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新人に「ムカッ!」と来ても「圧」をかけないで下さい!それで新人が育つことは絶対にありませんから。

(写真は千葉県から眺める富士山の夕焼け:2021年2月撮影)

新人が組織に加わってくると...

「おいっ!何だ!」
「ちょっと〜何これ?」
「え〜信じられない!」

常識外れのコメントや行動、態度に驚かされることがありますよね。

特に新入社員の研修や新人が配属されてくるとこんな事が頻繁になります。

いつの時代にも、自分より若い世代に対しては、理解できない、非常識だと感じるものではないでしょうか?

私は1966年生まれなので最初は「新人類」と呼ばれ、途中から「バブル世代」などと呼ばれて、「何を考えているのかさっぱり分からない」などと上司につぶやかれて社会人のスタートを切りました。

世代ごとに呼び名などがあったりするようです。

  1. 団塊:1947年〜1949年生まれ

  2. 新人類:1950年後半〜1964年生まれ

  3. バブル世代:1965年〜1969年生まれ

  4. 団塊ジュニア:1970年〜1984年生まれ

  5. ゆとり世代:1987年〜2004年生まれ

  6. 新人類ジュニア:2005年生まれ〜

あなたはどの世代でしょうか?

新人だった時にどんなことを前の世代から言われてきたでしょうか?

そして、そんな前の世代に対してどんな気持ちを持っていたでしょうか?

佐々木朗希選手への白井審判の警告

プロ野球の試合中に審判の取った行動が話題になっています。

4月24日、完全試合で注目されている千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が、球審のボール判定に対して、納得がいかないような苦笑いでマウンドからホームプレートに向かって2,3歩踏みだしました。

これに対して白井球審が逆にマスクを外して「警告」?するためにマウンドに向かって威圧的な態度を露わに歩き始めたのです。

ルールによれば、投手がボールやストライク判定に異議を唱えてマウンドからホームに向かうと「警告」の対象になります。

さらにホームに向かうと「退場」させられます。

今回、佐々木投手は2,3歩前に進んだ後に、振り返って盗塁があった二塁方向に向き直ってマウンドに戻り始めました。

これを「警告」の対象として見た白井球審の「威圧的な警告」が物議を醸しています。

「警告」のためにマウンドの佐々木投手に向かって歩き始めた白井球審を止めに入ったのが、松川捕手でした。

佐々木投手は20歳、松川捕手は18歳。
白井球審は44歳。

審判が「団塊ジュニア」
選手二人は「ゆとり世代」

ルールには球審がどのように「警告」するかまでは規定していません。白井球審は佐々木投手に「警告」をするためにマスクを取ってマウンドに歩み寄ったと思われます。

白井球審のこの「警告」が「威圧的な態度」で行われたことは、このシーンを見れば分かると思います。松川捕手が詰め寄る白井球審を止めにかかっているところからも、感情を露わにしていたのではないでしょうか。

このように「威圧的」な態度と言葉で、佐々木投手に詰め寄ったことの是非が話題になっています。

威圧的な態度で得るものは何か?

「警告」のやり方の是非や審判が感情を露わにするべきかどうかを論じるつもりはありません。

20歳の若者に対して「威圧的な詰め寄り」をして何を達成しようとしたのかを考えて

この件で審判長が白井審判員に対して「プレーヤーに対し、指導、注意をすることはあるが、今回は別の方法があったということを考えて対応すべきだった」と指摘したそうです。

この指摘からすると「指導、注意」という目的で、「威圧的な詰め寄り」が一つの方法としてなされたという理解のようです。

今回の場合は「別の方法」があったのではとのことです。

しかし、「威圧的な詰め寄り」が「指導」の目的を果たす方法の一つとは思えません。

もちろん、審判はルールに基づいて判断をし、審判の判断に対しては誰も異議を申し立てることはできないことになっています。

投手が異議を唱えれば、ルールに基づいて「警告」をしなければならないでしょう。

このまま異議を唱えれば「退場」になりますよと「警告」するわけです。

「警告」の前に「指導や注意」をするのは、「警告」や「退場」になることを防ぐためでしょう。

このままいくと罰せられるから、気をつけなさいと「注意」するのは分かります。

しかし、「威圧的な詰め寄り」によって「指導、注意」することで、選手が萎縮したり、この審判はキレるから気をつけようと思うかも知れませんが、より良い選手として育つわけではないでしょう。

スポーツとビジネスをそのまま比べることはできませんが、組織に新人が加わった時に、先輩や上司が新人の言動に対してムカっとなってしまうシーンを連想させます。

人が育つ環境

人が成長するために必要なのは、外圧ではありません。

人が成長するために必要なのは「育成環境」です。

「育成環境」とは少なくとも3つの要素が考えられます。

  1. 意識

  2. 経験

  3. 関係

意識とは本人の成長に対する意識です。

人は様々な経験を通して成長します。それも心地よい経験よりも、困難や苦難に直面するような経験を通して成長します。

そのような経験を成長の機会として捉えるか、ただ時間が過ぎるのを待つだけとは大きな違いが生まれます。成長に対する意識があれば振り返りを通して学ぶでしょう。

そして、様々な人との関わりが私たちを成長させます。

どのような人間関係からも学ぶことができますが、あなた自身の主体的な成長のためにメンターやコーチとして意識的に関わってくれる人がいるのといないのでは大きな差がでることでしょう。

メンターやコーチは傍らに立って背中を押すように正しい方向に向かわせることがあったとしても、正面から「圧」をかけることはないでしょう。

「圧」をかけても、相手が成長する役には立たないからです。


新人の言動に「ムカッ」と来ても、威圧することは避けたいですね。

そして、注意すべき言動があったなら、二人だけのところで、感情をむき出しにしないで、どのような言動が注意に値するのか、なぜ良くないか、どのような言動が望ましいかなどについて話し合いましょう。


最後までお付き合い頂きありがとうございます。


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