大学教育が社会的地位の認識と性格特性に与える影響: ブラジル人における研究
地位とは、威信や優位性によって得られる立場であり、個人の資質を反映するため、社会的・繁殖的に大きなメリットがあります。
しかし、伝達される特性や認識される特性は、必ずしも現実と一致するわけではありません。
異なる職業に関連する地位が、社会的相互作用における意思決定に役立つため、特性の知覚にどのような影響を与えるかを理解することは極めて重要です。
本研究では、ブラジル人において、大学教育から得られる地位が、社会的地位、仲間価値、性格特性の評価に影響を及ぼすかどうかを調査することを目的としました。
本研究では、大学教育による地位が高い刺激対象は、地位が低い刺激対象に比べて、社会的地位が高く、交配価値が高く、ナルシシズムと外向性に関連する特徴を有していると認識されるという仮説を立てました。
背景
人間社会における地位は、威信と支配によって得ることができます。
支配が強制的な行動を特徴とするのに対し、威信は集団が価値ある技能、特性、知識、能力を認めることによって自発的に得られるものです。
高い地位は、望ましいパートナーへの容易なアクセス、有利な社会的同盟、特権的な領域へのアクセスなどの利益をもたらします。
さらに、高い地位は個体の交配価値に影響します。
様々な研究により、高級品の所持、名門校への入学、高収入の仕事、ユーモアのセンスなど、潜在的な地位シグナルと高い地位を示すことによる社会的利点が明らかにされています。
特に職業は、威信、収入、知覚される能力の指標としてよく使われます。
また、性格特性は、地位獲得や地位表示の動機と関連しています。
パーソナリティ研究では、神経症傾向、協調性、外向性、経験への開放性、誠実性からなるビッグファイブモデルが広く使われています。
特に外向性は、地位の欲求と関連し、リーダーシップ、自己認識、集団の影響力、キャリアの探求と関連しています。
さらに、ダークトライアド(ナルシシズム、マキャヴェリズム、サイコパシー)と呼ばれる、伝統的に社会的忌避性が高いとされる性格特性は、高い地位をもつ人や地位に対する強い欲求を示す人と関連していることがわかっています。
これらの特性は、操作的、利己的、権威主義的、無神経、正直・謙虚さの低い行動によって特徴付けられます。
方法
本研究では、非無作為割付による準実験デザインを採用しました。
ブラジル在住の18歳以上の男女252名の参加者からデータを収集するため、Googleフォームを用いたオンラインアンケートを実施しました。
参加者は、地位の高い大学教育を受けた刺激対象と地位の低い大学教育を受けた刺激対象の社会的地位、仲間価値、性格特性を評価しました。
結果
その結果、高学歴の刺激対象は、社会的地位が高いとみなされ、ダークトライアドの特性が高くなることがわかりました。
一方、地位の低い大学教育を受けている刺激対象は、協調性、情緒安定性、経験への開放性が高いと認識されました。
考察
大学教育は、社会的・性格特性のシグナルとして機能し、社会的認知を形成します。
その結果、地位の高い大学教育を受けた人は、社会的地位が高く、ナルシシズムや外向性に関連する特性を示すと認識されることが示唆されました。
一方、地位の低い大学教育を受けた人は、より協調的で情緒が安定し、経験に対して開放的であると見なされます。
結論
本研究は、ブラジル人の社会的地位の認識、仲間価値、性格特性に対する大学教育の影響を明らかにします。
その結果、地位の高い大学教育はより高い社会的地位と特定の性格特性と関連し、地位の低い大学教育は異なる特性と関連するという仮説が支持されました。
社会的認識の形成における教育の役割を理解することは、社会における階層的地位の力学と、社会的相互作用における個人の行動への影響を理解する上で重要です。
元論文
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?