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ひとり予行練習

食後、四歳息子から「遊ぼ」の声。
――ダメ、大事なサッカーの試合。
と、答えるや「自分がするわけじゃないでしょ」
的確な突っ込み。
が、パパはテレビの前を動かない。

息子はぬいぐるみ達と遊んでいたが、
ふと立ち上がると「一、二、三……」
カウントをとって動き始めた。

週末、保育園では運動会がある。
演目は、かけっこ、鉄棒、そしてパラバルーン。
大きなシートを皆で手に持って、上下させたり移動したりして「山」やら「花火」やらを表現する集団発表。

息子はそれを一人で練習し始めた。
引いていたゴザを手に「……四、五、で上に」

――急にどうしたの?
気になって聞くと、「自分だけ間違ったから」と答え。
先月、休みの多かった息子は習得が遅れているらしい。
だから手順の補習をしてると。

……なんと真面目で、健気なのか。
「せーの、」
シロクマのぴっちゃんに話しかけてる姿を見て、思わずテレビを消した。


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パラバルーンの予習をする子秋簾

(ぱらばるーんのよしゅうをするこあきすだれ)

季語(仲秋): 秋簾、簾名残(すだれなごり)


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