「車でお遍路」参拝時のお作法(読経)
こんにちは、旅いこかです。
これまで第10番札所の切幡寺までご案内してきましたが、このあたりで参拝時のお作法のうち読経(お経を唱える)について。
私はお気軽なお遍路でも読経だけはしたい、だけど始めるにあたりどうしていいかわからない、と悩んでいました。
同じように、情報が多すぎることで悩んでらっしゃる方も多いと思います。
そこで、私がお寺で教えて頂いた読経の方法についてお伝えします。
因みに、「車でお遍路 参拝時のお作法」はこちら ⇩
お遍路さんでの読経について
四国八十八箇所霊場すべての札所に、本堂(御本尊を祀る)と大師堂(弘法大師を祀る)があります。
読経は、それぞれのお堂の前でします。
まず、読経をするためには、
経本を購入しましょう(私の経本は「仏前勤行次第」で500円でした)。
読経は、経本を読みながら唱えることが礼儀であり読むだけなので安心、そして難しい言葉も次第に慣れてきて理解できてきます。
心が洗われますので、気軽にお遍路であっても、せっかくなので読経をおススメします。
本堂と大師堂では
ここでは、唱え方の順番と意味を記します。
おおよそのお経の意味を知ることで、だんだん理解が深まってくると思います。
なお、唱えるお経については、経本でご確認ください。
(以下△印は、一日の最初と最後の札所で唱えます)
1.合掌礼拝
胸の前で合掌をして三礼しながら唱えます。
仏さまにお経を唱える意思表示です。
2.開経偈
読経に入る前に仏さまの教えや仏や菩薩の徳をたたえるために唱えます。
△3.懺悔文
過去の自分の過ちは自身から生じたものであり、仏さまの前で懺悔反省する。
△4.三帰(3返唱えます)
未来永劫に、仏、法、僧、の仏道に帰依すると唱えます。
△5.三竟(3返唱えます)
未来永劫に、仏道を続けると唱えます。
△6.十善戒(3返唱えます)
未来永劫に、十善戒※を守り続けると唱えます。
※十善戒:殺生、盗み、ふしだらな行為、嘘、へつらい、悪口、二枚舌、欲深い心、嫉み心、邪心、の10の戒め
△7.発菩提心真言(3返唱えます)
菩提心を起こす、仏道で悟りを求めようと決心することを唱えます。
△8.三摩耶戒真言(3返唱えます)
仏さまと三位一体となって即身成仏の道を歩むと唱えます。
自ら仏になるという強い誓い。
9.般若心経
「深い智慧によって悟りに至るための重要な教え」であり、世の中が空であるという完全なる悟りを得て、苦しみから解放されて安らかに生きることを意味する。
10.御本尊真言(7返唱えます)
⇒本堂では、各札所で奉られている御本尊の真言を唱えます。
大師堂では省略。
11.光明真言(3返唱えます)
永久に無限の恵みをもたらす光によって、暗い迷いを転じて悟りを導くよう唱えます。真言宗で最も大切にされているお経で、大日如来の真言。
12.大師宝号(7返唱えます)
南無大師遍照金剛
南無は感嘆詞(あゝ)、大師は弘法大師、遍照金剛(弘法大師が唐で恵果和尚から戴いた称号)を唱えます。
すなわち、「あゝ、弘法大師さま」と帰依することを意味します。
13.回向文
仏さまの功徳を多くの他の人に向けて、みなが共に仏道を成就するために唱えます。
14.お願い事
自身の願い事を伝える。
15.合掌礼拝
胸の前で合掌をして「ありがとうございます」とお礼。
最後に
読経をするには、経本をお買い求めになることをお勧めしますが、買わなくても一番札所の納経所横の売店で無料で戴ける「四国遍路 作法とお経の意味(百万人に、お遍路を伝える会著)」にも掲載されています。
それぞれの経文は経本でご確認願います。
読経は、最初は戸惑いますが、慣れると心が安らぎ楽しくもなりますので、初めての方も気楽に唱えてみては如何でしょうか。
読経の作法や意味の解釈には、多少の違いがあるようですのでご了承願います。
この記事が、お気軽に「車でお遍路」を楽しむことの一助になれば幸いです。
合掌