男は男である?
妻と五歳息子が早めの就寝。
私は日課の月写真を撮り、一人晩酌へ。
追悼を込め、ゴダール監督『女は女である』を視聴した。
結婚して子供が欲しい女と、消極的な恋人の会話劇。
自らを照らし合わせた。
妻が恋人だった頃、彼女が三十歳の年に別れを切り出した。
安定しない仕事、でも続けたいという勝手な理由。
縒りが戻り結婚して子供を、となった際も数年躊躇した。
今は息子のいない人生は考えられないけど当時は……
「一杯やってるの?」
いつの間にか息子が起きて隣に!
麦茶を入れてあげ乾杯。映画はつけっぱなしにした。
息子はぼんやり映像を見ながら
「僕はねママが好きなんだ」と唐突に。
――パパも一緒。
「でも、もっと好きなのは……」
一拍置いて「ママのおっぱい」とニヤリ。
――パパも一緒。男は皆そうだ。
不正解な返しだったが、息子は満足したように戻っていった。
映画は終幕を迎えていて、男女の結末は分からずじまい。
見返す気は起らず歯を磨きに立った。
ゴダアルを流し見てゐる寢待月
(ごだーるをながしみているねまちづき)
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