『弱点があるから、強みが存在できる』 -圧倒的「弱み」に秘められた「隠れた才能」を紹介
どーも。SHUNです。
精神疾患・認知障害だからこそ輝ける未来
注意力散漫、コミュ障、うつ病、不安障害など、いわゆる精神疾患と呼ばれる人たちは多くの悩みを抱えながら生活をしているかもしれません。私や周りの人も同じように悩みを抱えて深く落ち込むことが多々あります。なぜ、他の人が当たり前にできることが私はできないのだろうかと。なぜ、メンタルがこんなにも弱く日々が辛いのだろうかと。
今日は、精神疾患(感情や行動に著しい偏り)だからこそもっている才能について目を向けたいと思います。アインシュタインも同じように、異常に不得意なことがあるからこそ、何かに秀でることができました。そう、弱点があるから強みが存在できるのです。
アメリカの精神科医が同じ想いで書いた本を読みましたので、7つの精神疾患別に隠れた才能を纏めていきたいと思います。
これからは多様性の時代であり、平均的でない数多くの才能こそが未来を大きく変えていく原動力となります。精神疾患である人もそうでない人も、疾患や苦しみを理解して助け合い、隠れた才能にも目を向けられる社会になればと思います。
それでは、7つの精神疾患をみていきましょう。
1.【学び方の特異性】ディスレクシア(読み書き障害)
「知的能力及び理解力に異常がない」にも関わらず、文字処理(読み書き)だけが脳として上手くできない症状です。文字が反転してバラバラに見える人や、単語の区切りが分からない人など症状は多岐にわたります。
学校で上手くこなせるように物事を類推したり、一語の理解に多大な時間をかけたり家で並々ならぬ努力をしている人も多くいます。
知性と読解力は無関係なのに人よりも劣ったクラスに入れられたり、リーディングを増やすといった見当違いな補習を受けさせられるなど、周りの理解が得られず苦しむ方もいます。
2.【注意力散漫】ADD(注意欠陥障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害 )
注意力がなく、衝動的に行動してしまうといった症状です。
落ち着きがない、気が散る、忘れっぽい、ボーっとしていると馬鹿にされる中で育ってきた人も多くいます。計画性に欠陥があり、長期的な報酬の反応は乏しく短期的な報酬に強く反応することで症状が現れます。
ただし強く興味が惹かれればレーザー光線なみの集中力を発揮する(過集中)。
3.【不安】全般性不安障害、強迫性パーソナリティ障害、パニック障害、恐怖症
今後の可能性に対し四六時中、心配や恐怖で頭が常に一杯になってしまう症状です。
不安が大きくなると、人前に出ることや人付き合いなどに恐怖を抱き、回避行動や強いコントール欲求を生んでしまいます。
4.【憂うつ】うつ病、気分変調症、不快気分
長期の気分の落ち込みがみられる症状です。
全く何もできない状態になったり、攻撃的になり自己破滅を引き起こす場合もあります。
心の中の闇に落ちる感情的な脆さが日常を支配しており、いつ深刻な鬱になるかという恐れや不安を抱きながらバランスを取って生活をしています。
5.【気分の浮き沈み】双極性障害
陽気でエネルギーに満ちた軽躁状態と、底無しの懊悩の精神状態を行き来する症状です。
アイデアが次々と沸いてくる期間が過ぎ去れば、切れた電球のように燃え尽きたりもします。
軽躁状態は、睡眠意欲の減少、生産性の高まり、過剰な自身、人を惹き付けるカリスマ性などをもたらしますが、浪費をはじめとして、あらゆるリスクを冒すようになり、人間関係やキャリアが破壊されることにも繋がることもあります。鬱状態や操状態など精神的なバランスを取りながら生きていく辛さがあります。
6.【拡散的思考】シゾイドパーソナリティ障害、統合失調症、統合失調感情障害
他人への関心が乏しかったり、幻覚や妄想が現れる症状です。
現実との区別がつかない場合もあり、恐怖を覚え、消耗させられる苦しみがあります。喜びや安らぎを感じられなくなるだけでなく、症状が悪化すると認知機能低下(ワーキングメモリの機能低下、理解力や注意力低下、知性低下等)にも繋がります。
7.【関係性を持ちにくい】自閉症スペクトラム障害
認知機能や言語障害を抱える可能性があり、社会的交流の困難さや非常に強いこだわり(決まったこと以外をする苦痛)が現れる症状です。
ただ個人差が大きく、認知機能が低く自立して生きられる見込みのない人や極めて高認知機能を持つ人もいます。
社会性や認知機能の欠如により学校などの社会生活を生き抜くのに難しい場合が多いです。
私たちは子供に対してどう接するべきか?
日本の学校教育で良くみられるように、すべての子供に対して、あらゆることを皆と同じようにできるように期待する考え方が、脳の特異性を持つ子供の足かせになります。
XができなければYに進めないと頑なに信じ込ませるのは、子供の才能を蝕み、自信を失わせ、不安、羞恥心や無力感を育てる結果に繋がります。
できないことに注意を向けるのではなく、飛び抜けてうまくできる強みを探し出して励ましてあげましょう(特に脳の可塑性が高い子供時代に)。
読み書きができないのに読解力トレーニングの数を増やしたり、空想しないように集中力トレーニングを強いるなど脳の構造上、無意味であることを認めて個人の特徴を尊重し向き合ってあげましょう。そして、普通通りにできてないことに苦しんで頑張っている子供の努力を理解してあげましょう。
80%の時間は強みを伸ばすことに費やし、20%の時間で弱みに対処する時間配分を考え、弱みも周りがサポートできる環境を整えていくのが良いでしょう。子供と遊ぶ時間を多くとるようにして、何に没頭するのかを見極めつつ没頭できる機会を多く与えてあげましょう。
才能を発揮できず、認知障害などの負の側面だけに苦しむ人もいるのはなぜだろう?
「逆U字曲線」といわれますが、軽度から中程度の症状を有しているときが最も強みが発揮できる状態だと考えられます(*1)。そのため、やはり重度な症状の場合には才能の発揮が難しくなるかもしれません。
創造性とはある意味ぶっとんだ思考とも言えますが、いつも発揮できるわけではありません。創造性は脳内の秩序と無秩序の関係性がもたらします。
健常者の定型発達した脳は、認知を制御する集中的な思考と脳内で生まれる拡散的な思考のバランスがとれていますが、特異な脳はそうではありません。認知的な抑制の束縛が少ないからこそ、空想が促され創造的発想が生み出されます。
ただ、もちろん無秩序だけですと独創性はありますが、実用的である創造性には繋がりません。そのため、混沌との境界ギリギリで整理された思考を発揮する能力も必要となります。脳の特異性がなければ、平均以上の創造性が現れることは滅多にありません。常人を超えた創造力こそが今後日本の発展に大きな影響をもたらしていくのでしょう。
(*1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4112907/
まとめ
常人と脳の特異性を持つ人は、どんな環境でもたくましく育つ「タンポポ型」と、成長過程で問題を抱えやすいけれど、特定の環境下で美しく咲き誇り並外れた成果を出す「ラン型」に例えることができます。この2つの異なる多様性が、刻々と変化する環境下において人類の強さと広がりをもたらしたのでしょう。人類として互いに助け合って存在していることを忘れてはいけません。自分や他人を一個人として尊重し、共に未来を作れるような社会にしていきたいものですね。
ニーズがありそうでしたら、また書いていきたいと思います。
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