「車でお遍路」 お遍路用語ガイド
「車でお遍路」によくでてくる用語、またお遍路でよく耳にする用語を書き出してみました。
各札所の記事で気になった際には、ご活用いただければ幸いです。
【ア行】
・一の宮
・・・「一の宮」とは、和銅年間(708-715年)に原則律令国一国に一社のみ制定された諸国で最も格式の高い神社のこと
・一国参り
・・・お遍路を一度にすべて巡礼するのではなく、阿波(徳島県)、土佐(高知県)、伊予(愛媛県)、讃岐(香川県)、と一国づつ分けて参拝すること
・衛門三郎
・・・お遍路の元祖。大師に懺悔するために巡礼をはじめ、21回目の巡礼(逆打ち)で漸く大師に会うことが出来た
・役行者小角
・・・奈良時代の山岳修行者で修験道の開祖 役行者小角が四国八十八ヶ所霊場に開基した札所は4ヶ寺(第12番焼山寺、第47番八坂寺、第60番横峰寺、第64番前神寺)
・お接待
・・・地元の方がお遍路に対して行う施し(食事やお菓子や宿などの提供)のことで、お接待をすることにより間接的にお遍路に参加したこととなり功徳を得られるとされる
なお、お接待を受けたら感謝のしるしに納札をわたす習慣がある
【カ行】
・開基
・・・もともと何も無い地に仏寺を最初に建立すること
四国88ヶ所霊場を開基した人は、弘法大師が最も多く、次いで行基菩薩、3番目が役行者小角
・伽藍
・・・僧侶が集まって修行をする清浄かつ閑静な場所
・逆打ち
・・・第88番札所から反時計回りに降順に札所を参拝すること
・行基菩薩
・・・飛鳥時代から奈良時代にかけて活動日本の仏教僧、主として近畿内で仏教の布教活動と社会事業に尽力 日本最初の大僧正となる 四国霊場では弘法大師に次ぎ26ヶ寺を開基
・功徳
・・・善行による功能福徳 御利益
・恵果和尚
・・・中国唐代密教の高僧
大師は、永貞元年(805年)に唐長安(中国西安市)の青龍寺で真言密教第七祖の名僧恵果和尚に師事
・結願
・・・八十八ヶ所すべての札所への参拝が終了すること 満願ともいう
・弘法大師
・虚空蔵求聞持法
・・・真言を1日1万遍づつ100日かけて100万遍唱えるという厳しい難行 弘法大師は、第21番札所太龍寺では記憶力と判断力を身に付ける秘法を体得する
・国分寺
・・・聖武天皇が、天平13年(741年)に仏教による鎮護国家を目的に国家の安泰を祈願して「国分寺建立の詔」を発し全国各地に建立した寺院で四国霊場では各県にある(徳島県阿波第15番、高知県土佐第29番、愛媛県伊予第59番、香川県讃岐第80番)
国分僧寺と国分尼寺とあり、建立地については、地理的条件・都市計画的条件・政治的条件、と厳しい条件を満たして選定をする。
・五鈷杵
・・・独鈷杵を参照
【サ行】
・三鈷杵
・・・独鈷杵を参照
・七堂伽藍
・・・伽藍の中で主要な建物を言う
本堂(本尊を祀る中核の御堂)、塔(仏塔)、法堂(講堂)、経蔵(経典などを収蔵する御堂)、鐘楼(梵鐘を吊るす御堂)、僧房(僧侶の居住する御堂)、食堂(僧侶が食事をする御堂)、など主要な御堂が整備されていることを指す(宗派によって異なる)
・順打ち
・・・第1番札所から札所番号順、時計回りに順番に札所を参拝すること
・修験道
・・・日本古来の山岳信仰で、山にこもり厳しい修行をすることで超自然力を獲得して悟りを開く道
・(ご)真言
・・・仏さまの真実の言葉。
ご真言を唱える場合は、サンスクリット語の発音を唐で漢字にして日本語読みでそのまま発音するため呪文のように聞こえる。
声に出して唱えることで、御利益や功徳をが得られるという。
・関所寺
・・・「関所寺」とは、大師が見張り「邪悪な心を持つ人は天罰が下り、山門から先へ進めない」と云われる場所
四国霊場の4つの関所とは、「阿波の関所寺」は第19番札所立江寺、「土佐の関所寺」は第27番札所神峯寺、「伊予の関所寺」は第60番札所横峰寺、「讃岐の関所」は第66番札所雲辺寺
・神仏分離令・神仏習合
・・・明治元年(1868年)、明治政府が天皇中心の国家を作るために神仏習合を禁じ神道と仏教の分離を目的とした太政官布告
・先達
・・・お遍路の道先案内人のこと お遍路を4回以上巡拝していることが資格の条件で、寺の縁起やエピソードなどを熟知している必要がある 四国八十八箇所霊場会により公認される
【タ行】
・大師堂
・・・四国霊場では弘法大師を御本尊として祀る御堂(大師号を贈られた僧侶を祀る御堂)
・大日寺
・・・大日如来を御本尊とすることから名付けられ、四国霊場には、第4番札所、第13番札所、第28番札所、と3ヶ寺ある ただし、第13番札所大日寺の御本尊は神仏分離令の影響で十一面観世音菩薩となった。
・玉依御前
・・・弘法大師の母親で佐伯善通の妻、第18番札所恩山寺で出家をする
・長宗我部元親
・・・戦国大名で土佐を統一後、四国全土を統一するため「天正の兵火」を起こす 各地の豪族と戦い、四国全土を統一したものの最後は豊臣秀吉に破れ降伏、土佐一国のみ領有を許された
第66番札所雲辺寺には、長曾我部元親の四国統一に向けた僧侶との裏山問答伝説がある
・通夜堂
・・・歩きお遍路のために用意した札所の寺内にある無料の宿泊所
・天正の兵火
・・・戦国時代、天正年間(1573年~1592年)に起った戦乱
・同行二人
・・・お遍路の際、一人で歩いていても常に「お大師さん(弘法大師)」と一緒に巡礼、お大師さんがついていて守って下さるという思い
・独鈷杵
・・・古来はインドの武器で、仏教では煩悩を打ち砕くという意味の金剛杵(仏具)の一つ。両端が一本のものを独鈷杵、三本のものを三鈷杵、五本のものを五鈷杵という
大師が唐で真言密教の修行中に霊地に投げた三つの金剛杵、独鈷杵は第36番札所青龍寺、三鈷杵は高野山、五鈷杵は足摺岬に落ちたという
【ナ行】
・南無大師遍照金剛
・・・「南無」は帰依する(信じて従い教えのままに生きる)という意味、「遍照金剛」は弘法大師が恵果和尚から授かった灌頂名(大日如来の別名でもある) 従い、「弘法大師を信じて従い教えのままに生きます」という意味
【ハ行】
・廃仏棄釈
・・・神仏分離令から「仏教を廃し釈迦の教えを棄却する意」となった、明治政府の神道国教化政策に基づいて起こった仏教の排斥運動との解釈
・補陀落
・・・インドの南海岸にある八角形の山の形状で観世音菩薩が降臨する理想の聖地をいう(第38番札所金剛福寺、第87番札所長尾寺)
・札所を打つ
・・・札所を参拝することをいう 現在は紙の納札を納札箱に入れるが、昔は木の納札を御堂などに打ち付けていたことが「打つ」の由来
・別当寺
・・・明治元年(1868年)に神仏分離令が発せられる以前、神社を管理運営するために置かれた寺院のこと
・遍路ころがし
・・・お遍路さんが転倒する(転げ落ちる)ほど極めて過酷で険しい難所
有名な「遍路ころがし」は、第12番札所焼山寺、第20番札所鶴林寺、第21番札所太龍寺、第60番札所横峰寺、第66番札所雲辺寺、第81番札所白峯寺
・本堂
・・・御本尊を安置する御堂 高野山など「金堂」ともいう
【マ行】
ー
【ヤ行】
ー
【ラ行】
ー
【ワ行】
・脇侍
・・・本尊の両脇または前後に侍する仏さま 「脇仏」ともいう
合掌