【紀行文】松本の文化、教育への思いを垣間見た
松本は蕎麦がうまい
タイトルにひねりがないが、これはもう言うしかない。
20代の前半に友人に連れられて、松本まで蕎麦行脚をしたことがある。その時は、松本市への観光が自分の目的だったのだが、そこで廻った蕎麦が自分が食べてきた蕎麦とは、雲泥の差の美味しい蕎麦だったので、以来蕎麦は好物の部類に入る。
家でも簡単にそばを打つが、その時にそばの水加減の難しさや茹で時間の見極めなど、蕎麦の世界が奥深いことは、曲がりなりにも知っている。
旅先では、蕎麦やを探すことも珍しくない。しかし、たまに外れに当たり残念に思うことがある。
しかし、ここ松本は流石。
過去を含めて10店舗くらい入っていると思うが、どれも美味しい。
それぞれにこだわりも感じられつつも、どれも美味しい。
この地の蕎麦は外れがないのだ、というのが確信に近い。
この日も、昼と夜の二色をそばにしたのだが、まったく幸福であった。
松本市内の文化財をめぐる
松本市内で一番目立つものは、やはり松本城だろう。
クロサギ城と呼ばないで、と松本城の関係者は言うらしいが、黒く締まった外観の城はシュッとしてかっこいい。
タイトルの写真は、松本城が一番かっこよく撮れるスポットとして、学芸員さんに教えてもらったところだが、雲の形といい鳥の飛び具合といい良い写真が撮れた。最近空を写すと雲が運気の上昇を現わしているような気がする。春の気候のせいなのか、雲の形が気持ちよく見えて、よかった。
松本城をぐるりと見た後は、開智学校を訪れた。ちょうど大修理の最中で中は見られなかったが、外観だけでも十分面白かった。
このころの擬洋風の建物は、大工さんたちの「見様見真似」によって作られていたようだ。この外壁に見える窓も実は絵の部分もあるようだ。
装飾は漆喰鏝絵で描かれていたり、写真に載せた龍の彫り物もどちらかというと寺社にありそうなものだ。
体系的に見たわけではないが、地方で様々な擬洋風建物が建てられ、その試行錯誤の中で、独自の消化がなされていったようだ。
よく言われるが、日本は外来文化をそのままの形ではなく、日本的に再解釈なり消化して取り入れていく特徴がある。その過程がこうして文化財で見ることが出来るのは本当に貴重だ。
新しくきれいな建物ももちろん好きだが、こうした文化財の価値をやはり多くの人にわかっていただきたと切に思う。
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