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「OKR」の普及を確信したビジネス書3冊

株式会社タバネルはOKR(Objectives and Key Results)の導入や運営の支援コンサルティングを行っていますので、お問い合わせやセミナー申込数から注目度の高まりを実感しています。

さらに今年夏~秋に発売された一般の経営やビジネスに関する書籍、雑誌の中でOKRが多く取り上げられることが増えていることからも客観的にも普及していることは間違いないでしょう。

今回は、OKRが拙著「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」など専門の解説書ではないビジネス書においてどのような文脈で語られているか、をまとめてみました。

週刊ダイヤモンド 2019/9/28

本号の特集は「新時代版ビジネスフレームワーク集」
論理と創造の両輪から新しい価値が生まれるため、それらをもたらすためのフレームワークやキーワードが取り上げられています。

OKRは論理的思考のフレームワークの一つとして取り上げられています。OKRの基本概念や会社ー部門ー個人のOKRをツリー図も用いながら解説しています。OとKRを設定して、その実現に向けて、組織、チーム、個人が努力するというベクトル合わせ、や個人の現在地の把握をするためのものというのが解説の中心です。
多くのフレームワークの中の一つとしての解説ですので、基本的な内容になっています。

ただし、解説だけではなく、日経電子版のプロダクトマネージャー武市氏がOKRを導入した理由についてのインタビュー記事が掲載されています。

日経電子版の開発内製化をするなかでOKRの導入理由は2つあるとこのことです。

①順調に伸びてきた会員数を大きくドライブするために、目標を明確にて共有し効率的に成果を上げるため。

②もう一つが開発サイド、ビジネスサイドがお互いが今、何のために作業しているか分からない状況になり、その壁を壊して全員で同じ目標に向かうため。

そしてこのようにも語っています。

OKRの良い点は、目標が可視化できること。定性的なものも定量的なものも可視化できます。組織内の壁を越え、全員で事業的な目標に向かうことに適しています。

ちなみに、さらにこの事例について詳しく知りたい方は下記の記事も参考になります。


会社の問題発見、課題設定、問題解決

経営には理想の将来像(ビジョン)を掲げる重要性とその方法、そして掲げた将来像を実現するためのデータ分析について書かれています。

本書の序章では、問題発見~解決に至る2つのアプローチを解説しています。

「ビジョンアプローチ」
理想的な将来像を描くことで前向きに取り組める。将来からの逆算だからこそ成長できる。

「ギャップアプローチ」
定量目標で、過去の延長線上に達成できそうな目標が設定されることが普通。

本書ではビジョンアプローチの重要性を説いています。
その中で掲げた理想を達成させるためのマネジメント手法の一つが「OKR」です。

OKRを運用するときに大切なのは、Objectiveはもちろん、週次のアクションに至るまで、ビジョンに沿ったものであることを確認することです。

そして、2つ目のマネジメント手法として「Accomplishment Session(振り返りの機会)」を上げています。金曜日の夕方にうまくいったことのみを共有し達成を祝う機会です。反省点は翌週月曜日に取り扱うとのことです。これは「ウィンセッション」と同じ役割と考えられるでしょう。

OKR自体の運用もそうですが、Accomplishment Sessionはチームの一体感の向上に大きな効果があります。

3つ目として「働くメンバーのコンディションのモニタリングと改善」が挙げられています。筆者の会社ではHAPPY、疲れている、落ち着いている、モヤモヤなど精神状態を記した「ムードボード」に付箋を貼り、自分の状態を自己申告し、必要であればコーチングなどをしているそうです。

ど素人でもわかる経営学の本

タイトルにある通り経営学を分かりやすく解説しています。まず良い会社のあり方を模索するために発展した経営学であることと、6つの分野に分かれていると書かれています。

・新しい事業を創造する「イノベーション論」
・売れる仕組みをつくる「マーケティング論」
・事業のかたちをつくる「事業システム論」
・会社の方針を描いて決める「経営戦略論」
 ・自分の働き方を考える「組織行動論」
・会社を動かす仕組みを知る「経営組織論」

各分野で必要な考えについて、身近かつ最近の事例で解説しています。

OKRは「経営組織論」にある「評価制度」の項目で触れられています。

目標管理が発展する中で目標の数値ばかり重視されることに弊害がでてきたことについてこのように書かれています。

本来、数字の背景には、顧客の喜び社会課題の解決といった重要な会社の理念があるはずですが、従業員が何のための数値目標なのか分からなくなってしまったのです。

その解決策の一例としてOKRが挙げられています。

数字だけでなく、その背後にあるものを理解する目標設定・管理ツールとしてOKRがある

最後に

経営、ビジネスを語る中で、目標や組織は欠かせないテーマでしょう。ビジョンや高い目標を設定すること、そして組織のメンバーが協力してその達成を目指してこそ、組織もメンバーも成長します。

働き方、価値観が多様化し、市場環境が変化する中、OKRが日本で注目度を増し普及していく段階に今まさにあるのかな、と感じた3冊について今回は取り上げました。

さらにOKRを詳しく知りたい方は、拙著をお読みいただければ嬉しいです。