試合後、いろいろと考えさせられます。

選手たちが「多様なスキルを持つ」ことが求められる最近のラグビー

ラグビーでは、スクラムやラックでのボールの争奪や保持を主な役割とするフォワード(FW)と、ボールを受け取って走ったり、パスを出したりして攻撃を展開するバックス(BK)と大まかに役割が分かれており、FWは身体能力やフィジカルが、BKではスピードやスキル、戦術的な判断も求められます。

ですが、最近のラグビーの試合では、攻撃のバリエーションを増やすために、FWにもスピードや機敏さ、パスのスキルなどを求め、攻撃の組み立てやフィールド全体でのプレーにFWを積極的に参加させるようになっています。フォワードとバックスの区分が以前よりも曖昧になり、選手たちが多様なスキルを持つことが求められるようになっています。

実はビジネスの現場でも求められる「マルチタスク」ができるチーム

一方で、ビジネスの現場、私が知る範囲では特に、ホテルの現場もマルチタスク化しており、星野リゾートなどでも、1人のスタッフで、フロントから朝食などいろんな業務にマルチに対応し、お客様をもてなしています。

特定のスタッフのスキルに依存せず、チームでいろんな役割を果たすことができる「マルチタスク」が可能なチームとなることで、一定水準以上の業務レベル(提供するサービス)を維持しています。

「マルチタスク」と「仕事をひとりに集中させる」ことは違います。チームメンバーがお互いに果たすことができる役割をコミュニケーションし確認しながら無理なく取り組む必要があります。

私が関わっていたラグビースクールのベテランコーチは、ラグビーの試合から仕事のチーム作りのヒントを得ている、と話してくれました。そのコーチはとある学校の広報を担当されていますが、ラグビーの近年のFWの役割の変化を、仕事に取り組むチームづくりにも取り入れているとのことでした。

自分の役割はこれ、と明確にすることは必要ですが、逆に自分の役割がこれだから他のことはやらない、では、成果を出すチームにはなりにくい、ということです。

ラグビー観戦の目線をFWに着目すると学びがある?

この業務は何のために取り組んで、どうなりたいのか(マインドセット)を明確にした上で、自分が果たすことができる役割を広い視野で見つめ、積極的に取り組むことができるメンバーがいるチームは、きっと成果がでるのだと思います。

ラグビーの試合を観戦する際に、FWの動きに着目してみると、マルチタスクで成果を出すチームづくりのヒントが得られるかもしれません。体の大きな選手の多彩で器用なプレーも見どころだったりします。

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