【日記&悔悟録】介護はある日突然に。母が救急搬送されたとの父からの電話が始まりだった。
[日記]2011年8月31日
正午過ぎ、父から母が自動車事故で入院したと、電話が来る。警察から容体までは知らされていないようで、父の受け答えが心許ない。
まちなかにある私の仕事場兼自宅からタクシーで実家へ向かい、父をピックアップしてK市の総合病院へ行く。
総合受付で指示されたフロアでエレベーターを降りると、母は検査から病室に戻るところ。想像とは違って、自力で歩いていた。左腕の上腕の骨折が主なケガのようだ。
命に別状がないことがわかり、とりあえずホッとする。
[日記]2011年9月1日
K市の総合病院へ行く。手術、入院となるなら、居住地に近い方がいいだろうということで、金沢市内のC病院へ転院することに。実家の斜め向かいの家の人が車を出しますよと言ってくれ、お言葉に甘えることにする。
◉振り返り①
先送りできなくなった日
当時、私は金沢市内の中心部にあるマンションに住んでいました。
父から一報を受けて、すぐにタクシーで自宅へ向かい、
浮き足立っている父を拾って病院へ。
最悪の事態も想像しつつ、母がK市へ向かった理由を父に尋ねると、
友達と日帰り温泉に行ったんや…とのこと。
同乗者がいる! 私はドキッとしました。
母一人が事故に遭ったのではなかったのです。
どのくらい負傷したのか。命は大丈夫なのか。
その人は別の病院に運ばれたため、様子がまるでわかりません。
不安が刻々と膨らんでいる胸の隅っこで、
「やっぱりこの日が来たのか」とも思っていました。
もしかしたら、認知症が始まっているのかもしれない、
と思わせる言動が、それまでにいくつかあったからです。
以前なら絶対にしなかったような車のコース取りというか、
短距離ながらの逆走をして目的地へ向かう自由な走行をしたり、
新しい道路で見事なまでの信号の見逃しをしたり、
そうかと思うと、新年の準備の品を買いに行ったスーパーで、
「何を買えばいいのか、全然、わからない」との心細そうに話したり。
年のせいかも、という言い方がありますが、
それを完全な文章でいうと、
「年のせいで、少しずつ認知機能が低下しているのかも」
ということに他なりません。
当時は80歳になっていない段階でしたから、
私は「ちょっとおかしいな」と思いながらも、
自分が安心する方へと考え方を変えていたようです。
バイアスがかかってしまっていたのでしょう。
でも、その安心は、本当の安心ではありません。
対処が遅くなるほど、問題の難易度は上がっ
いきます。
なお、母の病院を訪ねた後、同乗者をお見舞いしたところ、
命に別状はありませんでしたが、
やはり骨折が一箇所あるということで、
大変な迷惑をかけてしまいました。
母が最も長く付き合っている友人の一人でしたが、
お互いに心の傷になってしまったようです。
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小さな「おや?」は大事なサイン。
辛くてスルーするほど、
後から苦労することに。
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◉振り返り②
避けて通れない近所づきあい
緊急時に助けてくれる人が多いのは、心強いものです。
この時は、斜め向かいの家の方が
転院の送迎の時に協力してくれました。
運転しない私としては、
本当にありがたかったのを覚えています。
親戚など、身内だけで対処しようかとも思いましたが、
相手にも予定や事情があります。
また、その親戚との付き合いの深さもそれぞれです。
頼りたくても頼れないこともあります。
やはり遠くの親戚より近くの他人。
その後もなにかと近所の方々には助けていただきました。
とかく、近所づきあいは面倒なものとして避けることが多いですよね。
私も若い時はそうでした。
住まいも一軒家よりマンションが気に入っていました。
でも。やはり「近くの他人」に頼らざるを得ない日は来ます。
実際、昔、夜中に突然、高熱を出した時には、やはり近所の方の車で
病院まで送ってもらったことがあります。
近年は災害も大雨や地震などの自然災害も多くなっているので、
気にし合うことの大切さが強調されています。
そして、介護も今は地域で支える時代と言われ、
近所の人々も大事な社会資源の一つと位置付けられています。
母の転院では助けてもらったものの、
その近所の方と私はこれまでの付き合いの積み重ねがない分、
病院までの車の中での会話はとてもぎこちなく、
話題もすぐに尽きてしまいました。
何を話していいやら、どこまで聞いていいやら。
その加減も全くつかめませんでした。
さて、転院の6日後、母の手術は成功。
続くはリハビリです。
腕の神経の回復には3、4ヶ月かかるとのことでしたが、
思うようには回復が進まず、
親指の付け根をもどかしげにさするのが
癖のようになってしまいました。
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親の近所づきあいを知っておくことは大切。
できれば自分も顔見知りにはなっておく。
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今日も、自分が自分にOKを出せる1日でありますように…
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