#介護疲れをなくしたい
みなさん、こんにちは。
今日は、#介護疲れをなくしたい というハッシュタグを見つけました。認知症の人の介護で疲れる要因とその軽減方法について、石原なりに書いてみたいと思います。
介護疲れの要因
介護はなぜ疲れるのか?そんなことを考えてみました。当院での相談の内容で多いものを順不同で上げてみます。
心理的負担
認知症の人の介護疲れの要因で一番よく聞くのが、予測通りにいかないことによる困惑です。最初は買い物で同じものを購入する等の些細なことですが、食事を作っていてもうまくできなくなる、金銭管理ができていない、高額な通販を購入、車の運転で事故にあう、転ぶ、入院する、通院する、排泄のケアがうまくいかないなどなど、予測外のことが多数起こることで、介護者がいらだっている話をよく伺います。
身体的負担
身体的負担は、介護疲れの中でもかなり大きいと思います。家に戻ってこない時に迎えに出たり、おむつ交換や、排泄の失敗の処理なども起こります。それをだれにも頼らないでやっておられる方は、身体的な負担をおっしゃる方が多いです。息子さんや娘さんが同居している場合、介護保険でヘルパーの利用による生活介護が受けられなくなります。必ずしも同居家族がケアを担えるわけでもないので、難しいです。
また老々介護はもちろんのこと、子世代、孫世代が介護するなど年齢層もさまざまです。70代の子が90代の親を介護していることも少なくありません。それ以下の世代だと、子育てと介護の両立が必要な方も多くなっています。
睡眠不足
介護者は、自分の仕事や生活上必要なこともしなければいけません。何人分もの生活を担うことにより、オーバーワークとなり、介護者の睡眠が不足していきます。
睡眠不足は、いら立ちの要因にもなりますし、介護者自身が良いパフォーマンスを出せないことからいらだつことも多いです。
経済的負担
今の70代以降の方であっても、社会保障制度の変更により自己負担額が増えています。また、一つ一つのサービスの単価も上がっていますし、生活費もかかるようになってきています。子世代、孫世代が援助している家庭も少なくありません。
支援が合っていない
介護が自分の手だけでは無理とわかると、病院などで相談し、包括支援センターを紹介されます。そこで介護者はいまの窮状を説明します。そうすると、介護者を支援するような方法を一生懸命考えてくれます。
ただ、必ずしも介護者を支援するようなサービスが、本人に合うわけではありません。本人が嫌がりストレスになると人間関係が悪化して泥沼化していきます。
支援不足
提案された支援が本人に合わずうまく利用できなかったり、認知症のことを「恥」「隠さなければいけないこと」として偏見をもっているご家族もおられます。相談に来られても、支援自体を受け入れない場合も多いです。
支援者側ができること
支援者側が話しやすい関係性を築く
まず、認知症の人の生活の障害を家族だけで完結させようとすることは、これからの長い生活の中で困難であると考えます。家族だけで考えるのではなく、信頼おける近所の人や専門職などにも相談しながら、介護していくことが大切です。
基本的に本人への支援を行う
家族が楽になるような支援というと、真っ先に思い浮かぶのが施設が認知症の人を預かるような支援になると思います。
預かる支援は、預かってもらっている間は介護者にとっては楽になるかもしれません。しかしそうではない自宅にいる時間の解決には何もならないことが多いです。自宅で過ごしている時間をどのように良い状態で生活できるかに注目をすることがもっとされてもよいと思います。
つまり本人への支援と施設利用の両立です。
Making sure nobody faces dementia alone.
誰ひとり認知症に一人で向き合わないようにする
これは、スコットランドアルツハイマー病協会のスローガンです。これは本当に大切なことだとおもいます。ほとんどの家族は、認知症の人と生活を共にしたことがありません。たとえ生活したことがあっても、心理的に、身体的に負担に思うことが多いと思います。これは、他の人にしゃべったり、手助けを借りることでずいぶん軽減されます。
認知症に一人で立ち向かわず、いろいろな人の力を借りながら、認知症の人も家族も笑顔で過ごせる時間を少しでも増やせればと思っています。実際、こうやって認知症の人や家族と現状を打開しようと様々な人とのつながりを作ってもがくと、それなりの生活が維持できることもあります。認知症当事者の佐藤雅彦さんは「認知症になっても不便ではあるが不幸ではない」と記しています。
同じ境遇の当事者、周囲の人や専門職と一緒に考えていきましょう🍀
認知症の書籍を出版した記念にZoomで無料講演を行うことになりました。
1月17日19時から20時です。
内容は、出版社からのリクエストで新薬とターミナルケアという壮大なものになっていますが、両方について考えていることを一般の人や介護職の方向けにお話ししようと思います。
詳細やお申し込みは以下よりお願いします。
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