ホワイトデー忘れがちだけど、大切。
「今日は疲れた。皆、駆け込みで買っていくから」
洋菓子店で働く妻。
ホワイトデー当日は大盛況だったらしい。
聞きながら、私はソワソワ。
駆け込みで注文したものが届かない。
一昨日、じぃじが帰り際にゴディバを置いていった。
実娘へのお返しを忘れない素敵な父親。
それを見てハッとなる不甲斐ない夫。
ママを笑顔に。
家族の暗黙ルール。
彼女の機嫌が日々の幸せに関わってくる。
最近は息子も良く理解している。
ママがイベント好きだってことも。
夜九時。スマホが震える。
置き配完了の知らせ――来た!
こっそり玄関へ。
荷物を取ると息子がくっついてきていた。
「なにそれ?」 おお。
二種類の箱を買って正解。
二人で渡そうと説明すると「パパ、やるね」 まあな。
「ママ、目つぶって……ホワイトデーおめでとう!」
祝福しちゃったのはご愛敬。
「ないのかなって、実は寂しかった」とママ。あっぶね。
偶然のサプライズ演出になったけど、結果良し。
我が家にようやく春の訪れ。
佐保姫の笑顔の照らす小さき家
(さほひめのえがおのてらすちさきいえ)
季語(三春): 佐保姫……春の女神、秋の竜田姫と対をなす
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※奇しくも半年前には「竜田姫」で妻を詠んでいた。なんだか恥ずかしい。