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日々の五感(昼前)


オレンジ色の車両から降りて、階段を下り、ピッという音と共に腰あたりの高さの小さな扉が開き、通り抜ける。

80年代の音楽の上から、街の巨大モニターの音がかぶさってくるが、何を言っているかはわからない。陽に当たることで季節を感じ、少しにこやかになれる。
緑のアーケードの中の赤いファーストフード店。
黄色の靴屋。それらを眺めながら、耳からのBPMとリンクして歩く。

5段の階段を上がりガラス扉を開けたら、茶色の定期入れからIDを出してリーダーに読ませ、

「おはようございますっ」軽い会釈と共に通り抜ける。「うどん」は外してある。

5段の階段を下り「↑」のボタンを押す。「チンっ!」という古めかしい音と共に「ガタンっ。」重い音。銀扉が開く。乗る。「5」を押す。鉄の匂いが微かにする。防火扉を開けて、エスカレータに乗り現場へ。

やや騒がしいと感じる音と極彩色な色味がいつものように出迎える。

いつもの昼が始まる。

※日々の五感(朝)はこちらから


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