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本の雑貨店

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本(主に小説)に出てくる道具で、現代の生活では見たこともないようなもの、だけどなんだかすごく便利そうだったり、仕組みがどうなってるのか気になったり、ぜひ手に入れて使ってみたいと思…
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『ロスノフスキ家の娘』のシャツ

サラリーマンだった父は通勤電車でいつも何かしら本を読んでいた。池波正太郎とか藤沢周平の時…

tabiusagi
1年前
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「葉書でドナルド・エヴァンズに」の電話

詩人・平出隆の『葉書でドナルド・エヴァンズに』(作品社、二〇〇一年)は、オールタイムベス…

tabiusagi
1年前
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イルゼ・アイヒンガーのボタン

なぜかボタンというものが好きである。系統だてて集めているわけではないので、コレクターとは…

tabiusagi
1年前
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「オラクル・ナイト」の青いノート

(この文章はいわゆるネタバレを含みますのでご注意を) 二十年くらい前、ポール・オースター…

tabiusagi
4年前
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『大英博物館が倒れる』のスクーター

最近になって二巻からなる長大な自伝を発表したディヴィッド・ロッジ。この人の書く小説の多く…

tabiusagi
4年前
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コレットの自転車

昨年、ひっそりと出版されていた『コレットの地中海レシピ』(シドニー=ガブリエル・コレット…

tabiusagi
4年前
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『薔薇ぐるい』のカセットテープ

5月は近所の庭先で薔薇が咲くうれしい季節。今年の春は遠出を控えなければならず、ご近所散歩が特に貴重な外出の機会だったので、満開の薔薇はいつも以上に心の慰めとなった。 薔薇の季節に相応しく、清岡卓行の小説『薔薇ぐるい』を再読してみた。美しい薔薇の絵を印刷した紙でできた箱に、同じ柄で装幀されたハードカバーの本(小説)と、白い装幀(しかし見返しは小説と同じ薔薇の絵の紙!)の清岡卓行編「薔薇の詩のアンソロジー」が一緒に収まっているという、とても贅沢な本。 主人公は五十代半ばの大学

『抱擁』の索引カード

戦後の英国文学を代表する作家A.S.バイアットの『抱擁』を初めて読んだのは、グウィネス・パル…

tabiusagi
4年前
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『ボートの三人男』のヤカン

ジェローム・K・ジェロームの『ボートの三人男』は長年の愛読書です。最初に中公文庫を購入(…

tabiusagi
4年前
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ゼーバルトの《ティーズ・メイド》

小説に出てくる気になるモノを集めてみよう、と思いついたのは、ゼーバルトの『アウステルリッ…

tabiusagi
4年前
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シュティフターの「ブドー酒を冷やす道具」

小説に出てくる道具で、現代の生活では見たこともないようなもの、だけどなんだかすごく便利そ…

tabiusagi
4年前
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