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「難病になって何を学んだんですか....?」(2)

(写真は難病を発症した2016年7月に訪れたオクスフォード大学マートンカレッジ)

「紫斑病性腎炎」

これが2016年イギリス出張中に発症した難病の病名です。2015年施行による難病指定(指定難病224)となっています。もう2年先に発症していたら、難病としては指定を受けることがなかったのかもしれません。

基本的に難病に指定される病気は、原因が特定できず、明確な治療法がなく、患者が少ない上に、長期療養をしなければならない、というような条件があります。

どのようにして発症したかについては、前回の投稿をご覧ください。

今回は生まれて初めて入院して気付いたことについてシェアさせて頂きます。

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。
難病を発症して何を学んだかと尋ねられることが少なくありません。これを読んでくださっているあなたの成長のために何らかの刺激になればと願ってしばらくシリーズで書きたいと思います。

「紫斑病性腎炎」とは、読んで字のごとく「紫斑病」という病気を発端として「腎炎」になるという病気です。「紫斑病」も「腎炎」もそれだけでは、難病に指定される事はありません。「紫斑病」は血管の病気で、血管、消化器、関節などに自己免疫が「攻撃」をしてしまうために起こる病気だそうで、思春期前の子供がかかる病気として知られているようです。(私の精神年齢が思春期前だから発症したのか?)自己免疫が「攻撃」を起こしてしまっても一ヶ月位で治る病気です。

ところが、血管、消化器、関節だけでなく、腎臓にも炎症がおこると一ヶ月では収まらず、腎炎の進行が進んで腎不全に向ってしまうわけです。その腎炎の進行が、急速進行性で重度であると診断されると「紫斑病性腎炎」として難病に指定されるわけです。


初めての入院

大きな病気をしたこともなく、どうしていつもそんなに元気なの?と聞かれることが少なくなかった私が、診断を受けた病院でそのまま即入院ということになり、結果的には9回もの入退院をくり返すことになったのです。

何が必要なのかもわからず、手ぶらで検査にでかけて、そのまま唯一空きのあった個室に入院したのです。家族に電話を入れてパジャマと洗面道具をお願いして個室のベッドに横たわっていました。家族が心配して駆けつけ、入院手続きもしてくれました。

そんな中、私は激しい腹痛と関節痛に襲われ、吐き気をもよおして、個室内のトイレに駆け込みました。この時は個室で本当に良かったと思いました。

その日は、時差ボケもあって夜の何時かわからないまま痛みと吐き気で夜を明かしました。広々とした個室でしたが、ベッドでは眠ることができずトイレの床に横たわって朝を迎えました。

翌日、空きができたということで、個室から車椅子に乗せられて同じフロアの4人部屋に移動しました。ここから一ヶ月あまりの入院生活が続くとは思いもしていませんでした。


難病になって何を学んだの?

シリーズで私の病気について書いていきますが、私が辛い思いをしたから慰めて欲しいとか、カタルシス効果のために吐き出そうという思いは一切ありません。

ここで紹介させて頂くことによって、少しでもこれを読んでくださっているあなたの「最高の自分」への成長のための刺激になればと思っています。

さて、今回の学びはこれです。

症状はそれを抑えるためにあるのではなく、
根本原因に私たちの注意を向けるためにある。
症状を抑えるために対症療法を一時的に使ったとしても、
原因療法によって根本問題を解決しなければならない。

なんだ、そんな当たり前のこと、病気にならなくてもわかるでしょう、と思われるかもしれませんね。実際に症状と原因を見極めることが難しかったりすることがあるのではないかと今回の病気を通して学んだのでした。

私の病気「紫斑病性腎炎」と起源は異なり、「紫斑病」を伴わない「IgA腎症」という難病があります。私の場合、内出血による赤い斑点、消化器の激しい痛み、関節の痛みという「症状」があったため、病院にすぐに行きました。この「IgA腎症」は、自覚症状がなく尿検査を受けていないと病気の発見がおくれることがあるのです。

腎臓には神経が張り巡らされていません。ですから炎症のために出血していても痛くもかゆくもないのです。私の場合も急速進行性で尿検査をすると測定値を振り切ってしまうほどの出血がありました。しかし、腎臓は全く痛まないのです。

それと同じように、私たちの直面する問題も、時には症状が分かりにくいものもあるのです。自覚症状がないからと言って甘く見てはいけないのだと教えられます。腎臓病のように尿検査のみでしか発見できない問題もあるのです。高血圧や生活習慣病も自覚症状が少ないですね。

もしかするとあなたも何らかの「問題」に直面しているのかもしれません。

その「問題」は、症状ですか?それとも根本原因ですか?

根本原因を見極めて、「原因療法(根本治療)」によって根本問題が解決されますように。

最後まで読んでくださってありがとうございます。







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