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「車でお遍路」第80番札所 国分寺(四国唯一特別史跡の札所)
こんにちは、旅いこかです。
四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、80番目のお寺は、
白牛山 千手院 国分寺
80番札所の天皇寺から約7.1㎞、車で約15分の場所、
国分寺も天皇寺と同じく香川県道33号高松善通寺線の通称丸亀街道でほぼ一本道で高松市に入る。標識さえ見逃さなければ間違えることはない場所、国分寺は讃岐の山あいの中に静かに佇んでいる。
長旅だったお遍路もようやく八十番台となり結願が見えてくる。
この讃岐香川にある国分寺は、四国霊場の各道場にある「発心の道場」第15番札所は阿波徳島の国分寺、「修行の道場」第29番札所は土佐高知の国分寺、「菩提の道場」第59番札所は伊予愛媛の国分寺、に続き最後の「涅槃の道場」。ようやくここまで来たと感慨深い。
因みに、他の国分寺と区別するため、この地の国分寺を讃岐国分寺とも称する。
讃岐国分寺跡は、広大な敷地に創建当時の伽藍跡など遺構の保存状態も良いことから、境内全域が四国で唯一となる国の特別史跡に指定。
また、本堂、木造千手観音立像、銅鐘、は国の重要文化財に指定されている。
では、四国で唯一の特別史跡のある札所「国分寺」へ参りましょう。
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ご詠歌
国を分け 野山をしのぎ 寺々に 詣れる人を 助けましませ
お参りする前に知っておいた方が良い知識
歴史
天平13年(741年)、聖武天皇の勅願で行基菩薩が十一面千手観世音菩薩を彫り御本尊として開基
創建当時から、広い境内に七重の塔、金堂、講堂等の諸堂があったという天平勝宝8年(756年)、聖武天皇崩御の年に「続日本紀」には「讃岐国を含む26ヶ国の国分寺に仏具等を下賜する」と書かれている
弘仁年間(810-824年)、この地を巡錫中の弘法大師は、御本尊の十一面観世音菩薩の補修や諸堂を修復して札所とする
明徳2年(1391年)、真言律宗の総本山である奈良西大寺の末寺となる
天正年間(1573年~1592年)、天正の兵火により、本堂と御本尊と梵鐘を除き殆どすべてを焼失
江戸時代(1603-1868年)、高松藩主生駒家・松平家からの庇護を受けて再興、現在に至る
梵鐘の伝説と実説
讃岐国分寺の梵鐘は、奈良時代の創建当時に鋳造された四国最古の銅鐘であり国の重要文化財に指定されている。
この梵鐘には、実説と伝説がある。
【伝説】
当地の村人を困らせていた鐘を冠った大蛇に対し、弓矢の名人戸次八郎が国分寺御本尊の千手観世音菩薩に祈願をして矢を放つと大蛇を退治することが出来た。
八郎はその鐘を祈願成就の鐘として讃岐国分寺に奉納したという。
【実説】
慶長14年(1609年)2月2日、国分寺の再興に努めた高松藩主生駒一正公は、この梵鐘を高松城の時鐘とするため領地を寄進して城中へ運び入れたところ、鳴らないばかりか城内外に怪異が起き悪疫が流行。
一正公も病に伏したところ、毎夜鐘が夢枕に立ち「もとの国分へいぬいぬ」と泣いたという。
これは鐘の祟りに相違ないと恐れられ同年3月14日に国分寺に返した。
その後は、全ての事象が治まり、国分寺で再び美しい音色を響かせたという。
当時詠まれた歌が、鐘楼の柱に記されている。
「かねがものいうた 國分のかねが 元の國分へ いぬというた」
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寺号について
寺号について
・・・「国分寺」は、聖武天皇が天平13年(741年)に国家安穏と五穀豊穣と万民豊楽を願う祈願所として、また地方文化の発展を願って全国各地に命ずる「国分寺建立の詔」の発布により建立院号について
・・・御本尊の十一面千手観音像から
ご利益
御本尊の十一面観世音菩薩
・・・10種の現世利益(十種勝利)と4種の後世利益(四種果報)
(様々な災難、病気治癒、財福授与、勝利等の現世利益と延命、極楽浄土等への後世利益)さぬき七福神の弁財天
・・・美と金運と芸事の上達、財運福徳にご利益良縁社
・・・夫婦円満・良縁にご利益
御本尊・ご真言
本尊:十一面観世音菩薩
真言:おん まか きゃろにきゃ そわか
見どころ
広大な境内を歩きながら、国分寺の歴史と共に当時の栄華に思いを馳せる。
境内全域 【特別史跡】
・・・四国で唯一となる国指定の特別史跡、七重塔の遺構(礎石)本堂 【重要文化財】、十一面千手観音立像 【重要文化財】
・・・御本尊に十一面観世音菩薩(60年に一度の御開帳、次回は2040年)を祀る銅鐘 【重要文化財】
・・・四国最古の梵鐘 上記伝説の通りさぬき七福神(弁財天)
・・・さぬき七福神で、国分寺は弁財天を祀る。弁財天は七福神の中で唯一の女神であり、豊穣の女神と言われている。水かけ地蔵
・・・水をかけて供養することで、お地蔵さまの救いを求める良縁社
・・・愛染明王を本地仏とする神さまを祀る願掛け金箔大師
・・・大師の石仏に金箔を貼り願い事をする
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写真
おまけ
次は、第81番札所白峯寺へ参ります。
2022年8月9日投稿
2022年10月11日改訂
合掌