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「車でお遍路」第79番札所 天皇寺(崇徳上皇や日本武尊ゆかりの伝説)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、79番目のお寺は、

金華山きんかざん 高照院こうしょういん 天皇寺てんのうじ


78番札所の郷照寺から約7.6㎞、車で約20分の場所、

郷照寺から香川県道33号高松善通寺線でほぼ一本道。標識さえ見逃さなければ間違えることはない場所、天皇寺は金山の麓に神社の隣りに静かに佇んでいる

天皇寺という寺号に驚くが、もとは崇徳上皇すとくじょうこうを祀る崇徳天皇社(現白峰宮)の別当寺
現在は、第81番札所白峰寺に崇徳天皇の陵墓があり、京都白峯神社(白峯宮)に祀られている。

崇徳上皇は、保元元年(1156年)に京都で起きた保元の乱で敗れ讃岐に流され約9年間過ごした後の長寛2年(1164年)に崩御、同年に二条天皇が鎮魂のため崇徳天皇社を建立。

この近くには八十場やそばの霊泉があり、崇徳上皇や日本武尊にほんたけるのみことゆかりの伝説がある(後述)。

では、崇徳天皇ゆかりの札所「天皇寺」へ参りましょう。

境内は広く閑散としている 右側には白峰宮への参道、正面には本堂と大師堂


ご詠歌

十楽の うき世の中を たづぬべし 天皇さえも さすらいぞする


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 天平年間(729-749年)、この地を巡錫中の行基菩薩は、金山毘古神かなやまびこのかみ金山毘売神かなやまびめのかみの鎮座する金山の中腹に堂宇を建立薬師如来を御本尊として安置、「金山摩仁珠院」として創建

  • 弘仁年間(810-824年)、この地を巡錫中の弘法大師は、金山権現に出逢い御神水と感応した八十場の泉で育った霊木で十一面観世音菩薩、愛染明王、阿弥陀如来の三尊像を彫り堂宇を再興して安置して開基
    金華山・摩仁珠院・妙成就寺と名付け札所とする

  • その後、七堂伽藍を整え二十余坊の僧坊を構えるほど隆盛

  • 保元元年(1156年)、京都で起きた保元の乱で敗れた崇徳上皇は、讃岐に流され約9年間過ごした後の長寛2年(1164年)に崩御

  • 長寛2年(1164年)二条天皇は崇徳上皇鎮魂のため崇徳天皇社(現白峰宮)を建立

  • 寛元2年(1244年)後嵯峨天皇の勅旨により崇徳天皇社は再興、摩仁珠院妙成就寺は別当寺となり、崇徳院永代供養の寺となった

  • 天正年間(1573年~1592年)天正の兵火焼失

  • 天和2年(1682年)再興

  • 明治元年(1868年)神仏分離令により廃寺

  • 明治20年(1887年)、天皇寺は再興して現在に至る


崇徳上皇すとくじょうこう日本武尊にほんたけるのみことゆかり伝説

崇徳上皇すとくじょうこう伝説】

崇徳上皇崩御の後、崇徳上皇の亡骸の処遇につき京の都からの指示を待つ間の21日間、八十場の霊水に浸し清水を掛け続けて保管したところ、上皇のお顔はまるで生きているかのようであった。
そして、東200mの場所で神光が放たれ毎夜森が光ったという。

日本武尊にほんたけるのみこと伝説】

瀬戸内海を荒らした悪魚退治をした日本武尊にほんたけるのみことは、八十八名の兵士と共に傷つき毒にあたり気を失ったが、この霊水を飲んで回復したという。(八十場やそばという名称はその八十八名が由来という)


寺号について

  • 寺号について
    ・・・崇徳上皇を祀る崇徳天皇社の別当寺であったことから、「天皇寺」と呼ばれ寺号になったという


ご利益

  • 御本尊の十一面観世音菩薩
    ・・・10種の現世利益(十種勝利)4種の後世利益(四種果報)。(様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利等の現世利益と延命、極楽浄土等への後世利益)


御本尊・ご真言

本尊:十一面観世音菩薩
真言:おん まか きゃろにきゃ そわか


見どころ

  • 本堂
    ・・・御本尊に十一面観世音菩薩を祀るが、本堂正面の扁額には「金剛界説法」、背面には「胎蔵界説法」となっており、本堂両面を参拝することを習いとしている

  • 白峰宮(天皇寺の外)
    ・・・旧崇徳天皇社であり、同じ境内にある(現在、崇徳上皇の御霊は京都白峯宮に移されている)

  • 三輪鳥居(天皇寺の外)
    ・・・鳥が羽を広げたような珍しい鳥居(画像取り忘れました)

  • 八十場やそばの清水(天皇寺の外)
    ・・・約500m先にある伝説の泉、八十八や八蘇場や八十蘇場と表記されることもある

白峰宮(旧崇徳天皇社)は同じ境内にあります

写真


次は、第80番札所国分寺こくぶんじへ参ります。

2022年8月8日投稿
2022年10月11日改訂

合掌

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