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上司に無視されて、悩んでます。【仏教で答える悩み相談25】

人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。
 
今月のお悩み
Q 入社1年目の会社員です。帰り際に「お疲れ様です」と上司に挨拶をするのですが、なぜか無視されることが多く、上司も忙しいと思うのですが、とても不安になります。どうしたらこの不安感がやわらぐでしょうか。
(20代・女性)

A1 周りを証人にしましょう

 入社1年目の会社員さん、お疲れ様です。しかしまあ、今日においてはハラスメント級ですね。不安になるのも当然です。

 単に「聞こえていない」可能性があります。目上の人へは声量が小さくなりがちですしね。私もカゲが薄いせいか、挨拶の場で誰かと重なると「あ……(伝わってないな)」ということがよくあります。そこで提案ですが、具体的な一言を添えてはいかがでしょうか。「今日は書類を見てくださって助かり人の数だけ、悩みは尽きぬもの。皆さまから寄せられた悩みに、お坊さんや仏教関係者たちが答えます。ました」「○○さん、お疲れ様でした」などです。さらに、周りに人がいるときに挨拶すると、周りが証人になってくれます。

 挨拶はいいことですから、ほかの2人の回答も参考に、もうしばらく続けてみませんか。それでもだめなら「そういう人なんだ」と割り切って接すればいいのです。この辛さ、将来部下ができたときに、必ず役立ててください。
(編集委員・藤本真教)

A2 声は届いているはず


 私は働きはじめて17年になりました。多分、中堅もしくは少しベテランになってきたかなと思います。

 私も1年目の時、上司の反応にすごく不安を感じていました。呼称にしても「おい」、もしくは「1年目」ばかりで、名前で呼ばれることがあまりありませんでした。

 ただ、そんな上司ですが、困ったことがあって、恐々相談に行くと、親身になって聴いてくれました。不思議ですよね。上司の方も、相談者様にどう接したらよいのか迷っているのではないでしょうか。相談者様の声は必ず届いていると思いますよ。「この子はいつでも挨拶してくれる」。そんな姿は必ず見えているはず。一方通行で不安かもしれないですが、声は必ず届いていると思います。いつか上司が「お疲れ様」と声をかけてくれる日まで声を届け続けてみませんか。
(築地本願寺コンタクトセンタ―担当・戸見嶋淳昭)
 

A3 常識が通じない人もいる

 「挨拶をしたら、挨拶をされる」というのは常識です。しかし現実には相談者さまのように無視をされて、不安に思う人もいます。

 では、なぜ不安が生まれるのでしょうか。それは前述のとおり「挨拶をしたら、挨拶をされる」ことが常識だと思っているからです。常識が通じない人が世間にはたくさんいます。相手とすれ違うとき、相手が自分とは違う常識を生きていることを知らされます。

 どちらかが変われば不安は解消するはずですが、上司を変えるのは難しそうなので、ご自身が変わるしかありません。ということで、明日から上司に挨拶をするのをやめましょう。これで「挨拶を無視される」という不安からは解放されます。……別の不安が出てきそうですね。どうしてもしんどいときは、思い切って上司に直接、もしくは近い方に相談して少しずつ歩み寄ってみると、無視の正体が暴けるかもしれません。
(編集委員・髙嶋悠美)

 
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※本記事は『築地本願寺新報』掲載の記事を転載したものです。本誌やバックナンバーをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。


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