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レーズンパンなのにレーズンが表に出ちゃダメ。いわゆる「無理ゲー」ってやつです。

どうも!たぶん、加工。です。

今回は前回に引き続き、SANUKI ReMIX3の進捗報告です。

前回の記事はこちら↓


前回ご紹介した職人フェス「SANUKI ReMIX」で「香川の職人の感性をクリエイターの技術で表現しろ」とトンデモないお題を出された私たち。
もといクリエイターさんたち。

たぶん、加工。のコラボ相手である下田さんも、これには頭を悩ませていました。

下田栄一氏

株式会社ランハンシャ ナイトコンテンツディレクター
西日本におけるプロジェクションマッピングの先駆者的存在。地方のナイトタイムエコノミーを活性化させるため、その地域に根差した完全オリジナルのナイトコンテンツの製作に尽力している。

株式会社ランハンシャ

「まずは石工さんや庵治石、この産地について知りたいです」

下田さんのこの言葉に、たぶん、加工。と下田さんらクリエイター陣での香川県牟礼・庵治の庵治石ツアーが決行されました。

古市朋之 株式会社古市石材
長年細工加工に携わり、ディティールの形成が得意。近年はプロダクトデザインに手を出しつつ、心の癒しにアクアリウムにハマり中。石材加工1 級所持。


~下田栄一の庵治石探訪~


香川県牟礼・庵治町にはたくさんの石材加工屋さんがあります。
牟礼庵治歩けば石材屋に当たる、と言われるくらい。本当にたくさん。(※言われてません)

ぶち当たる限りたくさんの石材屋さんを巡り、さまざまな話を聞く中でスタッフの一人が不思議そうにあるものを指さしました。

スタッフ「これも製作途中の製品ですか?」

古市さん「いや、それはもう……」

スタッフ「え?なんで?」

古市さん「ここに黒玉くろだまっていうのがあるんですよ」

スタッフ「このグレーのやつですか?」

古市さん「ちょっと水で濡らしてみましょうか」

スタッフ「あっ」

古市さん「うちの業界では黒玉くろだま白玉しろだまって呼ばれてるものなんですけど、これが表面に出るともう商品にならないんです」

スタッフ「ええっなんで?」

古市さん「まあ見た目が悪いからでしょうね。黒い鉱物が集まってるだけなんで品質的には問題ないんですけど。
実際、昔はちょっとくらい黒玉があったって売り物になってたんですよ。人間だってホクロくらいあるでしょって。だけど現代になってどんどん求められるクオリティーが高くなって、今ではもう商品になりません」

スタッフ「そんな……もう細かい彫りもしてあるのn」

古市さん「そうなんですよ!」


スタッフ(び、びっくりしたぁ……)

古市さん「庵治石はそもそも天然の状態で傷が多いので、採掘しても製品になるのはそのうちのたったの2%くらい。まず庵治石が希少と言われるのはこのせいなんですけど、問題は傷だけじゃないんです。

大きい傷は採掘時の目利きである程度避けられます。でも、小さい傷や黒玉白玉は採掘のタイミングではどうしてもわからないものも多いんです。中には水で濡らさないと見えないものとか、濡れて時間が経たないとわからないものとか色々あって、これがまあとにかくめんどくさい。

黒玉白玉も、細かい彫りとか磨きのタイミングで出てきたらもう終わりですよ。それまでの加工に何時間かかっていようと全部パーですから。

そのときの行き場のない苛立ちといったら、もう、もう……!!」

スタッフ「そ、それは大変ですね」
古市さん「そうなんです」
スタッフ「そうなったら0円ですもんね」
古市さん「0円です。

言うなればレーズンパン!!

レーズンパンを表にレーズンが見えないように加工しないといけない!!
想像してみてください、レーズンパンですよ?レーズンどこに入ってるかなんてわかんないじゃないですか。
多いやつもあれば少ないやつもあるじゃないですか。お店によってね。

そして極めつけはプルーン!!たまにプルーンが入っている!!」


スタッフ(声でっかいなあ……)

下田さんはプロジェクションマッピングの神様みたいな人ですが、これはそもそもプロジェクションマッピングに使えそうな大きな庵治石を入手すること自体が難しいかもしれませんね……。

この打ち合わせを経て、下田さんは、

「どうしよっかなあ……」

と困り顔。

庵治石とプロジェクションマッピングという前代未聞のマッチングは果たして成功するのか……?

どうなるSANUKI ReMIXーーー!?

To be continued……
(※レーズンやプルーンに罪はありません。これからもおいしくいただきましょう。)


おまけ

その後はこんな感じで庵治石にプロジェクションマッピングの投影を試していました!


今年もやってきたSANUKI ReMIX3!!

11/3(金・祝)~11/12(日)、香川県高松市 玉藻公園にて開催!!


たぶん、加工。とは?

水晶と同程度を誇る硬度と、唯一無二の模様“斑(ふ)”や繊細な石質による品格、そして希少性。すべてを兼ね備えた香川県高松市東部の牟礼町、庵治町でのみ産出される世界一の銘石「庵治石」。
たぶん、加工。は、そんな庵治石の里の石工たち、讃岐石材加工協同組合 石栄会所属の超石工アーティスト集団。アート、プロダクト、グルメ、グラフィック、テクノロジーなどの様々なクリエイターとコラボレーションすることで、新たな「加工」の価値を生み出す。
「うわ~これすごい!」「かっこいい!」なぜかって?
それ、たぶん、加工です。


たぶん、加工。ブランドサイト

SANUKI ReMIX公式サイト


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