「マインドセット」を変革する〜(2)マインドセットの形成
(写真は東京の多摩湖に沈む夕日:2020年9月撮影)
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健です。
あなたが「最高の自分」に向って成長し続けることに役立ちたいと願って書いています。
「ハイパフォーマンス」とは、一人ひとりが「最高の自分」に向かって成長していく道のり中で、その時、その場面、でのベストの実践・実行のことを指しています。
「ハイパフォーマンス」の妨げは、ほぼ全て「マインドセット」であることから、「マインドセットを変革する」ことについてシリーズで取り扱っています。
2回目の今回は、「マインドセットの形成」です。
「マインドセット」はどこから?
マインドセットとは、
・生まれ育った環境
・様々な経験
・受けてきた教育
・時代や文化的な背景 等々
によって形成された思考様式や心理状態のことです。
「思考のクセ」や「ものの見方・考え方」とも言えます。
上にリストアップしたものは、外部からの能動的または受動的な働きかけや、出来事や人との関係によるものです。
いくつか私自身のマインドセットについて取り上げて考えてみましょう。
●生まれ育った環境・・・親は二人とも教師
→→→ 女性軽視に対する否定的マインドセット(女性も男性と同じように社会で活躍するのが当たり前)
→→→ 学校は教師が人を矯正する場所という先入観マインドセット(教師である親にいつも注意されたり、悪いところを直せと言われてきた)
●様々な経験・・・小学生時代に毎夏外国人が我が家に数週間ホームステイ
→→→ 文化は異なっても人間は平等であるというマインドセット(外国人コンプレックスを持たないで、米国人女性と国際結婚をした)
●時代や文化的な背景・・・集団主義的な文化背景
→→→ 周囲と同じであることが大切であるという画一性マインドセット(周囲と同じように行動することや様々な同調圧力に屈する)
こうやってふり返って見ると、マインドセットの多くは幼少期の環境・出来事・人間関係をきっかけに出来上がっていることがわかります。
他方、幼少期に全く同じ環境・出来事・人間関係があったからと言って全く同じマインドセットを持つわけではないことが、双子のきょうだいを知っている人はすぐに気づくでしょう。
ですから、生まれ持った性質のようなものも影響を与えているように思われます。
マインドセットが形づくられるプロセス
マインドセットは「思考のクセ」とも言えます。
「思考」は私たちの脳の活動です。環境・出来事・人間関係を通して経験や教育が与えられたときに、私たちの脳はどのように反応するのでしょう。
脳科学の発達と共に様々なことが科学的に解明されているようです。
脳には、大きく分けると二つのシステムがあると言われます。
1.意識的なもの:付き合っている人と結婚するかどうか考える、noteに書くテーマを何にするかを考えるなど。
2.無意識的なもの:歩く、呼吸をする、顔を洗う、手慣れた料理をするなど。
それが意識的であろうと、無意識的であろうと、脳の中では「神経回路網」を通して情報伝達が行われて、「理解、判断、想起、記憶、抑制」という5つの機能を果たしているわけです。
草原の「けもの道」のように、何度も同じところを通ることによって、草が生えない道になります。同様に「神経回路網」のある回路をくりかえし使うと、その経路が補強されてパターン化されるのです。
この補強された神経回路が、「思考のクセ」すなわち「マインドセット」を造りあげるのです。
マインドセットは変わるのか?
変わらないと考える人もいるでしょうが、前回紹介したスタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授は、変えることができると断言します。
私自身の少ない経験からも、決して変わらないものではないように思います。
先に紹介した私の画一性マインドセットは、随分弱められてきたように思いっています。
プロフィールの写真を見て頂くとアゴヒゲを生やしています。最初にヒゲを生やしたのは20代後半でした。1990年代前半のことでした。当時はいわゆるサラリーマンでしたので、ヒゲを生やすことに対する抵抗がありました。
その後、私のヒゲの形や場所は変遷しますが、21世紀に入って随分とヒゲに対する日本社会の意識も変わってきたと思います。しかしながら、当時は随分勇気がいったことを思い出します。
今は、自分のヒゲも含めて、画一性マインドセットがあらゆる分野で弱まって、服装や髪型など多様性や個性を大切するマインドセットが強められてきたように思います。
このように、固定された考え方であるマインドセットではありますが、変化しないわけではないのです。
まとめ
マインドセットは多くの場合、幼少期に経験する環境・出来事・人間関係を通して、脳内神経回路によって形成されることを見てきました。
もちろん、固定されたものの見方や考え方ですから、パターン化しているとは言っても、マインドセットを全く変えることができないわけではないようです。
「ハイパフォーマンス」を妨げるようなマインドセットを変革していきたいですね。
今回はこの辺で。お付き合い頂きありがとうございます。