「強み」は何ですか? スラスラと出てこない!?
(写真はハワイはマウイ島の道端の観葉植物:2021年12月撮影)
あなたの強みは何ですか?と聞くと、大抵の人は一瞬固まって
「え〜強み...」
となります。
逆にあなたの苦手なことは何ですか?
流石に「地震・雷・火事・親父!」と昭和のギャグよろしく茶化す人はいないのですが、比較的素早く2〜3つの苦手なことがスラスラと出てきます。
その強み弱みの自覚がどれほど正確であるかは別にしても、強みについては自覚が弱いかないか、弱みや苦手についてはある一定の自覚があるのです。
驚くかも知れないのですが、これは何も日本だけのことではありません。
それほど多くの国での経験でないにせよ、ヨーロッパでも、アジアでも、北米でも、私自身の個人的な観察でも強みをスラスラと答えられない人が圧倒的に多いのです。
すぐ答えられない理由
ぱっと答えられなくて、一旦止まってしまう理由は何でしょう。
いくつかの理由を羅列してみましょう。
日本風「謙譲の美徳」:自分で分かっていてもスラスラといってしまうと高ぶりとか鼻につくと言われたくない。例)何も取り柄のない自分
「強み」に対する認識:特定の専門家のように希少価値のある特性でないと「強み」と認識しない。例)エベレストに登ることができる
「強み」の相対的な理解:他者との比較でよりすぐれていないと「強み」とは言えない。
もちろん一つだけが正しくて他は間違いという類のものではないので、いくつかの理由が複数ある場合もあり得ますよね。
ピーター・ドラッカーはこのように答えます。
「当り前」になっているから「強み」だと思わない。
みんなできるでしょうって思ってますよねってことです。
何も「個人」に限ったことではない
これは個人に起こることだけではないと思っています。
つまり、「強み」を自覚できないのは「組織」についても同じであると思うのです。
あなた個人の「強み」はなんですか?という質問でも、あなたの所属する組織の総体としての「強み」はなんですか?という問いかけでもすぐに答えられないように思います。
もちろんSWOT分析などを使って「わが社の強み」を明確にした直後であれば、すぐに答えられたかもしれません。
しかし、多くの場合答えられないことが多いと思います。
そして、これは「組織」だけではなくて、「地域」でも同じ事がいえます。
仕事で離島やへき地と呼ばれる地域に入ることがあります。
そこにはキラリと光る「強み」を感じることがあります。
そのことを地元の方々にも申し上げると、キョトンとされることがあるのです。
自分自身のことがよく分からないように、自分の地域のことは分かっているつもりですが、「強み」として理解することがないのです。
そしてこれは「国」でも言えるのです。
日本の「強み」って何でしょう?一瞬固まりますよね。
「強み」によって何かを成し遂げる
そもそも、どうして「強み」を知る必要があるのでしょう。
何かを成し遂げようと思えば、「強み」知らなければならい、いわれています。
分かっているつもりでも、間違っている事が多いようです。
「強み」を活かして成果をあげろと言われても、自分で分かっていると思っている「強み」もたいてい間違っているなんて言われると、一体どうしたら良いのか分からなくなるでしょう。
かつて「ストレングス・ファインダー」と呼ばれていたギャロップ社の「クリフトンストレングス」は、「強み」を客観視して捉えるために作成されたものです。
個人も、組織も、地域も国も、自らの「強み」を活かして成果をあげたいですね。
もちろんギャロップのアセスメント・ツールを使うよう勧めているわけではありません。
ドラッカーは簡単にできる方法論を教えています。
そのためには、何かをする時に何を成し遂げようとしているかを予め書き記し、そして一定期間後、結果と比較する「フィードバック」を行うことによって自らの「強み」を発見するよう勧めているのです。
また、個人であれば自分の身近にいる人から「フィードバック」をもらう事ができるでしょう。
組織であれば信頼のおける「他者」や「顧客」に聞くこともできるでしょう。
地域でも外部から来た人達に助けてもらう事ができるかもしれません。
国も場合も同じです。
国の「強み」と言えるかどうか分かりませんが、ヨーロッパで若い頃自殺をしようと思っていたけれど、「セーラームーン」を見て生きる希望をもらったという女性に会ったことがあります。
その方によれば、数多くの女性が同じような励ましをもらったとのこと。
「セーラームーン」がそんな貢献をしているとは知りませんでした。
まずは、聞いて見ることですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。