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おとな女子こそ南イタリア⑦トラーパニ

Trapani:トラーパニは、シチリア島をぐるっと周ろうと思う人、或いは余裕をもって旅している人じゃなければ、もしかしたらスルーしてしまう町だと思います。何てったって、小さいんだもの!何もない、とも言える町だし。

地理的には、シチリア島の最西端の町であるトラーパニ。直ぐ鼻の先には、アフリカ大陸のチュニジアがあり、古代ギリシャ時代から地中海貿易の中継地だった港町。今は賑わいを見せるのは夏場のみ。チュニジアとシチリア島の間に点在するエガーディ諸島への玄関口として知られており、夏のバカンスシーズンにはイタリア国内外から大勢の人がやって来ます。ただ、それ以外の季節は人気もなくかなり寂れている雰囲気。そういう意味ではおとな女子が観光するのにバッチリじゃないでしょうか?

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とにかく旧市街が良い!特にメインストリート(Vittorio Emanuele通り)の中頃を過ぎるとお店も無くなるのだけど、アラブ的な要素とスペイン風コロニアルな味わいを残す街並みは、何とも言い難い魅力があります。まるで映画のセットのよう。

強い潮風によるダメージがあるためでしょうか、何年かに一度は外壁の手当てをする必要性がある故に、この様な街の景観に仕上がっているのかな?とにかく街並みが可愛らしいというか、古い建物が外壁の塗装によってメルヘンチックになっているというか。ある種の望郷感も醸し出している佇まいで、良いのです!単に、人っ子ひとり歩いていないから、かもしれませんが。ただ街歩きをしていることが十分楽しいトラーパニは、映えまくりの町なのですよ。どこを切り取っても絵になる町。

トラーパニの町の西端に突き出た地にあるリニーの塔の、右手はティレニア海、左手は地中海で、ふたつの海が交わるところに自分がいるというのは、何とも壮大な気分になります。

漁の良場あるあるでカモメが多い!多いだけじゃなくて、一匹一匹の個体も大きい!そして何故か人間慣れもしている様で(漁師さん達がいつも餌をくれるから?)、至近距離でカモメの観察も出来るというオマケあり。

パレルモからは鉄道ではなく、やはりプルマンがベストです。SEGESTA社は1日に何便も出していて、トラーパニまでは片道2時間。終点が旧市街の入り口近くで便利だし、数日前からでもSETESTAオフィスでチケットが買えるのも◎(往復買っておくと楽ですね)。同日の往復だと、かなり割安になりますよ。美術館や高台のエリチェ方面へ行く場合は、新市街のトラパニ駅で下車がベターです。

細い路地構造の旧市街は、敵が容易に攻め入って来ない様にとの観点から生まれたアラブ文化でもあるけれど、トラーパニに於いては、海からの強風を防ぐ役目にもなっている様です。到着するまで知らなかったのですが、町の3方向をぐるっと海に囲まれているトラーパニは、1年を通じてとにかく風が強いことで有名なんですって。この日も旧市街以外の場所では歩くのが困難なほど。平均よりやや重めの体重でさえ、気を抜いたら飛ばされかねないくらいの強風に吹かれまくりでした。だから、トラーパニを訪れるならスカートはNG。帽子も飛ばされるから諦めて、髪もタイトにまとめておくこと。

そして、海に囲まれている町=海産物が豊かということ!トラーパニは新鮮な魚介を使った美味しい名物で溢れています。なんと言っても一番の名物は、トラーパニ風クスクス!ここでしか味わえないマストな一皿。クスクスと言ったらアフリカ料理ですが、イタリアンと融合した見事な一品です。とにかくポーションが大きいので、一皿でおとな3名は余裕でお腹いっぱいになるのでは?港から直行の魚介で取った濃厚美味なスープは、残してしまった分をお持ち帰りしたかったほど。

シチリアでも町によって特産が異なるので、名物は様々。どの町の一皿も美味しいので、食いしん坊には堪らない旅先であることは間違いありません。

トラーパニからパレルモへ帰るバスは、往路で下車した海沿いの通りの反対側にあります。バス停には何もなく、近くにバール等もないので、帰りのバスに乗る前には、ちょっと先にあるフェリーターミナルのビルでお手洗いを済ませておくと良いですよ。トイレがあるエリアは、フェリーの乗客でなくても入っていけますし、新しいビルなのでキレイですし、ブティック等もあるので時間潰しも出来ます。

トラーパニに限らず、シチリアはどの町の人も、異邦人に対して親切で優しいです。一般的に、島文化というとよそ者を容易に受け入れないイメージもありますが、シチリアはありとあらゆる異文化に、代わる代わる支配されてきた長い歴史があるからでしょうか。自分たちと異なる相手に対して、とても寛容と感じます。私の経験上、イタリア本土の田舎町の方が、閉鎖的で排他的だと思います。

だからまた訪れたくなる島で、帰りたくなる町が、シチリアを訪れた旅人それぞれに出来る場所なんでしょうね~。多分に漏れず、私もシチリアに対するロス感、半端ないですよ。

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おとな女子こそ旅に出よう!TravellinGorgeous®トラベリンゴージャスbyマダム・カズエ
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