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英語を学ぶ理由としての「うまくなりたい!」に潜む問題

(写真は道端で見つけたセンニチコウ<千日紅>:2015年9月撮影)

私が国際結婚をしていることや、海外で仕事をしていることを知ると、良くされる質問があります。

「どうしたら英語うまくなりますか?」という質問です。

失礼にならないように気をつけていますが、なぜ英語をうまくなりたいのか聞き返してしまいます。

ほとんどの場合「もっと英語をうまく話せるようになりたいから」という理由が返ってきます。

「もっと英語をうまく話せるように」お手伝いしたいのですが、この理由では、どのような手立てをしても、やはり話せるようにならないように思ってしまうのです。

今回はこの学習動機の根底に潜んでいると思われる問題について考えます。

「英語をうまく話せるようになりたい」という動機について考えますが、英語に限らず、何らかの技能を身に付けたいと願っている人のためになればと思います。

うまく話すとは?

確かに「うまく話せるようになりたい」というその気持ちは、分かるような気がします。

「うまくプレゼンができるようになりたい」
「うまくnoteが書けるようになりたい」
「うまく○○ができるようになりたい」

色んな事について「うまくなりたい」という願いを持つ人はいると思います。

ところが、実際に現在できるところから、さらに上達するために具体的な行動を起こそうとするとき「うまく」だけでは役に立ちません。

もちろん、単にぼんやりと「うまくなりたい」と思っているとは限りませんが、少なくとも二つのことを明確にする必要があるように思います。

  1. 具体的な目標

  2. 具体的な目的

この二つを明確にすることで、どのような具体的な行動(この場合、学習)をとれば良いかが随分明確になります。

目標を明確にする

いつごろまでに、どの程度まで到達したいと思っているのかです。

「英語を話す」ことについての具体的な目標であれば、

  • 英語弁論大会に出場してメモを見ないで発表する

  • 海外の展示会で自社商品について質問に答える

  • 英語圏の国へ行き、通訳なしで観光をする

  • 海外ドラマシリーズを字幕無しで楽しむ

このような具体的な目標があるか、ないかだけでも、随分と具体的な方法が見えてくるとは思いませんか。

それに加えて、「いつまでに」との時限がついていれば、ペースであるとか、学習量についてもより具体的に実行へと移しやすくなります。

もちろん、自分の現在地点がどの辺であるかを理解している前提です。

どこかに向かおうとすれば、目標地点と現在地点の双方が明確になっていなければ、闇雲に動き回るだけになってしまいますよね。

目的を明確にする

目標は文字通り「目」で見る「標」です。

目的は「目」で見る「的」と書きますが、最終目的地というより、成果、結果として何を得たいと思っているかということです。

「うまく英語を話せる」ようになって、何を得たいのか、達成したいのかと言うことです。

  • オンラインのライブで英語で商品紹介をして、海外へ直接販売をしたい。

  • 海外の研究期間で共同研究して論文発表などを通して国際的な研究実績をつくりたい。

  • 観光客に英語で地元の見所を説明して地元の良さを知ってもらいたい。

「英語を話す」というのは、「手段」です。

それも「コミュニケーション」の手段です。

私は英語自体に興味を持ったこともありませんでしたし、導かれて結婚した相手が、結果的に米国人であっただけです。

米国人と結婚しようとか、英語を使って仕事をしようと思った事もありません。

私はリーダーシップに興味をもってリーダーシップについて学ぼうと思ったときに、英語を手段として使う必要があったわけです。

また、同僚との共通言語が英語である場合が多く、英語をコミュニケーションの手段として習得する必要がありました。

「英語」という言語の言語学的探求が目的でなければ、英語は「手段」に鹿過ぎないのです。

「英語」という手段で何をしたいのか?を明確にする必要があるでしょう。

これも英語に限った事ではないでしょう。

なぜ不明確なまま「英語の学び」を続けられるのだろうか

「英語は難しい」「日本人にとって英語をマスターすることは非常に難しい」

日本人の大多数の人は、このように思い込んでいるのではないでしょうか。

人間には言語を習得することのできる能力が備わっています。

特別な障がいなどがなければ、どの国の人でも母語を自然に習得することができます。

基本的に備わっている能力については、学力やIQなどは一切関係ありません。

もちろん、すべての人が母語を巧みに操って雄弁家になるわけではありませんが、他者との基本的なコミュニケーションをとることができるようになります。

思春期以前と思春期後では脳の発達段階がことなるので、同じように言語習得をすることができるわけではありません。

しかし、日本人が英語を話すことができる。それも、それほど難しいことではないと私は思っています。

自分と同じようにしたら、きっとうまくなるなどとは決して思いません。

ただ、無理であるとか、習得は難しいと考えていること自体が、目標や目的を曖昧にしたまま英語学習に取り組む結果になってはいないでしょうか。

「どうしたら英語がうまくなりますか?」

その答えは、自分は英語がうまく話せるようになる、とまずは信じることです。

何かを習得する前に自分には「できない」と思わないことです。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。


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