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スマホゲームの課金地獄から抜け出したい……【仏教で答える悩み相談9】

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。

今月のお悩み

Q スマホゲームにハマりすぎて3年が経ちます。膨大なお金も時間を犠牲にしてきたので、ここできっぱりやめたいのですが、どうしてもゲームのことが頭から離れません。なんとか縁を切る方法はあるのでしょうか?
(20代・男性)

A1 強い意思を別の方向に向けて

何かをやめるには大変な力がいると思います。3年も同じことに打ち込めるのは、それだけご自身の意思が強いのでしょう。やめることも一つの意思。でも、続けることも一つの意思であると思います。

長年、その意思を持ち続けるのも大変な労力だと思います。その思いを少し違う方向に向けてみてはどうでしょうか。一日のゲームに充てる時間を決める、違うことを始めてみる、課金するお金を違うことに使ってみる、など。少しずつそのゲームから離れていくことも一つの手立てです。

縁を断ち切るということは、その原因である元を絶たなくてはなりません。その場合、極論ですが、「携帯を持たなければ良い」という答えになってしまいます。そうではなく、原因とうまく付き合っていく、だんだんと執着から離れていくことはいかがでしょうか。ゆっくり、でも着実に進んでいきましょう。
(築地本願寺コンタクトセンター・戸見嶋淳昭)

A2 人の力を上手に借りて

私はその方面に詳しくはありませんが、ゲームの中で強くなるためのアイテムはガチャでしか手に入らず、いつしか習慣になり、やめたくなってもつぎ込んだお金のことを考えるとかえってやめられないらしいですね。それだけでなく、ゲーム内での人間関係で孤独を紛らわせる人も多いとか。そういう話を聞いてしまうと、無理矢理やめさせるのも酷な話かなと思います。

ただ、あなたの場合はやめる方向で誰かに背中を押してほしいのですよね? 

だったらまずはアカウントを消しましょう。ゲームの仲間との通信手段も断ちます。そして身近な人に相談して、スマホを遠ざける手伝いをしてもらうのも効果的かも。そういう人がいなくても、ゲーム依存の人同士話し合える会などもあります。人の力も上手に借りればきっと大丈夫。
(本願寺新報記者・星 顕雄)

A3「損」を「+」にできる素敵な大人になろう

行くとこまで行っちゃった感じですか? お察しします……。ま、お金も時間も返らないけど、そこから学べば無駄にはなりませんよ。

投資など金融業界には「損切り」という用語があります。回復が見込めない証券を売却し、損失を確定させることです。一見、失敗のように思えますが、損失を拡大させないプラス要素と考えるのだそうです。これができない場合は「塩漬け」となり身動きがとれません。つまり損失をコントロールするのが重要なのですね。このような考え方を知る機会と捉えてはいかがでしょう。

ゲームが悪とは思わないんですよ。楽しいし、コミュニケーションにつながったり、eスポーツというジャンルもありますしね。お坊さんとしては、切れる縁などないので、うまく付き合ってほしいと思います。
(常教寺住職・藤本真教)