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趣味の話(パン作り編)

ここ半年くらい、stand.fmなどの音声配信を聴きすぎて、本来の趣味を疎かにしていた。趣味と言うのは、自家製の天然酵母から作るパン。教室などに通っているわけではなく、完全に独学で自宅でひとり、黙々と作っている。私にとっては、緩いメディテーションのようなものでもあり、一応静かな環境で作ることを意識している。パンを捏ねながら物思いにふけったり、発酵を待つ時間に本を読んだり、キッチンを片付けたり。丁寧な暮らしが苦手な私が、丁寧になれる時間なのだ。

私は元々海外のポッドキャストをよく聴いていたのだけど、音声配信はめんどくさいと思っている作業をする傍らでも“ながら聴き”ができるエンタメだと思っている。家事とか、通勤時間とか、全く見たくもないテレビ番組を家族が見ている時とかに、自分が楽しく過ごせるように。それがここ半年、私が聴いている配信者さんたちの話が面白すぎて、ながら聴きどころか若干疲れてしまうくらい没頭して聴き入ってしまっていた。すごく楽しかったし、良い時間ではあったけど、結果、パン作りから遠のいてしまったというわけだ。本来パン作りに当てられる時間にまで音声を侵入させてしまったのだから。じゃあ聴きながらパンを作れば良いのだけど、最初に書いたように私にとってメディテーション的なパン作りと刺激の強い音声配信は全くマッチしなかった。

サワードウのカンパーニュ

でも、最近気づいてしまった。音声を聴くことを優先し、パンを作る頻度が減ってから、自分の生活がかなり雑になってきていることに。我が家は都内のいわゆる狭小住宅。そこに小学生の子供が3人いるわけだから、ちゃんと片付けてないとあっという間にモノで溢れてしまう。キッチンもしかり。あっという間に子供たちのお菓子だとか、水筒だとかが積み上げられていく。そんな環境では気持ちよくパンなど作れない。だからこそ、パン作りに没頭していた時は、自然とキッチンも片付いていたみたいだ。

冷蔵庫の中もそう。私の場合、サワードウ(Sourdough)と呼ばれる天然酵母を作っていて、強力粉を継ぎ足して培養し育てているので、パンを作るたびに酵母が増えていく。使いきれなかった余り種は、クラッカーやクッキー、パンケーキなど、膨らみがそこまで必要ない料理に利用できるのだけど、一度に使い切れない時は、冷蔵庫が天然酵母の瓶でいっぱいになってしまったりする。更に、私が作るパンは冷蔵発酵といって冷蔵庫で一晩発酵させる工程が必須なので、パン生地まで冷蔵庫に入れなければならず、意識して片付けないと冷蔵庫があっという間にパンパンになるのだ。

余り種のクッキー
(マカダミア&ホワイトチョコ)
冷蔵発酵前のパン生地。

そんなわけだから、パン作り=片付けでもあり、怠け者の私の生活を少なからず正す効果もある。ところが、パンを作らなくなると冷蔵庫のスペースが広くなるから、雑な私は何でもかんでも突っ込んでしまうし、パンを捏ねたり成形する必要がなくなるとキッチンカウンターの空いたスペースに一時的に何かを置いてしまいがちで、結果キッチンがモノだらけとなるわけだ。

ひどいのが、キッチンの片付けが雑になってくると今度は他の部屋の片付けも段々と雑になってきてしまうこと。小綺麗な家で素敵な暮らしをしたいと少なからず思っている本心とは裏腹に!結局、私は根が雑で適当だから、意識してないと生活がどんどん雑になるのだと今回よくわかった。やはり私は自分が心から納得できる理由がないと“ちゃんと”できない人間なのだと、改めて気づいてしまったのだ。

やっと秋になり、パンを焼くには最高の季節になった。秋のフルーツはハード系のパンとよく合う。私は、いちじくやラ・フランス、シャインマスカットをチーズやナッツ、はちみつなどと和えるのが大好きで、そんな時に自家製のパンは欠かせない。ワインがあったら更に最高。パンを作って、美味しいものを食べて、ちゃんと片付けて、耳を休ませる時間も大切にしようと思った秋の長夜。次回はバゲットを焼こうかな。

シンプルな朝ごはんが好き
洋梨のゴルゴンゾーラ和えと一緒に
シャインマスカット&ゴルゴンゾーラ
最高の組み合わせ!

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