手の皺が輝くようなこと
仕事休みの妻。
自ずと五歳息子も園がお休み。
「パパ、遊ぼう」
――お仕事してるから駄目。
「それは?」
たまさか息抜きにやってた将棋がパソコンに。
「してないじゃん」 彼女かっ
☆
夏の積乱雲と秋の鱗雲が入り混じって空に浮かんでいた。
私は一糸まとわぬ姿で寝転んでいる。
最寄りの温泉施設。
「一緒に入りたい」と言ってた息子は直前で「やっぱりママ」と翻意した。
おっさん一人、平日昼に何してるんだろ……罪悪感とセレブな気持ちが混ざり合う。
お芝居の企画を考えた、何も出てこなかった。
休憩処にだいぶ遅れて妻子が戻る。
息子が「もっと」と望んだんだとか。
ふやけて皺々になった指を嬉しそうに見せてくれた(※表題写真)。どんだけ。
「パパ、俳句出来た?」と唐突に。
考えてもいないと言うと「僕は出来たよ」。
季語ないじゃん……って野暮は言わない。
それより「手の皺が輝く夢」ってなんだ?
そればかり反芻し家路についた。
行合のそら平日の寝ころび湯
(ゆきあいのそらへいじつのねころびゆ)