「腸もれ」が引き起こす「3つの疲労」:リーキーガット&リーキーブレイン、脳疲労・肝臓疲労・副腎疲労
なぜ疲れやすいのでしょう?
いろんな理由がありますが、原因は「腸」かもしれません。
https://www.dr-okudaira.com/post/leaky_gut_and_three_fatigue
グルテンなどにより、小腸の上皮細胞からのゾヌリンが分泌され、小腸の上皮細胞間の密着結合(タイトジャンクション)を緩めます。こうして、腸管の透過性が亢進することを、腸漏れ(リーキーガット)と言います。
それにより、細菌や毒素、未消化のタンパク質などの異物が入る異物が体内はいるようになり、免疫に異物と認識されて、慢性炎症を引き起こします。
【腸肝相関】
異物が門脈を通って肝臓に到達すると、長期には、肝臓の負担、肝臓の炎症の原因になってしまいます。
肝臓は、解毒、そして、胆汁酸を生成をするところなので、肝臓の本来の仕事が十分にできないと、慢性疲労、小腸内細菌の異常増殖SIBO(しーぼ)などのリスクにもつながる可能性が出てきます。SIBOは、リーキーガットのリスクになります。
肝臓は糖を作り出す糖新生もしていますね。
【腸脳相関】
小腸の粘膜上皮細胞間の密着結合(タイトジャンクション)は、ゾヌリンというタンパクが調整していますが、腸から分泌されたゾヌリンが血管を通って、脳の血液脳関門の透過性を亢進させる可能性があります(リーキーブレイン =脳漏れ)。
つまり、腸の炎症が脳の炎症につながる可能性があるということです。
脳の炎症は、うつなどの精神症状や・認知機能の低下などの原因になります(腸疲労)。
リーキーガット(=腸管の透過性の亢進)は、慢性疲労症候群、うつ状態、炎症性疾患、関節炎、過敏性腸症候群、食物アレルギー、肝機能低下、湿疹、乾癬、にきび、化学物質過敏症など、多くの病状に影響する可能性が示されています。
リーキーガットの原因は様々です。慢性的なストレス、アルコール多飲、低胃酸に伴うSIBO、カンジダ、グルテンなど・・・
【副腎脳相関】
また、長期的な慢性炎症は、副腎皮質から分泌されるコルチゾールが火消しに頑張ります(過剰分泌になる)が、長期的には、副腎は疲れてきて、副腎からの分泌も低下してきてしまいます。
ストレスに伴う副腎からコルチゾールの分泌過剰は、脳の海馬の萎縮につながます。そのため、それを守るために脳は、フィードバックにより、次第にコルチゾールの分泌を減らすようにしていきます。
コルチゾールは、ストレス回復ホルモン(抗ストレスホルモン)です。
低血糖や低血圧などの生体のストレスを軽減させてくれていますが、分泌低下により、徐々にそのシステムが低下してきてしまいます(副腎疲労)。
低血糖は、副腎髄質からのアドレナリン分泌でカバーしようとします。
このような慢性的な交感神経過緊張状態は、慢性疲労、うつ状態につながります。
様々なストレスに適応するために、副腎からのコルチゾールが過剰分泌になっていたり、長期的には疲弊してコルチゾール分泌が低下しているにも関わらず、副腎から脳に適切なフィードバック(ネガティブフィードバックや、ポジティブフィードバック)がかからずに、コルチゾールの分泌を適正化できことが問題になります。
難しい言葉でいうと、視床下部(H)と下垂体(P)と副腎(A)の連携がうまく取れないことを「HPA軸の調節機能障害」と言います。
副腎疲労では、ビタミンCの需要が増えます(副腎、脳、水晶体は、高濃度のビタミンCは含まれる臓器です)
ビタミンCは副腎疲労対策、抗酸化抗炎症対策として、意識して摂取するといいでしょう。
睡眠不足や夜更かし、カフェイン、血糖の乱高下、慢性炎症などの様々なストレスは、副腎に負担をかけています。
●まとめ
小腸のタイトジャンクションの透過性の亢進は、脳・肝臓・副腎に影響を及ぼします。
腸は大切。
亜鉛やビタミンDなどのミネラルやビタミン、SIBO対策、全般的な抗炎症、抗酸化アプローチは、タイトジャンクションを守ります。
※ゾヌリン:タイトジャンクションの透過性調整タンパク。炎症の原因になりますが、本来は、腸の感染から生体を保護しています。
Fasano, A. (2012). Zonulin, regulation of tight junctions, and autoimmune diseases. Annals of the New York Academy of Sciences, 1258(1), 25.
血清ゾヌリン=粘膜バリア機能のマーカー
Ajamian, M., et al (2019). Serum zonulin as a marker of intestinal mucosal barrier function: May not be what it seems. PloS one, 14(1), e0210728.
→リーキーガットの程度の指標として使われています
※ゾヌリン:タイトジャンクションの透過性調整タンパク。炎症の原因になりますが、本来は、腸の感染から生体を保護しています。
Fasano, A. (2012). Zonulin, regulation of tight junctions, and autoimmune diseases. Annals of the New York Academy of Sciences, 1258(1), 25.
血清ゾヌリン=粘膜バリア機能のマーカー
Ajamian, M., et al (2019). Serum zonulin as a marker of intestinal mucosal barrier function: May not be what it seems. PloS one, 14(1), e0210728.
→リーキーガットの程度の参考に使われることがあります
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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成